ゼイチョー!(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ゼイチョー! ~納税課第三収納係~』とは2016年から2017年まで慎結が『BE・LOVE』(講談社)で連載した漫画、およびそれを原作としたドラマ作品。東京都にある架空の市役所、幸野(みゆきの)市役所を舞台に、新人市役所職員である百目鬼華子が、納税課に配属され、徴税吏員として市民と関わっていく中で、税金を払うことができない市民のそれぞれの事情や思いを知り、葛藤しながらも理想の徴税吏員を目指し、成長していく姿を描く。

和菓子屋「ふくだ」の社長。固定資産税以外の税金を滞納し、借金もある。亡くなった妻との思い出がつまった庭があることから固定資産税は律儀に納め続けていた。従業員思いであるが、滞納分の納付と借金のためのお金を工面することに疲れ、自分が死んだ後に入る生命保険金で従業員の退職金をはじめとしたお金に充てようとし、華子に一喝される。

木下(きのした)

妻を病気で亡くし、突如シングルファーザーとなった。妻が言い残した子ども二人をよろしくという言葉に固執し、同僚から白い目で見られながらも、育児を頑張ろうとしていたが、誰にも頼らず、一人で頑張ろうとしたせいで、子どもたちの表情を見る余裕もなくしていった。妻に任せていた税金の支払いにまで手が回らなくなり、育児に追われ、郵便物を確認する余裕もなく、税金を滞納してしまう。

熊谷明(くまがいあきら)

既に友人に売ったはずのバイクの税金について滞納があり、このままでは差押になるとの通知が来たことで、市役所の納税課窓口に訪れ、華子が応対する。フリーのカメラマンとして生計を立てるため、自分が撮りたい風景ではなく、芸能人のスクープ写真などを撮らなければならず、そんな生活に心が疲弊していき、仕事道具で大切な夢の象徴であるはずのカメラすら、華子に「持っていけよ」と言い、差押のために手放そうとした。一流商社に勤める兄がおり、兄に頼らず、自分の力だけで何とかしなければと躍起になるが、兄の子どもの出産三日後に立ち会い、自分の本当に撮りたいものを思い出し、カメラマンを続けるために家族である兄に頼ろうと思えるようになった。

小山田涼子(おやまだりょうこ)

自身が相続した土地と家屋の固定資産税を1年滞納している。以前は期限内に納付できていたが、地価が上がった影響で以前よりも金額が上がってしまったため、払うことができていなかった。また、夫は小さな広告代理店を経営しており、経営も厳しく、昼食代を削るなど、家計をぎりぎりまで削り、やりくりしており、そんな夫の必死に頑張る姿を見て、自分の固定資産税が未納であることを言い出せずにいた。家族をこれ以上困らせてはいけないと未納のことを言い出せないまま、消費者金融に手を出し、固定資産税分を納めようとする。そのお金を受け取らないといった華子に、「お金ならなんだっていいでしょう!」と叫ぶが、「これはご家族の問題です!」と逆に一喝される。

本郷サキ(ほんごうさき)

パチンコ店に勤める女性。パチンコ店には生活保護や年金をもらった人々がそのお金の支給日に一斉に押し寄せるため、「あんな姿を見ていると、税金なんて払うのが馬鹿馬鹿しい」と言い、臨宅に来た華子と饗庭を拒んだ。また、「税金を払って何になるの?」と華子を問い詰め、収入はあるのに払う意志がないように見受けられ、華子を悩ませる。しかし、実際は同居人の男性が病気の体を我慢して求職しており、生活状況は苦しかったことが明らかになる。

小山聖(こやまひじり)

就職して3年目の社会人だが、同居している母親によりこづかい制にされ、自分の給料を自由に使えず、友人との寄り道や旅行もできずにいた。母親がすべてお金の管理をしていたことから、税金の納付の手紙が届いていたことも知らなかった。今回税金の納付がされていなかったのは、母親が自分を母親がいないと何もできない娘に仕立てるため、わざと支払いをしていなかったのではないかと華子たちに話し、母親に縛られるくらいなら、自分の口座を市役所に差し押さえられてもいいと懇願する。

加藤(かとう)

第一収納係が担当として接触していた滞納者。市役所からあらゆるアプローチを試みたが、すべて無視したため、強制執行となる。妻と幼い息子がおり、強制執行のとき、華子は息子に幼いときの自分を重ね、「自分には強制執行はできない」と崩れ落ちてしまう。

出水田和成(いずみだかずなり)

幸野市に住んでいたが、仕事を辞め、故郷の宮崎県に帰り、足腰の弱くなった高齢の母の面倒を見ている。真面目な性格で一度幸野市役所に納税の相談にも来ているが、母への仕送りをギャンブルに使ったのではないかと疑われ、相談に行ったのに逆に気持ちを踏みにじられたことから市役所に不信感を抱き、自分だけの力で母の面倒を見ようとする。

沖矢(おきや)

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