
何をやってもポンコツな落ちこぼれ女子高生・相原琴子が、学校のカリスマ的存在・入江直樹に一目惚れする。
誰に対しても冷たく他人に興味のない入江くんと、一途で何事にも一生懸命な琴子。
全く正反対の2人がひょんなことから一つ屋根の下で暮らすことになり、遠かったココロの距離は少しずつ近づいていく…。琴子の長い長い片想い模様と、結ばれたその後を描いた恋愛コメディ作品。
『イタズラなKiss』の概要
『イタズラなKiss』とは1990年から1999年の9年間、多田かおるが『別冊マーガレット』にて連載していた漫画、およびそれを原作としたドラマ・アニメの作品。作者である多田の急逝により未完のまま終了したにもかかわらず、根強い人気を誇っている。1996年にテレビ朝日系列でドラマ化されたことを皮切りに、台湾・韓国にも進出。リメイクされたドラマはアジア13ヵ国で放送されていることから、海外でも多くのファンを獲得。さらに「イタキス(略称)」人気はテレビ界だけにおさまらず舞台・小説化もされ、長い間国内外で厚い支持を受け続けている。
ドジでおっちょこちょい、おまけに勉強もできない女子高生・相原琴子は、学校一の天才でイケメンの入江直樹に一目惚れし、ラブレターを渡そうとするも「いらない」と突き返される。さらに「頭に悪い女は嫌いだ」とまで言われダメ押しされてしまう。憧れの”入江くん”に容赦ない態度を取られ、一度はあきらめようとする琴子だったが、2人の縁はここで終わりではなかった。建てたばかりの新居が震度2の地震で倒壊したことをきっかけに、琴子は父親の親友の家でしばらく居候することになった。なんとその家は、ほかでもないあの”入江くん”の家だったのである。
同居生活は波乱だらけの毎日で、琴子が起こすトラブル直樹を巻き込むことになる。しかし不思議なことに、トラブルがおこる度に2人の距離は少しずつ縮まっていくのであった。他人に対して興味を持たずいつもどこか冷めている直樹を、琴子がずっと変わらない一途な想いで変化させていくという、ドラマチックな恋愛模様を描いた作品。
『イタズラなKiss』のあらすじ・ストーリー
入江くんとの出会い

衝撃の「ラブレター受け取り拒否」から始まる二人の恋
斗南高校に通う相原琴子(あいはら ことこ)は、幼い頃に母を失い、男手1つで育てられてきた高校3年生。ドジで勉強も苦手で、1年生から落ちこぼれクラスのF組に所属している。そんな彼女だが、2年前の入学式で、新入生代表のあいさつをしていた入江直樹(いりえ なおき)に一目惚れをして以来、ずっと片想いをしていた。彼はイケメンな上に、勉強ができるエリートクラスA組に所属するIQ200の天才だった。ある日琴子は、勇気を出して2年間の想いをしたためたラブレターを直樹に渡すが「いらない」と冷たくあしらわれてしまう。どう考えても釣り合う相手ではないことを認識し、あきらめようする琴子。その夜、できたばかりの新築の家に帰ると、震度2の地震にみまわれ自宅は倒壊。欠陥住宅だったのだ。1日のうちに相次いで災難に見舞われる琴子だったが、父の親友の家にしばらく置いてもらえることになり一安心する。しかしその家はあの「入江くん」の家だったのだ。
直樹や、彼の弟である裕樹はかなり同居を嫌がっている様子で、琴子は今後の同居生活に戸惑いが隠せず、誰にも相談ができずに悩みを募らせていく。そんな中、直樹の母から「直樹の幼少期の女装姿」の写真をもらったことで、琴子と直樹の立場は逆転するのであった。
弱みを握った琴子は直樹に勉強を教えてもらい、無事大学に進学できることになる。
一方、直樹は、外部の大学に通うための入試センター試験が控えていた。受験当日、天才の彼にとっては何の問題もないはずだったが、この日は数々の災難に見舞われることになる。それが自分の渡したお守りのせいであることを知った琴子はショックを受け、その夜にひっそりと家を出ていこうとするところで直樹に遭遇。「最近お前といると刺激があって面白い」と言われ、家出をあっさりやめることに。結局、直樹は父が熱望していたT大にも行くことはなくなり、直樹と同じ大学に通えることになった琴子は喜ぶのであった。
とうとう卒業式。卒業式後の謝恩会で偶然F組とA組の会場がかぶり隣同士に。落ちこぼれのF組に対し、エリート揃いのA組は相性が悪く、喧嘩に発展してしまう。その言い合いは直樹と琴子にも派生し、2人は大ゲンカ。部屋の外に連れ出された琴子は「直樹を好きでいるのをやめる」と言い放ってしまう。すると直樹はその言葉に対し「忘れてみろ」と言い返し、琴子にいきなりキスをする。思いがけないイタズラなファーストキスに戸惑う琴子。はたして大学生活はどうなってしまうのだろうか。
結婚までの道のり

高校を卒業した琴子は斗南大学の文学部、直樹は理工学部へとそれぞれ進学していた。文学部と理工学部はかなり校舎が離れているため簡単には会うことがない上に、直樹と同じ理工学部に通う松本裕子(まつもと ゆうこ)が登場して、琴子の立場を脅かしていた。知性があり、美人でスタイルも良し、と非の打ち所がない美女である裕子は、自分よりもハイスペックな直樹のことをかなり気に入っている様子。何かにつけて接点を持ちたがってくる。さらに琴子に片想いを続ける金ちゃんも大学の食堂で働くこととなり、事あるごとに首を突っ込んでくる。卒業と共に直樹への想いを断つつもりだった琴子だが、謝恩会でのキス以来どうしても意識してしまう。結局直樹のことをあきらめることができず、同じテニス部に入り、理工学部にも頻繫に顔を出すようになる。しかし、直樹の態度は相変わらず辛辣なままだった。
しかしこの頃、直樹の中で琴子は「苦手だけど嫌ってはいない」程度の存在に変化してきていた。その事実を直樹の母が知るところとなり、2人の未来に希望を感じた彼女は再び同居生活を企てる。
しかしそれから間もなく、父が心臓発作で倒れ、社長不在の会社のサポートを続けるうちに、直樹は家業の業績があまり芳しくないことを知る。責任感の強い直樹は会社のために独断で出資先の会長の孫との見合いを決めてしまう。この見合いの結納の話が本格的になってきたこともあり、琴子の父は再度家を出る提案をする。
琴子は今度こそ本当に直樹のことをあきらめなければならないと悟り、長い間自分を思い続けてくれていた金ちゃんときちんと向き合う決意を固める。しかし、数回デートを重ねてプロポーズまで受けたものの、想いはそう簡単に断ち切れるものではなく、琴子は金ちゃんを突き飛ばす形で逃げてきてしまった。
直樹への想いの強さを再認識する琴子だが、一方で直樹は、金ちゃんが琴子にプロポーズしたことを偶然耳にしてしまう。その瞬間、どんな時でもそばにいた琴子が、いつしか自分にとってかけがえのない存在になっていたことに気づくのであった。
プロポーズを断ったことを知らない直樹は、土砂降りの雨の日急いで駅に琴子を迎えにいき自身の想いを伝える。6年越しの琴子の想いが実らせた琴子と直樹は、その足で入江家に戻り、琴子の父に「お嬢さんと結婚させて下さい」と申し込んだ。こうして、2人は結婚へと動き出すことになった。
医師と看護師の二人三脚
琴子が放った一言がきっかけで医者を目指すことを決意した直樹は、理工学部から医学部に編入する。自身の会社を継いでほしいと願っていた父との衝突も琴子と裕樹の後押しで乗り越え、自分の夢のために努力を始めていた。一方、大学の落第が決定した琴子は、自分の進路に行き詰まっていた。慰めてもらえると思っていた直樹にも「結婚を逃げ道にしている」と指摘され、言い合いになってしまう。
琴子は、家を出て今後の自分を見つめなおすことを決意した。数日間よく考えた琴子は「直樹の仕事の手伝いをしたい」という自分の気持ちに気づき、看護師を目指すことを決意する。2年遅れで看護科へ編入した琴子は、順調にインターンや国家試験をクリアしていく直樹に対し、何かとつまづくことが多かった。しかし不器用さを持ち前の根性と諦めの悪さでカバーし、1つ1つ問題をクリアしていく。
幼い頃、入院していた弟の裕樹と同じ病室にいた「のんちゃん」という男の子の病気を治してあげたい、という夢を持っていた直樹は、大学卒業後に小児医療の専門性が高い神戸の病院に行くことが決まっていた。紆余曲折がありながら1年後、琴子は根性で看護師の国家試験に合格。直樹も神戸の病院から斗南病院へと異動して、二人はようやく一緒に働けることになったのであった。仕事を始め、自らのポンコツぶりに落ち込む琴子だが、直樹がそばにいることで自分の不得意なことを乗り越えることができ、看護師としての自覚も芽生えるようになる。
『イタズラなKiss』の登場人物・キャラクター
主要人物
相原 琴子(あいはら ことこ)

ドラマ版演:佐藤藍子(テレビドラマ版)/アリエル・リン(2007年台湾ドラマ版)/エスター・ウー(2017年台湾ドラマ版)/チョン・ソミン(韓国ドラマ版)/オーム・スシャー マーナイン(タイドラマ版)
舞台版演: 安倍麻美/マンディ・ウェイ(台湾版)
映画版・配信ドラマ版演:美沙玲奈
CV:水樹奈々
本作の主人公。ドジで勉強も裁縫も料理も、まるっきり苦手な女子高生。高校のクラス分けでは、落ちこぼれクラスのF組に所属。高校1年生の時から同じ高校の天才・A組の入江直樹一目惚れし、一途に片思いを続けている。直樹のことを「入江くん」と呼んでいる。素直で根性があるところが唯一の取り柄。ひょんなことから直樹とひとつ屋根の下で暮らすようになり、自身のドジにより様々な問題を巻き起こすトラブルメーカー。
入江 直樹(いりえ なおき)

ドラマ版演:柏原崇(1996年ドラマ版)/ジョセフ・チェン(2007年台湾ドラマ版)/ディノ・リー(2017年台湾ドラマ版)/キム・ヒョンジュン(韓国ドラマ版)/MIKE(GOLF&MIKE)(タイドラマ版)
舞台版演: 八神蓮/テンダー・ホァン(台湾版)
映画版・配信ドラマ版演:佐藤寛太
CV:平川大輔
主人公・琴子の想い人。IQ200の天才でイケメン。しかし勉強ができすぎるためか、人に対して無関心なところがあり誰に対しても冷めた態度をとっている。琴子と一緒に住むようになってから、色々なトラブルに巻き込まれ疎ましく思っていたが、次第に彼女のまっすぐで一生懸命な一面を知り、徐々に気持ちが変化していく。
相原家・入江家の関係者
相原 重雄(あいはら しげお)

ドラマ版演:内藤剛志(2007年ドラマ版)/タン・ツォンシェン(2007年台湾ドラマ版)/ホンジュラス(2017年台湾ドラマ版)/カン・ナムギル(韓国ドラマ版)
映画版演:陣内孝則
CV:島田敏
琴子の父。板前をして自分のお店「ふぐ吉」を経営している。琴子がまだ小さい頃に妻を亡くし、そこから男手1つで娘を育てている。直樹の父・重樹とは小学校からの付き合いで親友の仲。
入江 重樹(いりえ しげき)
目次 - Contents
- 『イタズラなKiss』の概要
- 『イタズラなKiss』のあらすじ・ストーリー
- 入江くんとの出会い
- 結婚までの道のり
- 医師と看護師の二人三脚
- 『イタズラなKiss』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 相原 琴子(あいはら ことこ)
- 入江 直樹(いりえ なおき)
- 相原家・入江家の関係者
- 相原 重雄(あいはら しげお)
- 入江 重樹(いりえ しげき)
- 入江 紀子(いりえ のりこ)
- 入江 裕樹(いりえ ゆうき)
- チビ
- 入江 理加(いりえ りか)
- 斗南高校・斗南大学の友人たち
- 池沢 金之助(いけざわ きんのすけ)/金ちゃん(きんちゃん)
- 石川 理美(いしかわ さとみ)/高宮 理美(たかみや さとみ)
- 小森 じん子(こもり じんこ)
- 渡辺(わたなべ)
- 松本 裕子(まつもと ゆうこ)
- 松本 綾子(まつもと あやこ)
- 須藤先輩(すどうせんぱい)
- 中川 武人(なかがわ たけと)
- 菅原(すがわら)
- クリスティーヌ・ロビンス
- 斗南大学看護科の生徒たち
- 小倉 智子(おぐら ともこ)
- 品川 真里奈(しながわ まりな)
- 鴨狩 啓太(かもがり けいた)
- 桔梗 幹(ききょう もとき)
- 斗南大学医学部の生徒
- 船津 誠一(ふなつ せいいち)
- 斗南高校・斗南大学以外の登場人物
- 木村ノブヒロ(きむらノブヒロ)/ノンちゃん
- 佐川 好美(さがわ このみ)
- ナラサキ 淳平(ナラサキ じゅんぺい)
- 高宮 良(たかみや りょう)
- アルバート
- マリー・ロビンス
- クリスの父
- 『イタズラなKiss』の用語
- 斗南高校
- 斗南大学
- 『イタズラなKiss』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 直樹「オレ以外の男好きなんていうな」
- 直樹「おれがあいつにほれてること あんまり知らないみたいだから」
- 直樹「必要なのはおれだ おれが本当の自分になれるのは琴子がそばにいる時だけだ」
- 『イタズラなKiss』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 原作に忠実に再現しようとしたドラマ版『イタズラなKiss』の監督・溝口稔
- 『イタズラなKiss』の主題歌・挿入歌
- テレビドラマ版
- OP (オープニング) :SPEED「STEADY」
- OP (オープニング) :Sabao「アップデート」
- ED(エンディング) :Sabao「たからもの」
- OP (オープニング) :Cyntia「KISS KISS KISS」
- ED(エンディング) :Cyntia「White Stock」
- ドラマCD版
- OP(オープニング) :水樹奈々「好き!」
- ED(エンディング) :Sabao「さよなら私の片想い」
- テレビアニメ版
- OP(オープニング) :秦基博「キミ、メグル、ボク」
- ED(エンディング) :GO! GO! 7188「片想いファイター」
- ED(エンディング) :AZU feat SEAMO「時間よ止まれ」