イタズラなKiss

『イタズラなKiss』とは、1990年6月号から1999年3月号まで『別冊マーガレット』(集英社)で連載された、多田かおるによるラブコメ少女漫画である。コミックスは通常版全23巻、文庫版全14巻、『集英社ガールズリミックス』が全6巻刊行され、累計発行部数は3,500万部を突破した。
物語は主人公の落ちこぼれ女子高生・相原琴子(あいはらことこ)と、IQ200の天才児・入江直樹(いりえなおき)のドタバタ恋愛劇を描いている。
テレビドラマは1996年に柏原崇と佐藤藍子が演じ、台湾や韓国、タイでも各国の俳優が演じた作品が放送された。2005年と2013年にドラマCD、2008年にはテレビアニメも制作され、琴子の声を水樹奈々が担当し、直樹の声を浪川大輔(2005年ドラマCD)と平川大輔が担当した。本作品は作者の多田が脳内出血で急逝したため最終回が描かれていないが、テレビアニメで作者の構想メモを元に結末まで完成させた。

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イタズラなKissのレビュー・評価・感想

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イタズラなKiss
9

正反対カップルのうらやましいラブコメ

同じ学校の天才美少年に恋してしまった女子高生・琴子。片思いの相手は常に成績トップの入江くんですが、偏差値順のクラス割りで入江くんはトップのA組、琴子は最低ランクのF組と、なかり遠い存在です。入江くんを思い続けて、同じクラスになろうと頑張り続けましたが、その夢は叶うことはありませんでした。そして3年生になり、琴子は意を決して告白!しかし冷たくあしらわれて、見事に撃沈してしまうのです。

ところが、琴子と入江くんのお父さん同士が親友だったというラッキーな展開に。地震で自宅が崩壊してしまった琴子は入江くんの家に居候することになります。そしてクールで冷酷な入江くんが、琴子と接するうちに心を開くようになっていきます。

IQが高すぎて勉強もしないのに成績が良くて、スポーツもできて、おまけにハンサム。何でも努力せずにできてしまう入江くんは、カッコイイけれど、どこか冷めていて、人間味が感じられない存在です。それに対して琴子はまるで正反対の性格で、ドジだけど表情豊かで明るく、入江くんに対して直球でぶつかっていきます。しかしこの二人はナイスカップルとなり、お互いを一途に想い合う、うらやましい関係を築いていきます。琴子に対してクールな態度は保ちつつ、だんだんと愛情を注ぐようになっていく入江くんは、すごく男前ですし、琴子の入江くんに対するガッツは見上げたものです。

家族や学校の仲間など、登場人物には個性的なキャラクターが多く、どのストーリーをとっても楽しめる長編です。