インサイド・ヘッド2（ピクサー映画）のネタバレ解説・考察まとめ

カナシミ「ライリーが呼んでるよ」

ライリー・アンダーソンの不安を和らげることに成功した際、カナシミがヨロコビに言った一言。

すべての感情たちが一致団結して、心が落ち着いたライリー。
そこでカナシミが「ヨロコビ、ライリーが呼んでるよ」と優しくいうシーンがある。
今までシチュエーションにあわせて感情たちがライリーを操作していたが、ここではライリー自身が喜びを感じたいという自己が生まれ、感情をコントロールすることが出来るようになった瞬間である。
シンパイに感情の中心を取られてしまうのではないかと心配していたヨロコビ。
でも、ライリーが自分らしさを取り戻した時に真ん中に据えたいのは、やはりヨロコビだった。

ヨロコビ「いつも前向きでいることが、どんなに大変かわかる？」

司令部を追い出され保管庫に閉じこめられたヨロコビ達だったが、何とか抜け出し、記憶の外れに本当のライリーを探しに行く。
しかし、その途中道に迷ってしまい、イカリ、ムカムカ、ビビリに責められたヨロコビが、初めて顔をゆがめて叫ぶシーンがある。
そこでの一言。
「いつも前向きでいることが、どんなに大変かわかる？」
どんな時も前向きなヨロコビだが、実は自分たちよりシンパイたちの方が必要ではないかと心を痛めていた。他の感情たちは、この一言でヨロコビの本当の気持ちを知ることになる。
このシーンを切り抜き、「彼女は私」とコメントをつけた投稿が2万リポストされるなど、多くの大人たちが「自分のことだ」と共感の嵐を起こした。

『インサイド・ヘッド2』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話

吹き替え版が世界中で大絶賛

日本版声優の声が入った、シンパイが初登場するシーンの吹き替え映像が公式SNSに投稿されると、海外から絶賛の声が相次いだ。前作で監督を務めたピート・ドクターも「Fantastic! 本当に最高です！素晴らしかったですね！」と大絶賛するほどで、その映像のコメント欄には、日本語はもちろん英語や中国語、ポルトガル語など世界中から「素晴らしい！」「日本語で見たい！」「日本版が世界一！」とコメントが寄せられ、イイネ数も74万超えと驚異の数字を記録している。

制作時に重要な要素となったのはティーンエイジャーの少女たち

この映画は、ティーンエイジャーになったライリーの内面の感情をより深く描いた作品になっており、ティーンならではの複雑な感情が登場する。
その為、実際にティーンエイジャーの少女たちに3年間にわたり、4か月ごとに映画を観てもらい、物語に真実味があるか、感情の動きやキャラクターの友人関係にリアリティが感じられるかなど、意見を聞いたという。

ライリーは操り人形ではない

映画を観ていると、一見ライリー・アンダーソンは感情たちに突き動かされて行動しているように見えるが実はそうではない。
この点において制作スタッフの間でよく話し合いが行われたという。
その結果でた結論は、「ライリーは操り人形ではない」ということ。
人間の感情は、その時の感じ方や行動に「一票」を投じるものだが、それは数あるうちの一票であるべき。頭の中に取締役会があるとすれば、そのうちの一席であり、決定票はない。
あくまでも操作盤はライリーに何かを感じさせるものであって、決定するのは彼女自身。
この原則はチーム全体にきちんと伝えられ、浸透していたという。

ライリーの背番号28はピクサー長編映画28作目だから

ライリーが所属している地元チームでの背番号は28。
これは偶然ではなく、『インサイド・ヘッド2』がピクサー28作目の長編映画で、背番号はこのアニメーションスタジオの歴史を象徴している。

前作で姿を消したライリーの空想上の友達ビンボンが本作にも登場

ライリーの空想上の友達であるビンボン。前作では多くの人に愛された。しかし、ライリーの成長の為に存在し続けることが出来ず、記憶のゴミ捨て場で姿を消してしまう。
ライリーはすっかりその存在を忘れてしまっているが、ヨロコビだけはその存在を忘れず、寝室のベッド脇の棚にビンボンとロケットの折り紙を飾っている。
このヨロコビの寝室だが、作りがライリーの寝室と全く一緒。これはライリーの感情の中で、やはり中心はヨロコビであることを表してる。

ヨロコビのベットサイドに置いてある『トイ・ストーリー』のピザ・プラネットの配達トラック

ピザ・プラネットのトラックはビンボンと同様に、ヨロコビのベットの棚に飾られている。
『トイ・ストーリー』のなかで、ピザ屋であるピザ・プラネットが出てくるが、そのピザ屋の配達のトラックがこのピザプラネット・トラックである。
このトラックは、『トイ・ストーリー』以降のピクサー映画にほとんどと言っていいほど隠されている。

有名な観光地ラシュモア山がライリーの頭の中に登場

ヨロコビたちが司令部に戻ろうとする道中、アメリカの観光地として有名なラシュモア山のモチーフがある。
そこには実物と同じように岩に彫られた4人の男性が描かれている。
顔の一つは、ライリーのお気に入りだったゲームのキャラクター、ランス・スラッシュブレイドで、反対側には、『ライリーの初デート？』でデートした少年、ジョーダンがいる。

4★Townは相変わらず人気

ライリーの部屋に張られているバンドのポスターの一つに4★Townがある。
これは、『私ときどきレッサーパンダ』で登場するボーイズグループ。
トロントを拠点として活動する彼らは、世界的センセーショナルを起こすバンドとして描かれており、彼らの人気は西海岸まで及んでいるようである。

カナシミが家族の島を探すのに使った双眼鏡は『トイ・ストーリー』のレニー

ライリーを形作る性格の島。
前作での出来事以来大きく変化してる。
友情の島は、完全に家族の島を占領し、カナシミが家族の島が見えないと主張すると、ヨロコビはカナシミに双眼鏡を渡して家族の島を探すのを手伝わせる。この時手渡した双眼鏡こそ『トイ・ストーリー』の歩く双眼鏡レーニーなのである。