流行り神 警視庁怪異事件ファイル(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』とは、2004年に日本一ソフトウェアより発売されたプレイステーション2用のホラーアドベンチャーゲーム。
都市伝説を元にした事件を、科学的、あるいはオカルト的解釈で解決する、というユニークな視点や、美しいグラフィックの恐怖演出も人気を博した。
主人公は警視庁の警察史編纂室に所属する警部補として、「コックリさん」や「チェーンメール」などの怪事件に対峙していく。
タイトルの『流行り神』は、「一過性の流行の中で崇拝される神仏や偶像」を意味している。

『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』の概要

『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』は、2004年に日本一ソフトウェアより発売されたプレイステーション2用のホラーテキストアドベンチャーゲーム。
初回限定盤には本編とは関連のないエピソードを収録したドラマCD『怪異事件ファイル』が付属していた。
2005年には本作に改良を加えた廉価版の『流行り神Revenge 警視庁怪異事件ファイル』がプレイステーション2向けに発売。
2023年にはプレイステーション4、プレイステーション5、Nintendo Switch用パッケージソフト『流行り神 1・2・3パック』がリリースされるなど、今作以降シリーズとして多くの商品がリリースされている。
このほか、2006年より公式サイトで異なる2種の結末を盛り込んだ『流行り神 the Movie』の全8話が順次配信され、この全話を収めた『流行り神 the Movie 恐怖DVD』が『流行り神2』に同梱された。

都市伝説が土台になった不可解な事件を捜査し、解決へ導いていくのが全シナリオの基本的な流れで、分岐によって「科学的」もしくは「オカルト的解釈」へその後のシナリオの方針が決まっていく。
プレイ中に登場する専門用語などは「F.O.A.Fデータベース」という辞書に順次登録されていき、収集できるワードも科学ルート、オカルトルートで異なる。
このデータベースの収集率は隠しシナリオの解放条件にも関わっており、特定の分岐を辿らなければ手に入らないものも存在している。
分岐をどの程度回収したかはシナリオ毎に「既読率」で表示され、回収漏れの有無はここで判断できるようになっている。
プレイ中には要所で「セルフ・クエスチョン(自問自答)」があり、ここでの推理がシナリオの方向性を決定づける重大な要素になっているほか、シナリオ終盤では人物相関図に最適なワードを当てはめていく「推理ロジック」での総括があり、これらは終了時の評価(ランク)に大きく関わる。

実際には存在しないとされる警視庁の地下5階。そこには常識では考えられない不可解な事件を記録した、膨大なファイルが収められている警察史編纂室という一室があった。
主人公はその警察史編纂室に所属する若手警部補として、科学とオカルト、両方からの視点で怪事件に対峙する。

『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』のあらすじ・ストーリー

序章

コンクリートに囲まれた薄暗い部屋の中で目を覚ました男は、自らに関わる記憶の一切を失っていた。
室内にはどこからともなく謎の人物の声が響いてくる。
「F.O.A.F(フレンド・オブ・ア・フレンド)という言葉を知っているかね?」
更に声は行方不明になった刑事・風海純也について語り、最後にこう続ける。
「これは、私の友人の友人から聞いた話なのだが―。」

第零話「チェーンメール」

警視庁地下5階、警察史編纂室に所属している警部補・風海純也の携帯電話に、「今話題になっている、連続殺人事件の犯人を目撃した」という旨の、差出人不明のメールが届く。

そのメールに電話番号を返信すると、送り主から電話があり、犯人は、「はっとりえりさ」という人物であると告げられる。
その名前を調べたところ、その名前が人気アイドル・川原ミユキのものと同じだと判明する。
風海は送り主と直接会う約束を取りつけ、この川原ミユキの大ファンだという部下の小暮刑事を伴い、詳しい話を聞きに行くことにした。

待ち合わせ場所に現れたのは、メイクアップアーティストの女性・林奈緒だった。川原ミユキとは、彼女が新人アイドルだった当時から親交があるという。
とある心霊番組に出演してから豹変した川原を心配していたが、ある日彼女が犠牲者を手にかける現場を目撃したという旨を、両目を押さえながら語る林。
その後、殺害現場だと案内された廃ビルには、黒魔術を彷彿とさせる祭壇や、中世の者と思われる大きな鉄製の拷問器具が置いてあった。
目撃談を語る林の声に耳を傾けながらも、禍々しさに絶句する風海たち。そこに、川原ミユキが現れる。
川原は隠れている彼らには気づくことなく、犠牲者のものと思われる血液を浴び、肌に擦り込み、外国語の呪文のようなものを呟いていた。
小暮はあまりの凄惨さに気絶。被疑者である川原を確保しようとする風海だが、人間離れした力の彼女に首を締められ、彼も気絶してしまう。

上司の犬童警部に叩き起こされた風海は、自身が気絶している間に事態が収拾していたことを知る。
偶然近くを通ったという犬童の手によって川原は確保され、その後捜査一課に引き渡されたようだった。
そして情報提供者の林は現場から忽然と姿を消しており、犬童も会っていないという。
犬童は現場に飾られていた「エリザベート・バートリ」の肖像画を見て事件の全容を把握した様子だった。
300人以上もの若い女性を殺害し、その生き血で入浴していたといわれるこの稀代の悪女が川原ミユキに憑依したのではないか、と仄めかすような推測が犬童の口から語られるが、真相は闇の中となった。
行方不明になっていた林は、現場に残されていた中世の拷問器具「鉄の処女」の中から発見された。
死後4ヶ月ほどが経っており、その遺体には両目がなかったという。

第一話「コックリさん」

捜査を進める風海たち。

警視庁捜査一課の新人警部補であった風海は、所轄署の巡査長であった小暮と協力して、私立花峯高校で相次いでいた在校生自殺事件の捜査にあたることになった。
捜査の進捗は捗々しいものではなかった。
手に入った証拠も、生徒が校舎裏で燃やそうとしていた「血の付いたウィジャ盤(コックリさんを呼び出すための紙)」と現場に残されていた「お札のような紙切れ」のみである。
学長に生徒が燃やそうとしていたウィジャ盤を見せて心当たりを尋ねると、学長は古びた石のある「狐塚」という場所に風海たちを案内した。
2年前に崎田美沙という女子生徒が交通事故死した際、「コックリさんの呪いで死んだ」という噂が蔓延したため、急遽、この場所を供養塔に仕立てたのだという。
狐塚の前では、崎田美沙の幼馴染の男子生徒・野沢翔太が祈っていた。

翌日、風海たちは民俗学講師で風海の義兄の霧崎、自殺した生徒の検視を担当した式部に見識を聞きながら校内を探索していた。
すると、前日に野沢翔太と口論していた神山由佳と堀川麻里、ウィジャ盤を燃やそうとしていた山野恵子の3人がコックリさんに興じている現場を見てしまう。
彼女たちは、願い事を叶えてもらう代償としてコックリさんに血を差し出す約束をしたのだが、それを破ったために女生徒たちはコックリさんに殺された、と語った。
崎田と神山、そして自殺した生徒たちは同じクラスに在籍していたことも判明し、3人の女生徒たちにはそれぞれ護衛がついた。
それにも関わらず、翌朝、コックリさんをしていた教室で、全身を切り付けられた山野恵子が死んでいるのが発見される。

捜査に行き詰まりを感じる風海に、謎の人物から警察史編纂室に行くよう助言の電話が入る。
電話の通りに警視庁の地下5階に向かってみた風海は、そこで2年前に死んだ崎田美佐の日記を見つけた。
日記には、幼馴染の野沢を紹介してから、親しい友人であった神山が変わっていったことが克明に綴られていた。
居場所に確信があった風海たちは次の標的とみられる神山を保護するため、狐塚へ向かう。

風海たちが狐塚に到着した時、そこには神山と堀川、野沢がいた。
堀川は野沢の前で神山が崎田をいじめていたこと、そして神山に教えた「コックリさんによる恋愛成就」が真っ赤な嘘であることを暴露する。
怒りで理性を失った神山は獣のように豹変して暴れ、堀川に襲い掛かるが、隙をついた堀川が神山の脇腹に尖った木片を突き立てた。
3人の生徒たちは救急車で搬送されていった。

後に、堀川が2年前に心臓移植の手術を受けており、この時の臓器提供者が崎田美佐であることを、式部が秘密裏に打ち明けた。
風海は報告書をまとめたが、それを提出する前に警察史編纂室への異動の辞令を受け取った。

第二話「鬼」

小暮と共に警察史編纂室に異動して数日。
風海は、コックリさん事件の時も電話をかけてきた謎の男から「児童誘拐の捜査に参加するように」と連絡を受ける。
被害にあった斉藤家に急行した風海と小暮は、担当の印南警部に追い返されてしまうが、印南の部下で小暮と同期だという道明寺巡査長との相談の結果、秘密裏に捜査に参加することになる。

誘拐されたのは8歳の斉藤裕介という少年で、両親の離婚後は実業家の母・由香利と2人で暮らしていた。
誘拐犯の要求は金銭などではなく、「由香利が単身で、”柘榴の実”を訪れる」という奇妙なものだったが、由香利はその場所に心当たりがないという。
更に、斉藤家に、ちょうど漢字の「鬼」の頂点にある「ノ」の部分が取れたような形の漢字が1文字だけ書かれた不気味なファックスが届いていた。
怪文書を送った犯人と思しき斉藤家の隣人、安西は「裕介がいなくなって、由香利はせいせいしている」と言い残した。
別の視点から犯人像を洗いなおした風海たちは、雪村恭子という女性に行き当たる。
雪村宅の家宅捜索を行った道明寺からは、斉藤家に届いたファックスと同じ文字が書かれたお札のようなものを発見したと連絡があった。
風海たちは、お札の発行元である寺に赴き、それがこの寺で祀られている子供を守る神「鬼子母神」に関わるものであることを知る。
雪村の真の狙いを悟った風海は、由香利に「裕介と雪村恭子が柘榴の実で待っている」と伝える。

雪村の名前に動揺した彼女は、「グラナダ・マタニティクリニック」という病院の廃墟に風海を連れてきた。
このクリニックでは秘密裏に代理母出産を行っており、ここで裕介は生まれたという。
明かりの漏れ出す病室を見つけた風海と由香利が中に入ると、鬼の形相をした雪村が裕介に鎌を突きつけていた。争いの中でランプが燃え広がり、辺りを火の海にした。
親子の前に鎌を持った雪村恭子が立ちふさがるが、由香利は怯むことなく「裕介は私の子」と断言すると、雪村は静かに業火の中に消えていった。

最終話「名前のない駅」

男はまだ、コンクリートに囲まれた密室にいた。
部屋の中で謎の男の声に耳を傾けているうち、自分こそが行方不明になっているという「風海純也」であることを思い出した。
目を覚ますと、そこは病室のようだった。ベッドの脇には小暮、霧崎、式部が付き添っている。
診察を担当した式部によると、風海は4日前に病院の入口で倒れているところを保護され、記憶が戻らないため逆行催眠をかけられていたのだという。

霧崎の教え子である間宮ゆうかに誘われた風海は、彼女と共に地下鉄に乗り込んだ。
いつのまにか電車は建設途中に放棄されたような駅に停車しており、間宮は「名前のない駅」が実在した、と喜んでいた。
間宮は4日前から行方不明になっている。4人は唯一の手掛かりである「名前のない駅」を目指すことになった。

地下鉄の終着駅から更に奥へと続く線路を見つけて徒歩で進んだ4人は、建設途中のような、誰もいない駅に行きついた。進んでいくと、古い研究施設のような場所に出た。
風海たちはそこで白髪の男と一緒にいる犬童警部に遭遇する。
彼らの説明によると、かつてこの場所で行われていた「悪魔の実験」を再開するという話が男の属する組織で持ち上がったという。
その実験の再開を阻止したい男は仕事仲間の犬童に依頼し、1時間後にここを爆破するということだった。

ようやく間宮を見つけるが、間宮を救出してすぐに大規模なポルターガイスト現象に見舞われる。
何者かが追ってくる気配を感じながらも急いで駅へ向かう一行だが、間宮を支えていた風海ははぐれてしまったため、手近な部屋に隠れて追跡者をやり過ごす。
間宮は幽霊との交渉を試みるよう提案する。交渉は成立し、何とか見逃してもらえるよう約束を取りつけた風海。
隠れていた部屋の前からは小さな足跡が続いており、それを辿っていくと子供を監禁していたと思われる小部屋の前に行きついた。
その時、大きな地震のような揺れが施設を襲う。先へ進むことにして部屋の外に出ると、通路の先には男の子の影が見え、誘導するように通路の電灯が灯る。
無事に施設からの脱出に成功した風海たちが出口付近で3人と合流すると、地下世界は崩壊を始めたのであった。

霧崎 水明編「さとるくん」

中学生だった霧崎水明は、一学期の終業式の日、同級生の田井野から「さとるくん」の噂を聞いた。
校区内にある公園の電話ボックスから、特定の番号に電話をかけると「さとるくん」という人物に電話が繋がり、その人物に未来のことを尋ねれば答えてくれるというものらしい。
話の真偽を確かめるため、同級生の美久がその番号に電話をかけるが、機械音しかしなかったという。
それから数時間後、霧崎の元に例の電話ボックスで美久が殺害されたという凶報が届いた。
霧崎たちは美久の家を訪ね、そこで美久の遺体が消えたことを聞かされる。

お馴染みとなった公園で合流した霧崎たちは、消えたはずの美久の遺体が逆さ吊りにされているのを見つけてしまう。
現場に続々と関係者が集まる中、敦子は霧崎を少し離れたベンチに呼び出し、美久が殺された日、自らもさとるくんに電話をかけたことを告白した。
ただ、何を話したかの記憶は一切ないという。

公園近くの空き家で、霧崎と敦子は道明と連れの女性に遭遇する。
道明たちは、さとるくんは、物の本当の名前である「忌み名」を集めることを目的にしており、非常に危険だから近寄らないよう忠告していた、と説明した。
続けて「現場に足跡があり、美久の遺体は自ら発見現場に歩いて行っている」と聞き、絶句する霧崎。
その時、霧崎は不意に、チラシに書いてあった電話番号と、自身の担任の響子先生の電話番号が同じであることを思い出す。
それを道明と女性に伝えると、2人は、仕事ができた、と去っていった。
2人が去ったあと、「公園に行く」と言い始めた敦子に付き添う霧崎は、公園の茂み付近から視線を感じていた。
自分なりに推理し、視線の主は響子であるという結論に達していた霧崎は、真実を確かめるべく茂みへと近づいていく。
茂みから飛び出してきた響子はは手にしていた棒で敦子を殴り、続いて霧崎を殴り倒す。

病室で目覚めた霧崎は、響子が美久殺害を認めたことと、敦子の意識が戻っていないことを聞いた。
田井野と共に病室に訪れ敦子に話しかけていると、不意に彼女の意識が戻る。
しかし、明らかに正常ではない状態で、その場にいないさとるくんに語りかけ始めた敦子を見て、かける言葉を探すことはできなかった。

式部 人見編「カシマレイコ」

式部人見が新人医師として勤務していた病院に、カリスマモデルの鏑木輝充が運ばれてくる。
鏑木の右手は強い酸で焼かれたような状態で爛れており、そのまま息を引き取ってしまった。

鏑木の死因は、右手に強い酸を浴びたことによるショック症状とのことだった。
霊安室に鏑木の遺体を確認しに行った式部は、遺体から右手部分が忽然と消えていることに気がついた。
更に、鏑木の婚約者である希樹比佐子がかつて高田の患者であったことや、鏑木と希樹、そして式部と同じ病院の研修医である津積は小学校の同級生であることが発覚する。
希樹は小学校時代に電車の事故に遭って右手を負傷しており、その事故を「カシマレイコ」の都市伝説と絡めて報道されてしまったため、同級生たちからいじめを受けていたのだという。
希樹の家を訪ね、彼女と対峙した式部が尋ねると、いじめの復讐として鏑木の右腕に酸を浴びせたことを告白する。

高田の研究室は、初めから誰もいなかったかのようにきれいに片付けられていたが、パソコンだけは残っていた。
パソコンには式部が見てしまったままの篤文についてのファイルが開かれており、希樹が被検体となった冷戦時代の人体実験のことが記述されていた。

間宮 ゆうか編「神隠し」

高校生だった間宮ゆうかは、部活の先輩の佐倉智子から「ホルマリン漬けの女子生徒」の噂を検証しに行こう、と誘われ、冬休み初日に学校へ忍び込んでいた。
メンバーは間宮と佐倉、間宮の親友の羽黒薫、押しかけてきた下橋ミキの4人。
彼女たちは封印された教室で、40年前に女子生徒と共に失踪した教師の日誌を発見する。
この教師と女子生徒は恋仲にあり、駆け落ちしたようだった。
この時薫が倒れてしまったために教室探索を切り上げ、手当のために宿直室へ向かうことになる。

先ほどの教室を1人で探索しに戻ることになった間宮は、日誌を改めて読み、女子生徒は多々良家、男性教師は羽黒家の人間であることを知る。
そして、村の有力者である多々良家と羽黒家には因縁があるということも突き止める。
その後、間宮は緑色の天狗のお面のようなものを見て気絶してしまった。
目を覚まして宿直室へ戻ると、そこには佐倉や下橋の姿はなく、殴り殺された薫の遺体だけがあった。
間宮は外にいた下橋と合流して再度宿直室へ向かうが、薫の遺体は忽然と消えており、更に屋根裏の窓から覗く何者かの影に追われることになる。
逃げながら、下橋と共に情報を整理し最終的に「この肝試しの話を持ちかけた佐倉と、小松教諭が共犯関係にあれば状況が矛盾しない」という結論に達した。
ここで下橋が、「天狗の祠」という滝に、犯人が薫の遺体を捨てる可能性があることを思いつく。
間宮は下橋を安全な場所に避難させ、単身で天狗の滝に向かうが、空を飛ぶ怪しい影に襲われて崖から足を踏み外し、転落してしまう。

下橋が救助を呼んだことで一命を取り留めた間宮は、病院で若い刑事からその後の顛末を聞いていた。

霧崎の研究室でこの体験を語り終えた間宮に、風海は「神隠しに見立てた殺人なら、血痕が残る殺害方法はとらないのではないか」と指摘した。
これを聞いた間宮は、もしかすると薫は神隠しに遭っただけで、どこかで元気に生きているのかもしれない、と、かつての親友に想いを馳せるのであった。

番外編「退魔師、犬童蘭子」

犬童蘭子。警視庁地下5階、警察史編纂室に所属する警部だが、実は彼女には魔を憎み、滅することに生命を賭している「退魔師」という裏の顔があった。
彼女はある組織に属して活動しているが、同じくそこに属している男から「殺生石」の怨念を封じるよう依頼された。
花峯高校の裏にあったその石に、封じる必要があるほどの強い怨念があるようには思えなかった犬童。
しかし、2日前に生徒が自殺する事件があったことと、おそらくこの石が関連していることを聞き、調査を開始する。
連続自殺事件を捜査している風海や小暮たちとニアミスしながら調査を進めていくと、ある女生徒が抱いている恋心と、恋敵への憎悪が殺生石に力を与えているらしいことを突き止める。
そこで犬童は経文を用意し、それを捧げることで殺生石の暴走を止めようと考えた。
だが女生徒の想いは予想以上に強いもので、彼女が激昂した際に落雷を引き起こしてしまった。
さらに悪いことに、殺生石がその落雷を受けて経文が破れてしまい、封じられていた怨念も復活してしまう。
犬童はそこに封じられていた九尾の狐と対峙し、瀕死の状態まで持ち込むが、落雷に驚いて様子を見にきた風海たちに断末魔の苦しみを分ける、と脅され一度退くことに決める。

そして翌日、師匠の元を訪れて新しい退魔具を持って再び九尾の狐との戦闘に臨む犬童だったが、狐は触媒の女生徒から流れ込む負のエネルギーで強さを増していた。
苦戦する犬童が諦めかけた時、触媒の女生徒の脇腹に別の女生徒が木片を叩きこんだことで、彼女は狐の討伐に成功する。

数日後、犬童が所属する警察史編纂室には「コックリさん」事件の功績を組織から認められ、秘密裏に手を回され異動してきた風海と小暮が現れていた。
こんなひよっこを送られても、と悪態をつく犬童だが、内心では新しい部下たちに期待を寄せるのであった。

『流行り神 警視庁怪異事件ファイル』のゲームシステム

基本情報

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