何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』とは、原作井出圭亮、作画藤本ケンシによる『週刊ヤングマガジン』(講談社)で連載されていた漫画。天正10年(1582年)、織田信長(おだのぶなが)は、本能寺において、最期の時を迎えようとしていた。そこにクマを名乗る謎の生き物が現れ、死の原因まで時を戻し、やりなおしをさせてやると告げる。信長は自身の死の運命を変えるべく、時をやり直し、天下布武への道を再び歩み出す。

尾張国の大名で主人公。天正10年(1582年)、当時、最も天下布武に近い有力者であったが、道半ばで部下の明智光秀の謀反により、本能寺で倒れた。しかし、突如現れたクマを名乗る謎の生物に本能寺の変の原因を探るためやり直しをするよう機会を与えられた結果、その原因となる天正3年の軍議の場に飛ばされた。そこから明智光秀の謀反の原因を探り、それを阻止し、再び天下人として人生を全うするため、何度もやり直しを繰り返すこととなる。信長が人を殺すなど失敗するたびに天正10年の本能寺に飛ばされ、そこで必ず謀反に遭い最期を迎える。冷徹で無人情な性格であり、目的のためには他人を利用しつくし、大量虐殺をも辞さない非人道的な性格。しかし、やり直しを繰り返すたび、自身の苛烈な性格が謀反を引き起こすことを理解し、また、お遥、濃姫との関わりの中で、他者を思いやることの重要性を知ることとなる。ゆくゆくは、非情に徹する強さを持ちつつも、他者を思いやり、部下の士気を高めたり、和平や懐柔を駆使して他国と協調するなど、剛柔合わせ持った英雄とも呼べる人物に成長する。

クマ

本能寺で最期を迎えた信長の前に突如現れた謎の生物。クマのぬいぐるみのような可愛らしい姿をしているが、ガラが悪い。信長に対し、苛烈な性格の信長が部下の謀反により本能寺で死を迎えることは必然であると説き、その原因を排除し、人生をやりなおす機会を与える。信長相手でも一切引かないため、喧嘩になることもしばしばある。その正体は未来の人間で、明智の血を引く。未来の技術により、時を超えさせる力を持っており、明智光秀が逆賊と呼ばれない時空を見つけるため、信長に時を超えさせていた。また、伊達家と同盟を結ぶ時空では、信長のやり直しに巻き込まれ、人間の姿になって登場した。

濃姫、帰蝶(のうひめ、きちょう)

美濃斎藤家から迎えた信長の正室で、斎藤道三の娘。信長に献身的に仕えるが、その愛のあまり暴走気味でポンコツ。正史では、人知れず居なくなり、1人山奥で病死しており、その死が明智光秀が謀反を起こすトリガーでもあった。信長には帰蝶、光秀やお遥からは濃姫と呼ばれ慕われている。信長との婚姻当初は、父斎藤道山の命を受け、信長の命を狙う刺客であり、実際に前夫を2人暗殺していた。しかし、若き信長が語った天下布武への想いに惚れ込み、信長を心から愛するようになった。実は天然のタイムリーパーであり、信長を救うべく何度も時をやり直していたが、信長が天正10年に本能寺で死ぬ未来を変えることができず、その絶望から自身がタイムリープできることを忘れていた。しかし、徐々に記憶が蘇り、時空を超越する存在として大事件を引き起こすこととなる。

お遥(およう)

信長、帰蝶付の侍女。農民出の少女で他の侍女からイジメを受けていた。しかし、明智光秀が覇王となる時空では、信長からたびたび金平糖を授けられたこと、信長に勇気付けられたことなどにより、信長に忠義を尽くすようになる。その後、帰蝶の勧めで強くなるべく織田家を出奔して、斉藤利三の弟子となり、武者修行を積む。その結果、女性ながら大太刀を振り回して島津義弘や師の斉藤利三とも渡り合う実力をもった武士となり、大太刀の金平丸と呼ばれるほどになった。なお、信長を守るため奮闘するも利三に敗れ死亡する。武力には長けるが気が短く、直情的な行動が目立ち信長にポンコツと評される。後に信長との強力な縁が生じたことで、特異点となり、金平丸となったお遥の記憶を引き継ぐこととなる。優しい性格ながら、芯も強く、信長にとって頼れる存在となった。

明智光秀(あけちみつひで)

本能寺で織田信長に謀反を起こし、信長を殺害した張本人。受けた恩義に報いることを心情とする真面目さと、素直に信じることができない疑り深さを併せ持つ。長宗我部元親の治める四国を信長が攻め込むことを知り、それを止めるため、謀反を起こした。信長が四国攻めを止めて光秀を四国へ派遣した場合、元親の下で活躍し、瞬く間に四国を統一することとなる。その後、毛利家・島津家・本願寺など西日本の強者を統合して覇王となっており、さらには武田家と上杉家も取り込んで織田家を滅ぼすほどの勢力を築いていた。なお、その場合、表面上は寛容な人物を装っているが、かつての信長と同様に猜疑心に苛まれ、また、ハゲという言葉に敏感に反応し、自身の頭部の秘密に触れた者や疑念を抱いた者を直情的に殺める神経質な権力者となっていた。また、かつては美濃の斎藤家に身をおいていたため、濃姫とも親交があり、その濃姫が信長により非業の死を迎えたことが、謀反の原因ともなったようである。ただし、光秀の中には隠しきれぬ天下への想いがあるため、それらの謀反の原因を全て取り除いたとしても、やがては信長と敵対関係となる運命となっている。

明智軍

斉藤利三(さいとうとしみつ)

明智軍宿老で光秀の腹心。光秀の考えを即座に理解することができ、そのため光秀との会話は光秀が全てを話し切る前に食い気味に口走る傾向がある。大太刀の腕前も超一流で、光秀が覇王となる時空では、光秀の命によりお遥の剣の師となっている。しかし、最終的には、自身の手でお遥を斬り殺すこととなる。そのことについて、利三は、光秀の命であり斬り殺さない理由はないが、自身としては命を奪うまではしたくなかったと語っていた。

細川ガラシャ/玉姫(ほそかわがらしゃ/たまひめ)

明智光秀の娘。光秀が覇王となる時空では信長に嫁がされることになりかけていたが直前で破談となり、信長を恨んでいた。また、美男子が好きで周りを顔の良い若い男で固めているが、ちょっとでも傷がつくと直ぐに処分させるなど非道な性格でもある。偶然出会ったお遥を気に入り家臣にする。しかし、お遥が信長の家臣と知った後は憎まれ口をたたいていたもののお遥が斉藤利三に斬られて敗れたときは気にかけていた。また、謙信に勝利している時空では、謀反を起こした光秀により、同盟の証として上杉景虎と婚姻関係にあったが、上杉家の家督争いにより、景虎が死去し、織田軍に身を寄せることとなっていた。

徳川家

徳川家康(とくがわいえやす)

三河国徳川家当主。幼名は竹千代で、元の名は松平元康。幼少時に今川家、織田家の人質として過ごすが、やがて独立し信長と同盟を結ぶ。軽い性格で、野心も薄いように見えるが、優秀な戦略家てあり、機を待つことに優れている。どの時空に飛んでも家康だけは信長を裏切ることはなかったが、実は天下への欲が芽生えており、最終的に光秀に代わってラスボスとして信長の前に君臨した。

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