何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』とは、原作井出圭亮、作画藤本ケンシによる『週刊ヤングマガジン』(講談社)で連載されていた漫画。天正10年(1582年)、織田信長(おだのぶなが)は、本能寺において、最期の時を迎えようとしていた。そこにクマを名乗る謎の生き物が現れ、死の原因まで時を戻し、やりなおしをさせてやると告げる。信長は自身の死の運命を変えるべく、時をやり直し、天下布武への道を再び歩み出す。

白石鹿毛(しろいしかげ)

信長が伊達輝宗から進上された奥州一の名馬。

外様の将(とざまのしょう)

元々独立した大名で、主君に対し利害の一致でのみ従っている将。

与力(よりき)

武将に付き従う武士のこと。同心ともいう。

『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

信長「お遥待っておれ」

明智光秀が覇王となっていた時空において、織田信長は光秀と相対することに成功する。しかしながら、そこで行われた斉藤利三とお遥の師弟対決において、お遥が敗れてしまい、瀕死の重傷を負ったお遥は死の間近にいた。忠臣お遥の瀕死の状態を見た信長は、なんとかお遥を連れて脱出を図ろうとするが、死を悟っているお遥は、そんな信長を諌め、自分を見捨てて信長のみ脱出するよう諭す。その言葉を聞いた信長は、一度はその場を離れるも、死の前のお遥に向けて「お遥待っておれ」と言い、自身の胸を包丁で突き刺した。これは、この時空のお遥は死の運命から逃れられないとしても、お遥という存在に対し、誓いを立てる意味で放たれた言葉であり、それを聞いたお遥は別の時空において感謝の気持ちを述べていた。

お遥「あなたの分まで上様と姫様を支えてみせる」

お遥は自分の夢の中に出現する謎のガラの悪い女性に怯え、寝込んでしまっていた。それは、本来交わることのない天正10年の別時空のお遥の記憶であったが、まだ子供のお遥にとっては、理解に難しく、また受け入れると頭がパンクしてしまう危険もあった。お遥の身を案じ、無理に受け入れるべきではないと忠告するクマであったが、信長はそれでもお遥の自力を信じ、激を飛ばす。別時空の自分から逃げ回っていたお遥であったが、信長からの激もあり、向かい合うこととしたところ、別時空のお遥が信長、濃姫を大切に思う心を感じたため、お遥は別時空のお遥の記憶を受け入れることを決意して「あなたの分まで上様と姫様を支えてみせる」と決意を語った。

濃姫「私は繰り返していたのです刻を何百年も」

織田信長は東日本を統一し、西の覇王となった明智光秀と天下分け目の大決戦を行っていた。明智軍の猛攻に合う信長であったが、上杉謙信等の活躍により、明智軍に風穴を開けることに成功し、光秀が待つ本能寺に侵入した。様々な想いを胸に光秀の元に急ぐ信長であったが、光秀が待つ部屋で見たのは血を流している光秀と、そばに佇む濃姫の姿であった。光秀を許し、命は助けることを考えていた信長は、明らかに息絶えている光秀とそれを煽った濃姫に対し、怒りを顕にする。濃姫は、ショックを受け、「私は繰り返していたのです刻を何百年も」と自身の秘密を暴露した。

『何度、時をくりかえしても本能寺が燃えるんじゃが!?』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

未知の技術を積極的に取り入れる信長

織田信長は戦国時代において非情に前衛的・効率的な考え方を持っており、本作でもその性格が垣間見える。例えば、クマが信長の行動を振り返るために出したテレビ、録画機器といったものに、興味を持ち、茶器と交換しようとしたり、やり直しを自分なりに解釈、ルールを把握して、逆に利用したりするなど、柔軟な姿勢がうかがえる。

お遥の師匠の変遷

お遥は、元々ただの侍女であったため、強くなるため様々な強者に教えを請うている。斉藤利三からは大太刀を使った戦闘技術を、片倉喜多からは小太刀を使った護身術を、上杉謙信からは戦場における総合的な戦い方を教わっており、最終的に斉藤利三に並ぶ強者となった。なお、利三曰く、お遥は、剣の才能は全く無いが、どれほど厳しい修行でも決しておれない強い目をしていたとのこと。

明智光秀の変化

歴史上は冷徹で計算高い印象の強い明智光秀だが、本作では明智光秀のキャラクターはそのような冷徹さだけではなく様々な1面を見せる。初登場時は織田信長の家臣であり、信長からハゲいじめを受け、謀反の疑いにより斬り殺される被害者→陰腹を切ってまでも、恩かある長宗我部に攻め込むのを防ごうとする義理の人→信長の発言を全く信じない疑り深さ→懐の深さと非情に徹する冷徹さを併せ持つ覇王→ハゲに異常なほどコンプレックスをもち、気に食わなければすぐに斬り殺そうとする神経質な異常者→群雄割拠する四国を手練手管を使って統一した知勇→親友に対して腹を割り、命をかけて信頼する男→義理人情を感じながらも自身の天下布武の野望を捨てきれない貪欲さ→野望と忠義の心を併存させ、信長を支える最強の家臣といった具合にそのキャラクターは深みを増している。

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