キタニタツヤ(こんにちは谷田さん)の徹底解説まとめ

「キタニタツヤ」とは、日本のシンガーソングライターである。歌手、作詞家、作曲家、編曲家、音楽プロデューサーとしても活動。「こんにちは谷田さん」として、ボカロPとしても活動していた。独特の世界観と歌詞の表現力、高い作曲センスが魅力。アニメなどとのタイアップ、楽曲提供も精力的に行っている。2015年からはYouTubeにオフィシャルチャンネルも設けており、多数のMVを公開している。

キタニタツヤの概要

キタニタツヤ(こんにちは谷田さん)とは、シンガーソングライターや歌手、作詞家、作曲家、編曲家として活動する男性アーティストである。
2011年10月に単独でのバンド「羊の群れは笑わない。」として活動を開始。
ボカロPとしては2014年5月頃より楽曲を投稿し、2017年3月30日に自信の楽曲「芥の部屋は錆色に沈む」のセルフカバーでシンガーソングライターとしての活動を開始している。
現在は「キタニタツヤ」の名前で活動しているが、かつては「こんにちは谷田さん(こんにちはたにたさん)」の名前で、ニコニコ動画等でボーカロイドプロデューサー、いわゆるボカロPとしても活動していた。
心の深い部分に届き寄り添うようなほの暗い独特の世界観と、卓越した作曲センスが彼の魅力だ。死やメンタルに関する歌詞も多く生み出しており、ぐっと心を鷲掴みにされる。
また、アニメやゲーム等とのタイアップも多数手がけているが、アニメやキャラクターを容易に思い描くことができるような再現度の高い楽曲を生み出している。
アーティストへの楽曲提供、サポートベーシストなど多彩な顔を持つアーティストである。

キタニタツヤの活動経歴

キタニタツヤの原点

幼少期から音楽を好み、母親の影響でNirvanaやRed Hot Chili Peppers等の海外のロックを耳にして育つ。
親が音楽チャンネルである「スペースシャワーTV」を年中観ているような家庭であり、ライヴに連れて行ってもらったりと音楽に触れる機会が多く、自然と音楽が耳に入ってくるような環境であったという。
彼が本格的にロックに興味を持つきっかけとなったのが、TVアニメ『NARUTOーナルトー』のオープニングテーマに使用されていた、ASIAN KUNG-FU GENERATIONの「遥か彼方」であった。
その後はVOLA & THE ORIENTAL MACHINEや8otto等のバンドにものめりこんでいく。

漠然と「大人になったら音楽をやるのだろう」と小学生のころから感じていたキタニであったが、周りに音楽をやるような人間がおらず、特に活動することはなかった。
中学校に入ると、バンド好きの友人ができ意気投合。高校に入ったら一緒にバンドをしようと約束する。
中学生時代からの友人2人とともに、高校入学前に楽器を初めて手に取ることとなる。友人のひとりがギターで弾き語りなどをしていたため、もう一人の友人と相談した結果、キタニはベースを担当することとなった。
その後は、ASIAN KUNG-FU GENERATIONのコピーバンドとして友人たちと活動する。

しかし、ギターボーカルを担当していたメンバーがバンドのオリジナル楽曲を作成するようになった際、「自分の方が上手く作れるのではないか?」と感じるようになる。
自身が作曲に向いているのではないかという可能性に気づいたキタニはバンドから独立し、2011年11月に、キタニ1人でのバンド「羊の群れは笑わない。」を結成。木谷竜也としてのライブ活動を開始した。
メンバーがキタニのみであったため、録音したギターと打ち込みのドラムを使用し、自身がベースボーカルとしてステージで活動していた。

「みつばち軽音楽部」への参加、バンド活動時代

「humanic」時代のキタニタツヤ

その後、音楽事務所Honey Bee Studio(ハニービースタジオ)が、新人発掘や育成の為に行っているオーディション「みつばち軽音楽部」に参加したことをきっかけに、2012年にスリーピースバンド「humanic」を結成。
キタニはベースボーカルを担当した。ギターの後藤宗一郎、ドラムの佐々木翔平とともに活動し、2013年に大学受験を機に休止するまでhumanicとしてバンド活動を行っていた。

2014年春にキタニが大学受験を終えたタイミングで、羊の群れは笑わない。にギタリストの坂本絃貴とドラマーの佐藤丞が加入。哲学的な歌詞とアレンジセンスを魅力とし、東京を拠点に改めて活動を行った。
2015年7月、羊の群れは笑わない。はRO69JACKへ参加し、入賞するが、その後2018年5月のライブを最後に活動を停止した。
2020年3月7日には羊の群れは笑わない。の3rd EP『落陽』を配信リリースし、このリリースをもって羊の群れは笑わない。は、正式に活動終了となった。

ボカロPとしてのデビュー、シンガーソングライターへの転身

高校時代にはVOCALOIDにも傾倒するようになり、小学生時代から聴いていたバンドの音楽も好きではあったものの、VOCALOID界隈の新しい音楽に出会ったことがキタニに衝撃を与える。
ちょうどVOCALOIDが全盛期を迎え、様々なスタイルの楽曲を作成する人々がVOCALOID界隈に参入するようになっていたためである。
2014年5月から「こんにちは谷田さん」として、VOCALOID「初音ミク」を使用した楽曲をニコニコ動画に投稿し始め、ボカロPとしての活動を開始。初投稿楽曲は「鯨と水星」であった。
2016年7月には、ボーカロイド専門の同人誌即売会である「THE VOC@LOiD M@STER 35」にて、こんにちは谷田さん名義での1stアルバム『彼は天井から見ている』を発売。

10万回再生をひとつの目標として楽曲を投稿していたといい、あまり聴いてくれる人がおらず不貞腐れることもあったという。
2017年3月30日、自身のVOCALOID作品である「芥の部屋は錆色に沈む」が、活動を始めて初の10万回再生を記録する。「このままやっていってもいいんだな」と感じたと同時に、この10万回再生を記念し、「芥の部屋は錆色に沈む」のセルフカバーを投稿する。
このセルフカバーがキタニタツヤの名義での初作品となった。
この投稿以降、キタニタツヤ名義でのシンガーソングライターとしての活動が活発化していく。

作曲家として事務所に入るもアーティストの道へ

大学3、4年の頃、周囲が就職活動を始める中、キタニは絶対に就職はしたくない、音楽のみでやっていきたいと感じていた。
VOCALOIDだけで食べていける人はいるが自分はどうか、と考えたとき、趣味程度の規模であると感じたため、作曲家としてスマイルカンパニーに所属。楽曲提供活動を行っていく。

しかし、作曲家として事務所に入社したつもりが、ディレクターに「お前は作曲家じゃなくて、アーティストだと思っているよ」と言われ、バンドをやってもらうつもりだと告げられる。
2018年3月に東京大学文学部を卒業したキタニは、sana、渡辺翔とともにバンドsajou no hanaとしての活動をスタートさせることとなる。sajou no hanaは同年8月22日に、デビューシングル『星絵』をワーナー・ブラザーズ ホームエンターテイメントよりリリースしメジャーデビュー。

シンガーソングライターキタニタツヤとしても、2018年9月25日に1枚目のアルバムである『I DO (NOT)LOVE YOU.』をリリースした。
2019年2月16日には、初のワンマンライブ「I DO LOVE YOU.」を下北沢MOSAiCにて開催。同年9月25日にはアルバム『Seven Girls' H(e)avens』をリリースするなど活発に活動する。

「キタニタツヤ」としてメジャーデビュー後の活躍

2020年8月26日、MASTERSIX FOUNDATION(ソニー・ミュージックレコーズ)からアルバム『DEMAGOG』をリリースする。これにより、ソロ名義でもメジャーデビューを迎えることとなった。
同年12月、4ヶ月連続配信シングルリリース企画を行うことを発表し、12月23日に第1弾として『白無垢』をリリース。
続いて2021年1月27日に第2弾として『cinnamon』をリリースする。この楽曲にはエジマハルシ(ポルカドットスティングレイ)が参加した。
2月24日には第3弾として、漫画家カネコアツシの『EVOL』とのコラボレーション楽曲『逃走劇』、3月31日には第4弾として、ALIが参加する『Ghost!?』を配信リリース。
2022年5月25日には、メジャー2作目のアルバムである『BIPOLAR』、11月23日にはEP『スカー』をリリースした。

「こんにちは谷田さん」名義でも、同年6月12日にはボカロPとしての過去楽曲を収録したアルバムである『In the margin』を配信リリースしている。

多数のタイアップと「青のすみか」の大ヒット

紅白歌合戦に出場した際のキタニタツヤ

メジャーデビュー後はタイアップも盛んに行っており、2021年8月18日には、フジテレビのTVアニメ『平穏世代の韋駄天達』のオープニングテーマである『聖者の行進』をリリース。同年、久保帯人作の漫画『BLEACH』の原画展である「BLEACH EX.」のテーマソングとして、11月23日には『Rapport』、12月18日には『タナトフォビア』の2曲を配信リリースする。

2022年にも活動は続き、2月10日、フジテレビ系で放映された連続ドラマ『ゴシップ #彼女が知りたい本当の◯◯』の主題歌として書き下ろした『冷たい渦』、『プラネテス』を配信リリース。
2月25日には「アサヒスーパードライ」×「THE FIRST TAKE」コラボレーション企画タイアップソング『千春 feat. n-buna from ヨルシカ』を書き下ろして発表するなど精力的に活動。
その後も、5月20日にはスマートフォンゲームアプリ『プロジェクト世界 カラフルステージ! feat. 初音ミク』にて『月光』がリズムゲーム用楽曲として収録、11月23日にはTVアニメ『BLEACH 千年血戦篇』OPテーマ『スカー』を含むEPを発表した。

2023年には、TVアニメ『呪術廻戦 懐玉・玉折』のオープニングテーマとして『青の住処』が起用され、配信初日に各デジタルチャートにて23冠を達成する。
その後も「青のすみか」は、「オリコン週間ストリーミングランキング」でもストリーミング累計再生回数1億回を突破し、日本レコード協会からプラチナ認定を受けた。
また、Billboard JAPANの各年間チャートへのチャートインを達成したと同時に、大晦日には「第74回NHK紅白歌合戦」に初出場し「青のすみか」を披露。2023年を代表するヒットソングの1つとなった。

2024年には、元SexyZone(現timelesz)中島健人との音楽ユニット「GEMN」を結成し、最初の曲となった『ファタール』はTVアニメ『【推しの子】』2期のオープニング主題歌として起用された。

サポートベーシストとしての活動

中学卒業時からベースに触れ始めたキタニは、サポートベーシストとしての経歴も持ち、2016年からボカロPのn-bunaや、シンガーソングライター和田たけあきなどのライブに参加。
継続して、2017年にn-bunaが結成しているバンド「ヨルシカ」のサポートベーシストとしても活動しており、結成当初からレコーディングやライブ等に参加している。
プレイヤーとして活動するときにはベーシストを名乗ることが多いが、本人にとってはギターに触れている時間も同じくらい長いため、ベーシストとしての自覚はそこまでないという。

キタニタツヤのプロフィール・人物像

1996年2月28日生まれ。本名は木谷竜也(読み「キタニタツヤ」)。好きな色は橙色。
東京都杉並区の出身で、東京大学文学部思想文化学科美学芸術学専修課程が最終学歴と高学歴である。その頭脳を活かし、タイアップ曲を作る際には、非常に作品の世界観を色濃く反映した楽曲を多数生み出しており、「解釈の鬼」と呼ばれることもあるほど。
中学3年生の時には野球部のキャプテンを任されていたが、本人曰く「すぐにサボりたがるダメなキャプテン」であったという。音楽やサブカルチャーに詳しい友人とマンガを読んだり、YouTubeを観たりするほうが楽しいという少年時代を過ごした。

キタニタツヤのディスコグラフィー

CDシングル

7tTOMATOPIE
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@7tTOMATOPIE

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