その女、ジルバ(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『その女、ジルバ』とは有間しのぶが『ビックコミックオリジナル増刊号』2011年7月号から2018年9月号まで連載していた漫画、およびそれを原作としたドラマ作品。大型スーパーの倉庫で働く薄井新は40歳独身。老後の不安から高齢BARで見習いホステス「アララ」として働き始める。もう中年だと人生を諦めていたアララもお客からはヤングギャル扱い。皆で歌い、踊り、お店に溶け込むにつれアララは生きる希望を取り戻していく。第23回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。2021年に池脇千鶴主演でドラマ化し高評価を得ている。

『その女、ジルバ』の概要

『その女、ジルバ』とは有間しのぶが『ビックコミックオリジナル増刊号』2011年7月号から2018年9月号まで連載していた漫画、およびそれを原作としたドラマ作品である。漫画は全5巻の完結作品。有間しのぶは1982年に『週刊ヤングマガジン』(講談社)より『本場ぢょしこうマニュアル』で4コマ漫画家としてデビュー。以来漫画家、原作者として多くの作品を発表している。
2019年第23回手塚治虫文化賞では、年間のベスト作品となるマンガ大賞に選出される。2021年1月から3月まで東海テレビ・フジテレビ系全国ネットオトナの土ドラシリーズでテレビドラマ化。ドラマ版は2021年に日本民間放送連盟賞番組部門テレビドラマ番組優秀賞に輝く。他に第58回ギャラクシー選奨、第47回放送文化基金賞奨励賞、第37回ATP賞テレビグランプリ優秀賞を受賞し高評価を得ている。
主演は池脇千鶴。メインキャストは草笛光子、中尾ミエ、品川徹、真飛聖、江口のりこ、山崎樹範、久本雅美。脚本は『Dr.コトー診療所』シリーズを手がけた吉田紀子である。

主人公の「笛吹新(うすいあらた)」は大手スーパーの倉庫勤務の40歳。本社から「姥捨て」され恋人なし、貯金なしで老後の不安にかられているとふと目にしたのはホステス募集の張り紙。時給2000円、40歳以上の募集要項を見つけ意を決してお店のドアを開ける。そこはマスターもホステスも平均年齢70歳(最長80)の高齢BAR「OLD JACK&ROSE」。最初はマスターとホステスたちに「うちはロリコンクラブじゃねえんだ」と反対される。しかし新が電車で席を譲った老婦人であった「くじらママ」の一声でなんとか雇われることができた。源氏名を「アララ」と名乗り、今は亡き初代ママ「ジルバ」の靴を借りて見習いホステスとして働くアララ。倉庫ではオバサン扱いされるのにお店ではお客からヤングギャル扱いをうけてニヤニヤが止まらない。お店に慣れてくるにつれ明るさを取り戻していき、おしゃれを楽しむようになる。

適齢期を過ぎた独身女性、金銭面での老後の不安、福島の被災者たちの苦悩、戦前戦後の動乱。重いテーマを取り扱っている漫画なのに読後感はとても明るく前向きになれる。
それは有間しのぶが『本場ぢょしこうマニュアル』や『モンキー・パトロール』のように4コマ漫画のギャグやコメディを得意とした作者で、作品がテンポよく笑いどころが多いのも魅力の一つである。そしてどんな状況でも「希望」を謳っている先輩ホステスたちの言葉には経験という重みがあり、優しく包んでくれる。
「楽しめばいいのよ。この世には遊びに来たの。踊って転んだら笑ってそれで80年よ。」人生を前向きに生きるヒントをくれる、最高のヒューマンドラマである。

『その女、ジルバ』のあらすじ・ストーリー

見習いホステス アララ

倉庫の仕事の後でホステスとして働くアララ(右上コマ左)

主人公の笛吹新(うすいあらた)は大手スーパーの倉庫勤務の40歳。もともとは本社勤務の婦人服売り場で接客をしていたが、5年前に本社から「姥捨て」され支店である倉庫勤務となった。恋人は数年前に去り、貯蓄もない新は老後の漠然とした不安に襲われる。そんな時目にしたのが飲み屋街に張ってあったホステス募集の張り紙。募集要項の「40歳以上」に勇気をふり絞りお店のドアを開ける。
「OLD JACK&ROSE」はマスターもホステスも平均年齢70歳(最高80)の高齢BAR。最初に新を見たマスターは「お嬢ちゃん、うちはロリコンクラブじゃねえんだ。」と冷たい態度をとり、出勤したホステスたちも雇うのに反対した。しかし最後に現れたくじらママが「雇ってあげて、彼女とてもいいコよ。」と声をかける。今朝新が電車で手助けをした老婦人は実はすっぴんのくじらママであり、新はくじらママの変貌したホステス姿に驚く。

無事見習いから採用された新は源氏名をアララにし、週末だけホステスとしてお店で働きはじめる(これ以降は、新をアララと記載する)。お店を訪れる客のほとんどが高齢で、アララは客からギャルだと騒がれる。倉庫の仕事では周りからオバサン扱いされてきたアララにとってお店での若者扱いはご褒美みたいなものであり、思わず顔がニヤけ嬉し涙を流すのであった。
店に馴染みはじめたアララはホステスの仕事にやりがいを感じ「昼と夜もきちんと生きよう。でないと、自分がもったいない」と前向きな気持ちになる。
しかし自分の地味な容姿や性格に自信が持てないアララは、マスターから自信を持って優雅にふるまうよう言い渡される。ホステスたちは皆元プロのダンサーで、お客と一緒にチークダンスをしたりラインダンスをしてお店を盛り上げている。以前お客とチークダンスを上手く踊れなかったアララは、マスターから勧められマスターが講師のダンス教室へ入会する。ダンスの楽しさに目覚めたアララはホステスの仕事を週4に増やし充実した日々を過ごす。

容姿が明るくなっていくアララに、倉庫の同僚であるみかとスミレは男が出来たのではと訝しむ。ホステスの仕事を隠していたアララだが、アララに影響されたみかとスミレは以前の生き生きした自分を取り戻す。

伝説のママ ジルバ

「OLD JACK&ROSE」は50年前今は亡き初代ママであるジルバが40歳で立ち上げたお店。
お店の壁には若い頃のジルバとホステスたちの写真が飾ってある。色白でふくよかな体形だったジルバはアララと見た目が似ている。ホステスたちはジルバの面影があるアララに少しずつジルバとの思い出を語りだす。ジルバと面識がないアララだが故郷が同じ福島県だという事を知り親しみを持ち始める。結婚詐欺師の男に騙されて資産家だった実家を破産させてしまい無一文になったエリー。戦争で父を亡くし母親に山師の元へ身売りされたひなぎく。終戦後親に捨てられひどい環境の施設で育ったナマコ。10代の頃に家族との折り合いが悪く家出した元バテレンのチーママ。皆ジルバに助けられ、店のショーホール時代から働いていた。情に厚く明るい性格のジルバは今でも客やホステスたちに慕われている。

仲間との華やかな写真の中に、一枚だけ記事の切り抜きが飾られている。ジルバが幼いころ両親が福島県からブラジルに移民した。両親が病気で逝去後、ジルバはやがて結婚し2人の娘に恵まれた。しかし世界情勢の悪化からブラジルではクーデターと政権交代が起き、ブラジルに移民した日本人は迫害を受ける。第二次世界大戦勃発後ジルバたちは夫の親族を頼り日本に帰国を決意する。しかし帰国する2か月間の船の中で感染病が流行、病弱だった夫と子どもたちは亡くなってしまう。失意の中一人日本へ帰国したジルバ。この記事の切り抜きには船の中で亡くなった人々を、名も知らぬ途中の島に降りて埋葬する人たちが映っている。そこには背中を向けて小さくジルバも映っており、マスターが記憶を忘れないようにと飾っている。

「始まったばかりだった。あたしは耳を傾け続ける。ジルバとジルバを巡る人々の身の上の物語に。」

専属ホステス アララへ

アララは倉庫での仕事の休憩中、同僚のみかとスミレと一緒に公園のベンチでお弁当を食べていた。話の流れで以前の売り場で接客していた頃を思い出し、「仕方ない。今の世の中、勝ち組と負け組しかないんだもの。」と話す。すると突然その言葉に反応したかのように、浮浪者らしき男が姿を表しニコニコしながらアララたちを見ている。すぐさまその場を立ち去ったアララたちだが、アララは先ほどの男に見覚えがあるような気がした。仕事帰りにマスターから頼まれた買い物を済ませるアララ。その時アララが被っていた帽子の飾りが地面に落ちてしまう。そこに通りかかったさっきの浮浪者らしき男が気づくが、両手が塞がっているアララの代わりに遠慮がちに飾りをつける。するとそれをきっかけに去年のお店のクリスマスパーティーでお互い出会っていた事を思い出した。クリスマスパーティーではタヌキの着ぐるみを着せられたアララ。去年店を訪れた男は身なりがきちんとした好青年で、アララはときめきと同時にたぬきの滑稽な姿を見られて落ち込む。
男は白浜俊輔(しらはま しゅんすけ)と名乗り、昔知人に聞いてジルバの店を訪れたという。その知人というのがブラジルで暮らしていた老人でジルバの身内であるという。白浜は去年のクリスマスパーティー後に生活が貧窮してしまっていた。店先でマスターに会うと、アララは白浜が20年前にも店を訪れていた事を知る。

後日店を訪れたが、今から九州に出稼ぎにいくと言いお店に入らなかった。開店前の安売りで買った花束をジルバさんにとマスターに託すと、アララには小さなブーケを手渡した。またいつか、と去る白浜を見送るとアララは顔からドレスの胸元まで紅潮する。

アララが店に勤めはじめてから1年が過ぎ、アララはお店が自分にとって大切な居場所になっていた。それと同時に肉体を酷使する本業の倉庫の仕事には何年まで続けられるかと不安を抱える。

ブラジル移民の日にジルバの写真を囲み、ジルバの好きだった演歌歌手の曲をかけにぎやかに偲ぶホステスたち。身支度をしていたアララは偶然ジルバの宝石箱に隠し引き出しを発見し、中から手紙と金の腕輪を見つける。腕輪には英語で「ジルバへ 幸吉より」と刻印されており、アララはジルバとマスターが過去に恋愛関係であったと推測した。同時に「よかった。ジルバママの日本での半生が、追憶と後悔だけじゃなくてよかった。」暗い過去を抱えたジルバにも幸せな時代があった事を知り一人喜ぶのであった。

同僚のみかが退職し故郷に帰ったのをきっかけに、以前から体力の限界を感じていたアララは倉庫の仕事を退職し専属ホステスになることを決意する。そんな折、久しぶりに白浜が店を訪れ気持ちが高ぶるアララ。白浜はジルバの写真の前で手を合わせ、白浜が幼少期父の仕事で移住したブラジルで出会った老人について語りだす。この老人はジルバの義兄である星賀太郎(ほし がたろう)で通称ガタロ。ジルバがまだブラジルで暮らしてた時代、日本での新居を用意するといいジルバ夫婦の金をだまし取る。貧窮した状態で日本へ渡ったジルバは船の中で夫と子どもたちを病気で失い、ほぼ無一文の状態で日本へ渡った。不幸の元凶はガタロのせいであるとジルバは恨んでいたのである。白浜はガタロの詳細を話すこと無く店を出た。

同僚のスミレが寿退社した後、晴れやかに倉庫の仕事を退職したアララ。退職日に公園でチーママと出会う。すると会話の中でチーママがジルバの金の腕輪と手紙をジルバの宝石箱に隠した事を知る。ジルバから娘同然に可愛がられていたナマコも知らなかった金の腕輪と手紙。ナマコはジルバの死後にこの腕輪を発見していたが、ナマコは手紙を読むことなくずっと宝石箱にしまっておいた。するとチーママから腕輪と手紙をジルバから託されたのは成り行きで、チーママはジルバからいつの日かマスターとジルバをブラジルに一緒に葬る役目を託されたとアララに伝える。

くじらママの告白

住んでいるマンションの持ち主の破産で、アララは引っ越しをしなければいけなくなる。マスターの好意でお店の2階に住み込みで働ける事になり家賃は2、3万で良いという。破格の値段に驚くアララに、2階にはジルバの部屋があり、そこは異国間漂うインテリアが当時のまま残されてる。ジルバの晩年は頭が混乱し、亡き夫と子どもたちの名を叫び続けた。アララにはこの部屋はジルバのブラジルに焦がれる叫びが残っているようだと感じる。

アララは他のホステスがそれぞれ急病でお店を休んだ日、くじらママと二人きりになる。身支度をするアララに唐突に「アララ、あたくし花売り娘をしていた頃が今でも苦しいの。」と口にだしてしまう。戸惑うアララにくじらママは今まで誰にも話さず抱えていくと決めていた自身の半生を語ると決める。

くじらママから飲みに誘われたアララ。くじらママのいきつけのお店でくじらママは過去をゆっくりと語り始める。
終戦直後。家族をすべて亡くしたくじらママこと久慈 きら子(くじ きらこ)は18歳。実はジルバとくじらママはダンスホール以前からの知り合いで、このことはお店の誰も知らない。1946年東京下町できら子は貧困の中一人暮らしをしていたが、その美貌から米兵に襲われそうになる。機転をきかせ助け出したのがジルバママこと星ちはま(ほし ちはま)。ちはまは当時ニセ坊主の姿で旅をしていて、千葉から福島へ向かう途中だった。ちはまと別れたきら子は米兵の報復を恐れて、埼玉で暮らすおじの元に身を寄せる。しかしおばから冷遇されいつも空腹だったきら子は、関西から来たという石橋(いしばし)ら三人組に食べ物を恵んでもらう。東京で仕事を紹介すると言われ石橋らと上京するきら子。だが石橋は実は関西のヤクザで、仕事とは当時流行した「花売り娘」として娼婦の店で働くことである。石橋に脅され無理やり犯されたきら子。日本人離れした美貌と「旧家の令嬢」という設定で、高値の花として他の娘の5倍の値段がつくきら子だが石橋の戦略で身体を売ることはなかった。しかし裏では酒と薬に溺れ、毎晩のように石橋の慰み者にされている。やがてきら子は高額で身請けされ助之平 香肝(すけのだいら かおきも)という重役の妾になるが、巨額の軍需賠償を求められ破産した助之平は首を吊る。女中に助けを求めたきら子だが、石橋に買収されていた女中の手引きによって石橋に攫われてしまう。

過去を隠すのは皆をだましていたのと同じだと語るくじらママ。そんなママの手をにぎり「ママは!!何にも悪くない!!」と言い切るアララ。涙を流すアララにくじらママは「アララ…あたくしね…60年間ずっと、誰かにそう言ってほしかった。」と言う。

白浜の手紙とそれから

お店の2階に引っ越しを終えて、本格的に店のホステスとして生きていくアララ。ある日白浜から郵便物が届く。中にはブラジルのラム酒入りチョコレートと手紙が入っていた。手紙の内容はブラジルで暮らしていた幼少の白浜とジルバの義兄ガタロの出会いから始まる。終戦後日本が戦勝国だと信じた日本人移民「勝ち組」の残党であるガタロ。詐欺師の捨て駒にされガタロに当初白浜は同情していた。白浜は高校生の頃日本に帰国する。ガタロの話を頼りにジルバの店を訪れた白浜は、ジルバの激高からガタロがジルバに何をしたか知る。白浜はジルバを傷つけた事を辛く思い、ガタロに落とし前をつけさせるため渡伯するたび何年も探したが、行方が分かったのはすでにガタロが亡くなった後である。晩年のガタロを哀れに思い時折会いに来たのはジルバの兄姉で、兄姉は一族の中で日本に帰るという移民の夢を叶え、店をもち安住したちはまを誇りに思っていたという。お店の皆が手紙を読み終えた後、ジルバの写真の前にコーヒーとチョコレートを置いて静かにジルバを偲ぶ。

くじらママに再び誘われ、アララは明石焼きをごちそうになる。そこでくじらママは過去の話の続きをする。石橋の手により店に戻されたきら子は、開き直り媚びることなく働いた。そこで初恋の人と再会し失恋もしたが、きら子は殿方の話を聞く楽しみを知り友達もできる。北関東から関東を襲ったカスリン台風の前夜、石橋の舎弟である寺田(てらだ)と省次(しょうじ)がきら子を訪れ田舎に帰らせてくれるという。寺田と一緒におじの住む埼玉に戻るが、そこは台風の被害を受けておりきら子は被災した人々の救済活動をした。その時ちはまがきら子を見舞いに訪れ、二人は久しぶりに再会する。実は寺田はちはまがブラジルから日本に着いた時神戸港で出会っており、寺田はちはまに働き口を紹介した恩人であった。寺田の口利きで、きら子とちはまは組や石橋と関わりがないダンスホールを紹介してもらう。
以前の暮らしと縁が切れたきら子のその後の幸せな話を聞き、アララは幸せを手に入れたくじらママを嬉しく思う。

その頃チーママとナマコは一緒にホラーレイトショーを観ていた。そしてチーママからなぜジルバの腕輪のいきさつを知っているかを語られる。昭和40年頃チーママはマスターがジルバに腕輪を渡す場面を偶然盗み見る。マスターはジルバとやり直したいと言うが、マスターはすでに所帯を持つ身。あんたは愛しいがそれを簡単に放り出していいはずがないと言うジルバ。それを聞いたマスターは包みから金の腕輪を取り出し、「おれらなんせ年月が長いだろ。指輪よりでかい輪にしたぜ。」とジルバに渡す。「綺麗。」と涙を流して喜ぶジルバだが復縁は受け入れず、「この腕輪一生大切にする。これからもお店を一緒にやっていって。どんな形だってそばに居てくれれば幸せだから。」とマスターの手を握った。

ジルバとの思い出を語り合ったナマコは、チーママから腕輪とマスター、ジルバ二人の遺髪をいつかブラジルの地に葬る役目を引き継ぐのであった。

開店前のひとときにマスターが仕込んだ塩おでんの香りが立ち込める。店の掃除をするアララ。すると扉が開き新規のお客が来店する。以前からお店が気になっていてと話す男性に「今夜は塩おでんがありますよ。」と答えるアララ。開店時間を聞き店を出るお客。お互いに惹かれ合っている様子である。
ホステスたちの出勤時間になってもドレスもメイクも決まらないと嘆くアララ。その様子を見たホステスたちは一瞬で理解し、アララに一番似合うドレスを着せ身支度を手伝う。「想い人を他のお客様よりひいきにしてはダメよ。」とくじらママのアドバイスを受け店に出るアララ。すると再び男性が来店し振り向くアララ。

「高齢の美女と粋なマスター、美味しい品々が今宵も『ORD JACK&ROSE』でお待ちしております。」

『その女、ジルバ』の登場人物・キャラクター

主人公

アララ / 笛吹 新(うすい あらた)

倉庫勤務の40歳でこの物語の主人公。35歳で本社から倉庫勤務に姥捨てされ恋人にも去られ夢も貯蓄もなく生きていたが、時給2000円と40歳以上の募集に惹かれ高齢バー「ORD JACK&LOSE」の見習いホステスになる。源氏名はアララ。福島県会津出身で震災の傷跡が残る地元と人々をかけがえなく想う。内気で地味な自分がコンプレックスだったが、人生を謳歌しているホステスたちと笑い合う日々のなかで前向きに生きるようになる。

主な登場人物

ジルバ / 星 ちはま(ほし ちはま)

40歳でお店を構え50年間勤めた今は亡き伝説のママ。人情派で明るい性格で、ホステスたちから慕われていた。色白でぽっちゃりした見た目はどこかアララに似ている。お店のダンスホール時代にマスターと恋人同士だったが別れる。ブラジルの日本人移民で、戦争前に家族で日本へ渡航する際船上で夫と子どもたちは感染症で亡くなる。義兄ガタロにだまされ全財産を持ち逃げされて以来、ガタロに憎しみを募らせていた。

マスター / 蛇ノ目 幸吉(じゃのめ こうきち)

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