その女、ジルバ（漫画・ドラマ）のネタバレ解説・考察まとめ
『その女、ジルバ』とは有間しのぶが『ビックコミックオリジナル増刊号』2011年7月号から2018年9月号まで連載していた漫画、およびそれを原作としたドラマ作品。大型スーパーの倉庫で働く薄井新は40歳独身。老後の不安から高齢BARで見習いホステス「アララ」として働き始める。もう中年だと人生を諦めていたアララもお客からはヤングギャル扱い。皆で歌い、踊り、お店に溶け込むにつれアララは生きる希望を取り戻していく。第23回手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞。2021年に池脇千鶴主演でドラマ化し高評価を得ている。
お店のマスターであり蛇ノ目幸吉ダンス教室のオーナー兼講師。空襲で両親を亡くし職を点々とした後、ダンスホールでジルバの生命力あふれるダンスに感動する。のちにダンスホールに勤め現在に至る。以前はジルバと恋人同士だったが破局後お店の常連客だったサヨと所帯をもつ。ぶっきらぼうな物言いだが思いやりがあり、アララに対して徐々に信頼をよせるようになる。
くじらママ / 久慈 きら子（くじ きらこ）
お店のママであり御年80歳の現役ホステス。少女時代は戦争で家族を失い、日本人離れした美貌から関西のヤクザに目をつけられて、身売りさせられる辛い過去をもつ。ダンスホール時代マスターに片思いしていたがジルバに寝取られ、一時期不仲になったことがある。慈愛と気品に満ちた人柄でアララの憧れの先輩ホステスである。
チーママ / 真知子（まちこ）
知的な和装美人のホステスで固定客が多い。おめでたい事があるとラインダンスの音頭を取る面倒見のよい性格である。ホステスからはお真知や真知姉と呼ばれている。生前のジルバから金の腕輪と手紙を託され、ジルバの宝石箱の隠し引き出しに入れていた。資産家の娘だが店で働く以前はグレた時代があり、警察から逃げる時にジルバに助けてもらう。バツイチ。
ひなぎく / 菊子（きくこ）
可憐で控えめな性格でお店のアイドル的存在のホステス。常連客の中にひなぎく親衛隊がいる。父亡き後家計を助けるため女給として働いていたが、山師に見染められた菊子は、母親に大金を渡した山師の妾にされそうになる。難を逃れたあとジルバの店で女給として面接するが、ジルバに見出されダンサーとして働くことになる。お店で花見をする時には田舎に向かい、朝採りのたけのこを持ち帰りバーベキューをするのが毎年の恒例行事である。
エリー / 衿子（えりこ）
プライドが高く派手な見た目のホステス。一見わがままだが仲間思いであり、お客の好みや体調を把握しちゃんと気配りができる。アララにはホステスの中で最年少と伝えていたが、以前ナマコが金銭面で苦労した時代にナマコの借金の肩代わりをする対価に最年少の座を買い取った経緯がある。裕福なお屋敷の一人娘だったが、結婚詐欺の男から全財産だまし取られ両親は破産。無一文になったエリーはジルバに拾われ、お店のダンサーになる。独身だが結婚の夢は捨てていない。
ナマコ / 七子（ななこ）
動きが機敏で若者の流行に精通する元気印のホステス。戦後親に捨てられ劣悪な施設にいた幼少の七子をジルバが世話をする。ジルバから娘同然で可愛がられるが、何も知らされていない金の腕輪について長年悩んでいた。ホステスの中で唯一ギリギリ50代である。旦那とは仲が良く、今でも一緒のベットで寝ている。
白浜 峻輔（しらはま しゅんすけ）
クリスマスパーティーの夜にお店に現れた謎の多い男性。幼少時父親の赴任先であるブラジルで、ジルバの義兄ガタロと出会う。ブラジルの日本人移民について調べた内容を元に友人と共同で出版社を立ち上げる予定だったが、友人に金を持ち逃げされ一時期浮浪者のような生活をしていた。35歳だが年齢を若くみられがちなイケメンである。
ガタロ / 星 賀太郎（ほし がたろう）
ちはまの夫直次郎の兄で、ちはま一家の全財産をだまし取り不幸に貶めた元凶。戦後日本人移民たちの間で起きた「勝ち組」の残党であるガタロは、戦勝サギ師に騙され「大日本帝国戦勝を日経社会に公布せよ」と命を賜るが、囮にされボリビアの国境警備に捕まる。戦後40年経ち小学生だった白浜と出会ったときは酒に溺れ正気を失っている老人であった。晩年は老人ホームで孤独な死を迎えるが、ちはまの兄姉から憐れみを受け時折お菓子を差し入れられていた。
村木 みか（むらき みか）
アララの倉庫勤務での同僚。年々きつくなる身体と精神に、決断すべき年齢だと判断し退職する。実家の島根に帰り、母と暮らしながら兄弟の店を手伝う。田舎では何もしない贅沢な時間を大切にして時折ボランティアをしながらはつらつと過ごしている。
浜田 スミレ（はまだ すみれ）
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目次 - Contents
- 『その女、ジルバ』の概要
- 『その女、ジルバ』のあらすじ・ストーリー
- 見習いホステス アララ
- 伝説のママ ジルバ
- 専属ホステス アララへ
- くじらママの告白
- 白浜の手紙とそれから
- 『その女、ジルバ』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- アララ / 笛吹 新（うすい あらた)
- 主な登場人物
- ジルバ / 星 ちはま（ほし ちはま）
- マスター / 蛇ノ目 幸吉（じゃのめ こうきち）
- くじらママ / 久慈 きら子（くじ きらこ）
- チーママ / 真知子（まちこ）
- ひなぎく / 菊子（きくこ）
- エリー / 衿子（えりこ）
- ナマコ / 七子（ななこ）
- 白浜 峻輔（しらはま しゅんすけ）
- ガタロ / 星 賀太郎（ほし がたろう）
- 村木 みか（むらき みか）
- 浜田 スミレ（はまだ すみれ）
- じゅーぞー
- マイカ
- 主任
- 笛吹 光（うすい ひかる）
- 笛吹 さや（うすい さや）
- 笛吹 龍人（うすい たつと）
- アララの両親
- 石動 良一（いするぎ りょういち）
- お店の常連客
- 中島（なかじま）
- 権田原（ごんだわら）
- 浅山（あさやま）
- 和平（わだいら）
- 滝口（たきぐち）
- 過去に登場する人物
- 結婚詐欺師の男
- 星 直次郎（ほし なおじろう）
- ちはまの両親と兄姉
- 園森 国彦（そのもり くにひこ）
- きら子の叔父
- 石橋（いしばし）
- 寺田（てらだ）
- 省次（しょうじ）
- 助之平 香肝（すけのだいら かおきも）
- 『その女、ジルバ』の用語
- 「ORD JACK＆LOSE」に関連する用語
- アララ
- ジルバ
- ORD JACK＆ROSE
- 当店名物ラインダンス
- その他の用語
- 勝ち組・負け組
- アイドル演歌歌手 日川ひよし（ひかわ ひよし）
- 『その女、ジルバ』の名言・名セリフ／名シーン・名場面
- くじらママ「楽しめばいいのよ。この世には遊びに来たの。踊って転んだら笑ってそれで80年よ。」
- アララ「もしかしたらよ？思いきって言うけど、40歳なんてすごく若いんじゃないかな。」
- 七子「母ちゃん！！」
- アララ「ええ！！私はあの時のタヌキです。」
- アララ「生き方なんて、どこでどう変えたっていいんだ。」
- 村木 みか「「自分可哀想がり」終了。数えきれないほどこうして一人で立ち直ってきた。年の功だよ。」
- マスター「人が人を理解するなんてできないと思うよ、おれは。見ても聞いても話しても取りこぼすんだ。」
- アララ「この数年で、たくさんの痛手を見た。受けとめきれない大きな傷、抉（えぐ）られる傷。傷が大きいほど、なぜか人は自分を責めるのも。」
- 『その女、ジルバ』の裏話・トリビア・小ネタ／エピソード・逸話
- 中高年女性の心に響いたドラマ 最後に「ジルバロス」がトレンド入り
- 『その女、ジルバ』は作者の故郷・福島への祈りの物語
- マンガ食堂で「その女、ジルバ」の料理が再現
- 『その女、ジルバ』の主題歌・挿入歌
- 主題歌：山本 彩「ドラマチックに乾杯」