ぼっち・ざ・ろっく!(ぼざろ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『ぼっち・ざ・ろっく!(ぼざろ)』とは、はまじあき原作による4コマ漫画で、アニメ化や映画化もされた。陰キャで孤独な高校生活を送っていた主人公・後藤ひとりは、伊地知虹夏(いじちにじか)の誘いで「結束バンド」のメンバーに加わり、ギタリストとして輝かしい表舞台へ立つ。自信がなく陰キャボッチな後藤ひとりことぼっちのキャラクターやそれを取り巻く登場人物たちは個性的で魅力的に描かれている。ユーモアあふれるセリフ回しやシーンが多く、視聴者の感動と共感を得ている。

学校の文化祭で演奏することになった結束バンドのメンバーは、意気揚々と本番に臨む。順調に演奏をこなし、会場はいい感じに盛り上がりをみせ、二曲目に入る。しかし、ぼっちは演奏中ギターの不調を感じていた。一弦と二弦のチューニングがどうも合わない。その不調は明らかなアクシデントとなってぼっちを追い詰めた。ぼっちのギターソロに入る直前にギターの一弦が切れ、二弦のペグも壊れてしまったのだ。こうなってはギターソロなど演奏できるわけがない。突然のアクシデントにぼっちは焦り、必死に解決策を見出そうとする。ぼっちのアクシデントに助け舟を出したのは喜多だった。喜多はアドリブでギターソロを奏で、ぼっちに視線を送る。ぼっちはそれに応え、ワンカップの空瓶でボトルネック奏法を披露する。ひとまずライブ中のトラブルを乗り越えたぼっちだったが、ステージ上で突然コメントを求められ、すっかりパニックになってしまう。その答えを準備していなかったぼっちは面白いことを言うか行動しなくてはと追い詰められ、客席にダイブしてしまう。観客は誰一人としてぼっちを受け止めることはなかった。ギターを演奏するぼっちと、陰キャコミュ障ゆえの天然ボケをかましてしまうギャップがよく表れている名シーンである。

伊地知 虹夏(いじち にじか)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「だからあたしの本当の夢はね…… お姉ちゃんの分まで人気のあるバンドになること! STARRYをもっと有名にすること!」

本当の夢をぼっちに打ち明ける虹夏

虹夏の夢は武道館でライブをすることだ。だが本当の夢は、姉のライブハウスを有名にすることだった。家庭の事情により両親はおらず、姉はライブハウスを経営して、虹夏を育ててきた。その恩返しとして、姉の力になりたいという切なる願いだった。「だからあたしの本当の夢はね…… お姉ちゃんの分まで人気のあるバンドになること! STARRYをもっと有名にすること!」と、虹夏はぼっちに自身の夢を語る。姉妹愛を窺わせるセリフである。

「これからはちゃんと皆を頼るんだよ。バンドなんだから」

デモ用の曲を作曲でスランプに陥いるリョウを皆で助けた後の虹夏の台詞。皆の協力もあってリョウは曲を完成させる。リョウとは幼馴染のに虹夏は「これからはちゃんと皆を頼るんだよ。バンドなんだから」と言う。リョウはバンドの絆を再確認する。

「だからこれからも沢山見せてね、ぼっちちゃんのロック! ぼっちざろっくを!」

ぼっちへの期待を胸に笑顔で立ち去る虹夏

台風の中行われた結束バンドの初ライブは成功に終わった。その打ち上げの席で虹夏の姿が見当たらないことに気付いたぼっちは、店の外で涼んでいた虹夏を見つけ、話しかける。とはいえ、普段家族以外の人間と会話などほとんどしてこなかったぼっちはすぐに言葉が詰まってしまう。そんな時、虹夏は突然、ぼっちがギターヒーローであることを言い当ててしまう。ぼっちは自分がギターヒーローであることをひた隠しにしていたが、素直にそれを認める。ぼっちは自分がギターヒーローだと知って虹夏はショックを受けてしまったのではないかと心配する。だが虹夏は、むしろぼっちがギターヒーローで良かったと答える。虹夏はライブハウスを盛り上げ、姉に恩返しをしたいと考えていたが、今まで思うようにいかなかった。いつしかその夢も無謀なのではないかと思うようになっていた時、希望の光をもたらしたのがぼっちだった。ぼっちはバンドのピンチを救い、状況を好転させている。それはまるで本当のヒーローのようだったと虹夏は言う。ぼっちの夢は、ギタリストとして「結束バンド」を最高のバンドにすることだった。ぼっちと一緒ならその夢を叶えられる。そう確信した虹夏はぼっちに「これからも沢山見せてね、ぼっちちゃんのロック! ぼっちざろっくを!」と期待の声を上げる。虹夏の中でぼっちに対する期待がどんどん膨らんでいるのがわかる名セリフ。

山田 リョウ(やまだ リョウ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

個性捨てたら死んでるのと一緒

ぼっちに「ぼっちらしい歌詞」を要求するリョウ

ぼっちはバンドのために初めて作詞をすることになった。自分を出しすぎると陰鬱な歌詞になってしまうからと、あれこれ思案した結果、売れ線の歌詞を書いて、作曲担当のリョウのところへ持っていく。リョウは歌詞にぼっちらしさを感じない、「個性捨てたら死んだも同然だよ」とやんわりとぼっちを諫める。リョウは前のバンドで揉めて、脱退した過去があった。そのバンドは青臭い歌詞だがリョウにとって好きな曲ばかりだった。しかしある時、売れ線の歌詞でいくと路線変更しだした。そのような音楽の方向性の不一致などがあって、メンバーと衝突し、リョウは脱退していた。「バラバラな個性が集まって 一つの音楽になって それが結束バンドの色になるんだから」とリョウはぼっちを諭し、再度歌詞の書きなおしを要求する。リョウの「自分の思うがままに歌詞を書いてほしい」というリクエストがなければ、結束バンドは違ったものになっていたし、曲の方向性を定めることができた重要なシーン。

「草を食べて生きていきます」

喜多は練習しても一向に上手くならない事を結束バンドのメンバーらに相談した。喜多はお小遣いを前借してまでかったギターを皆に見せる。しかしそれはギターではなく多弦ベースだったことが判明する。金銭的に買い替える余裕のない喜多は絶望する。それをみかねてリョウは喜多の多弦ベースを買い取ることにした。その結果、リョウは金欠となり「草を食べて生きていきます」と他メンバーに発言した。その発言を真に受けず冗談と受け取った他メンバーだったが、後に本当に草を食べてお腹を壊していたことが発覚した。日常的に金銭的にだらしなく、しばしばクズ扱いを受けるリョウだが、喜多のために身を削る思いをする姿は愛おしくもあり、ミステリアスなリョウらしいエピソードである。

喜多 郁代(きた いくよ)の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「バンドって第2の家族って感じしない?」

ひとりに何故バンドを始めようと思ったのか尋ねられた時に郁代の台詞。郁代は「バンドって第2の家族って感じがしない?」と言い、友達や恋人を超越した不思議な関係だとバンドへの憧れを語る。郁代のバンドへの想いを聞きひとりは郁代を結束バンドへと誘う。一度は逃げ出した郁代がふたたび加入し、結束バンドが本格的に始動する。

ぼっちを支えると誓う喜多

ぼっちを支えたいと心の中で誓う喜多

ぼっちの実力を間近に感じ、ギターではとてもぼっちにはかなわないと喜多は悟った。「私は人を惹きつけられるような演奏はできない。けど、みんなと合わせるのは得意みたいだから」、「これからももっとギター頑張るから教えてね!後藤さ…ひとりちゃん」と初めてぼっちを「ひとりちゃん」と呼んだ。性格が真逆の2人で普通なら接点を持たなかったかもしれない間柄だったが、バンド活動を通じて2人の絆が生まれた。そして、喜多はぼっちを支えられるようになろうと心の中で誓うのだった。ぼっちと喜多はギターの師匠と弟子の関係であり、かけがえのない結束バンドのメンバーとして心が通じ合っていることがうかがえる。

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