忘却バッテリー(漫画・アニメ)のネタバレ解説・考察まとめ

『忘却バッテリー』とは、みかわ絵子による野球漫画作品である。2018年より『少年ジャンプ+』にて連載が開始された。中学時代に無敵のバッテリーとして恐れられた清峰葉流火(きよみねはるか)と要圭(かなめけい)を中心に野球から遠ざかっていた天才選手たちが、野球の弱小高校にて偶然再会し、奮起していく姿が描かれる。記憶喪失となった圭を始めとしたユニークなキャラクター描写や、綿密に構成された野球シーンが魅力的な作品である。

清峰葉流火「圭じゃなきゃ俺の球は捕れない」

中学時代に無敵を誇った葉流火と圭のバッテリー。しかし圭が記憶を失った事により2人は強豪校のスカウトを全て蹴り小手指高校へと進学する。新設部の野球同好会へと入部する葉流火は、圭も誘うが、記憶を失った圭はルールも覚えてないとやる気を見せない。しかし葉流火は「圭じゃなきゃ俺の球捕れない」と圭を誘い続ける。それを見ていた山田は葉流火は圭とただ野球がしたいだけであり、そのために自分の野球人生の未来を投げ捨てた事を察する。バッテリーとして葉流火の圭に対する信頼が感じ取れる台詞。

藤堂葵「やる 1%でも可能性があるなら」

帝徳との練習試合に敗北した小手指高校は打倒帝徳へのリベンジを誓う。更なる練習に励む中で藤堂は中学時代の野球の経験からイップスにかかっている事を告白する。これまであらゆる手段を試したがイップスが直らない藤堂は遊撃手は別の人を探したほうがいいと考えるまで追い詰められるが、圭は気分転換としてワンパン送球で投げる練習を提示。イップスが治る保証もないが、藤堂は「やる1%でも可能性があるなら」とわずかな可能性を信じてその練習方法に挑戦する。仲間たちの協力や「遊撃手を代える気はないからできるようになれ」という葉流火の言葉もあり3日でワンパン送球をモノにしてイップスを克服する。

要圭「清峰葉流火という才能を万全な状態で未来に送り届けるんだ」

葉流火と出会い、最強のバッテリーとして甲子園に行くと約束した幼少期の圭であったが練習のキツさに音を上げてしまう。葉流火の才能なら1人でも大丈夫と思い、野球から遠ざかる圭。しかし久しぶりに見た葉流火が大人たちの意見によってその才能が捻じ曲げられつつあることを見た圭は、自分の意見の方が「絶対」に正しいと言ってしまう。絶対という言葉の重さに責任を感じた圭はその日から野球に真剣に向き合い「清峰葉流火という才能を万全な状態で未来に送り届けるんだ」と誓った。そして野球の練習と勉強に打ち込み、いつしか智将と呼ばれるまでになる。しかし葉流火を勝たせることに執着し精神的に追い込まれた圭は智将の人格を封印し、かつての人格に戻るのであった。葉流火に対する圭の期待や信頼を感じさせる台詞。

『忘却バッテリー』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

小手指の名称のゆらい

葉流火や圭たちの通う小手指高校のゆらいは、原作者のみかわ絵子が初めて上京して住んだ埼玉の地名から来ている。みかわは思い出深い場所であり、パッと見で読めない字面も気に入っていると語っている。

アニメオリジナル展開には原作者によるネーム提出がおこなわれた

『忘却バッテリー』のTVアニメには原作にはない多くのオリジナルエピソードが追加され、原作の描写の補完がされていると好評を博した。アニメの追加シーンには原作者であるみかわ絵子、試合制作の高嶋栄充による描きおろしのネームの提供が行われ、監督やシリーズ構成による脚本会議も原作者参加の元で行われた。原作者が深くアニメに関わる事で、違和感のなく原作ファンに納得のいくオリジナルエピソードの作成に成功したといえる。

集英社に許可を取った『ドラゴンボール』パロディ

原作において圭が母親に対し怒るシーンは、『ドラゴンボール』を彷彿させる描写として描かれていた。アニメ3話において同シーンが映像化された際には『ドラゴンボール』の絵柄や映像に近づけられよりパロディ色の強いものとなった。アニメの監督はXにおいて、公式に許可を得て映像化したと述べている。

『忘却バッテリー』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):Mrs. GREEN APPLE「ライラック」

若者を中心として絶大な支持を受けているバンドMrs. GREEN APPLEの9th配信シングル。作詞、作曲ともにボーカルの大森元貴が担当している。輝かしい青春だけでなく、その裏にある疎ましい青春をイメージした曲であり、幅広い層に語りかける楽曲。

ED(エンディング):マカロニえんぴつ「忘レナ唄」

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