まんまるポタジェ(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『まんまるポタジェ』とは集英社の漫画雑誌『YOU』で2015年2月号から連載されていた漫画で、家族の物語。作者はあいざわ遥。主人公の塔子はバリバリのキャリアウーマンだったが、過労で倒れた。夫のヒロは家族のために田舎に引っ越す。夫婦・親子、そこで出会う様々な人達との関係が深まっていく様子が描かれている。ほのぼのとした家族愛や人の優しさが感じられるのがこの作品の魅力である。全12巻。完結。

こばと幼稚園の園児。ハナと同い年。目の上の長さの前髪で、ウェーブのかかったロングヘアスタイル。年長の時に母親が担任の方針に意見をする。運動会のTシャツで黒を指定されたが、るりはは黒は着ないという。るりはは黒を切るのは嫌だが、母親がさえ先生に怒ることの方が嫌だと泣いていた。結局当日までに黒Tシャツを母がビーズなどで飾ってくれて、運動会に出ることになった。運動会が終わり、さえ先生のエプロンのポケットに「ありがとう」「だいすき」と書いた手紙をこっそりといれていた。

その他の登場人物

テディ

くまのぬいぐるみ。塔子が大事にしていた。田舎に引っ越したあと、ハナが押入れの中で見つける。テディは人と会話をすることができるが、テディのことを一番好きな人にしか、テディの言葉は聞こえない。そのため、ハナはパパとママと喧嘩したときだけ、テディの言葉を聞くことができる。男の子のくまだが、オネエ口調。かなりの毒舌だが、達観していて、ハナに良いアドバイスをくれることもある。良くハナに蹴飛ばされるが、ハナが寝るときはいつもテディと一緒。

木乃原塔子の母親(きのはらとうこのははおや)

塔子の母親。仕事が好きなバリバリのキャリアウーマンで、世界中を飛び回っている。初老で肩につくくらいのボブヘアーで前髪は斜めにわけている。夫とは離婚していてシングルマザーだったため、塔子の子育ては自分の父母に任せっきりだった。シングルマザーで仕事をせざるを得なかったが、塔子のことはとても愛していた。ある時、仕事でまとめて休みが取れたので、突然木乃原家に泊まりに来る。これまで仕事で忙しくて、娘である塔子にできなかったことを孫にしてあげたいと、ハナに世話を焼くが全部裏目に出る。子育てや畑作りなど田舎の暮らしを楽しんでいる塔子を見て、安心して、また仕事へ戻っていった。

木乃原 清香(きのはらさやか)

ヒロの義姉。ダイキとカズキという小学生の二人の息子がいる。前髪をセンターで分けておでこをだしている。ストレートのボブヘアスタイル。バリキャリで思ったことをはっきり言う正確。子供に好かれないし、好かれたいとも思っていない。突然塔子達の家に泊めてもらいたいと訪れるが、プロの味を毎日食べているからと、ヒロの料理を食べようとしない。夫や夫の両親が優しい性格で、子供たちを甘やかしてばかりいるので、自分が厳しくならざるを得なくなっている。自営業だけだと不安定だと思い、外で正社員として勤めている。自分ばかりがイライラして、それなのに夫も夫の両親もいつも穏やかで、それがいたたまれなくてヒロと塔子の元へ家出してきたのだった。塔子は元々バリキャリだったので、共感してもらえるかと思ったが、すっかり田舎でスローライフを送っていた塔子にがっかりする。しかし、畑仕事を手伝い、野菜を作る大変さや子供と一緒に何かをする良さにも気づく。豆苗ぐらいなら育てられそうと思い直し、家に帰っていった。

『まんまるポタジェ』の用語

ポタジェ

家庭菜園を意味するフランス語。果物、野菜、花、ハーブなどを混ぜて育て、食用としても実用的な上に見た目も美しいのが特徴である。本作品の中では、田舎に引っ越した先で塔子がポタジェ作りに奮闘している。地域の人達にアドバイスをもらったり、手伝ってもらいながら、なんとか形にしていった。

カフェきのはら

田舎へ引っ越してきて、ヒロが開いたカフェ。ビストロでの経験を活かし、フランス料理を提供しようとしていた。しかし、地域に住む人達は高齢の方が多く、和食も混じえながら、利用しやすさを追求していった。もとはアトリエだった物件をカフェに改装した。ヒロはDIYも得意なので、自分でもかなりの範囲を自分で改装している。

コンパニオンプランツ

近くで栽培すると互いにいい影響を与え合う2種類以上の植物のことを言う。共栄作物とも言う。たとえば、マリーゴールドは虫よけや駆除効果があり、大根やカブなどの根菜類と一緒に育てると効果を発揮すると言われている。塔子のポタジェにも取り入れていて、マリーゴールドが植えられている。塔子のポタジェには虫がたくさんついていて、取り切れなくて困っていた。そんなときに絵里がコンパニオンプランツを勧め、いろいろな組み合わせを教えてくれたのである。

『まんまるポタジェ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

木乃原ハナ「だってやさいいっぱいたべればママげんきになるんでしょ」

ハナとのトラブルがきっかけで、塔子は川沿いで、足を捻挫した。寝室で塔子は休んでいるので、ヒロとハナは二人で話している。ヒロはハナに自分の庭の畑で野菜を育てたいと思っていることを伝える。それを聞いたハナは、自分が野菜を育てたいとヒロに言う。店が起動に乗って余裕ができてからというヒロにハナは今すぐやりたいと強く訴える。ハナは「だってやさいいっぱいたべればママげんきになるんでしょ」と言った。ヒロはハナが自分のせいでママが疲れていたり、足をケガしたのだと思っていることに気づく。ヒロに頭を撫でられて、ハナはこらえていた涙がこぼれ落ちた。寝室で寝ながら二人の会話を聞いていた塔子は、二人の優しさに気づき、畑をやることを決意するのだった。

木乃原塔子「わたしヒロくんの作るものなんでもおいしいよ」

カフェのオープン前にヒロはメニューについて悩んでいた。これまでヒロはフレンチを作ってきたが、高齢者の多い地域の人達にフレンチの味は馴染みがなかったのである。地域の人達に喜んでもらえるものを作らないと意味がないので、メニューを再考するうちに自分が作りたいものがわからなくなってしまった。一人で抱え込んでしまい、塔子の手伝いをも拒んでしまったヒロは、反省して塔子に謝る。その後夫婦でゆっくりと話し、塔子はヒロに「わたしヒロくんの作るものなんでもおいしいよ」と言う。その言葉がきっかけで、ヒロは初心に返り、自分が作りたいものは塔子においしく食べてもらえるものだったことを思い出す。

木乃原ハナ「ママがげんきになるちょこのたねだったのに!!」

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