ブレス(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ
『ブレス』とは、2022年より講談社の『少年マガジンエッジ』で連載している園山ゆきのによる青春漫画。
メイクアップアーティストになる夢を持ち、モデルとして活動していた経験を持つ男子高校生・宇田川アイアと、幼い頃からモデルを目指すおとなしい女子高生・炭崎純が学園祭のコンテスト優勝をきっかけに「自分自身の夢」を叶えるため、挫折を繰り返しながらも成長していく様子を描く。周りに合わせて生きてきたアイアと純が、再び夢に向かって歩き続ける姿が眩しくも心打たれる青春物語。
『ブレス』の概要
『ブレス』とは、2022年より講談社の『少年マガジンエッジ』2022年2月号より連載を開始した園山ゆきのによる青春漫画。同誌にて2023年11月号まで連載され、『少年マガジンエッジ』の休刊後は、2024年2月から『月刊少年シリウス』で連載している。
書店員が選ぶガチ!マンガフェア2023に選出され、少年部門1位を獲得。同年には、『ブレス 韓国語版』が発売され、翌年の2024年には、「You Should Read This Manga 2024」のUnique Story/Art部門に選出されるなど日本だけでなく世界でも評価されている。
元モデルの経歴を持つ男子高校生・宇田川アイア(うだがわあいあ)と、幼少期からモデルを志す内気な高校生・炭崎純(すみさきじゅん)。2人は高校の学園祭で行われるアーティストコンテストで、モデル役とスタイリスト役に選ばれた。アイアはモデル役を嫌々引き受け、打ち合わせとして純のバイト先である中華料理屋に向かう。そこで、普段学校で見せている「大人しい女子高生」とは違う純の華麗なウォーキングを目にし、メイクの力で純の魅力を引き出すと決意する。学園祭当日に向けてメイクや衣装を考えているうちに、一度挫折したメイクアップアーティストへの気持ちが再熱していく。
一方、純は学園祭のコンテスト優勝をきっかけに学校でもシャンとするようになった。学園祭終了後に今後の進路について考え始め、周りのクラスメイトのすすめもあり、諦めたモデルとしての道を切り開こうと奮闘する。それぞれがお互いの「自分らしさ」を求め、夢への道を歩き始める青春物語。
『ブレス』のあらすじ・ストーリー
アイアと純の出会い
元モデルの男子高校生、宇田川アイア(うだがわあいあ)は周りから否定されることを恐れ、メイクアップアーティストになるという夢を諦めていた。一方、同じ高校のクラスメイトである女子高生の炭崎純(すみさきじゅん)も、母から教えてもらったウォーキングを続けていたものの、自身のそばかすだらけで高身長過ぎる見た目にコンプレックスを抱いており、モデルになるという夢を諦めていた。
2人に接点はなかったが、ある時、純は学園祭の実行委員兼アーティストコンテストのスタイリスト役に選ばれ、断り切れずに引き受けることになる。一方、アイアも学園祭のアーティストコンテストでモデル活動をしていた経験からモデル役に推薦され、周りの空気を読んで嫌々ながらも引き受けることになった。こうして学園祭のコンテストでコンビを組んだことをきっかけに、2人は接点を持ったのだった。
アーティストコンテストに向けて
学園祭のアーティストコンテストは、衣装・ヘアメイクを担当するスタイリスト役、モデル役の2人1組でランウェイを歩くコンテストである。ある時、純はアイアが密かにメイクを研究しているノートを発見した。そして、純が「宇田川君のメイクの力で私の魅力を引き出してよ」とアイアに提案したことにより、アイアがスタイリスト役に、純がモデル役になる。
コンテストのテーマ「変身」に沿って、純の魅力を最大限に引き出せるメイク・衣装・ヘアスタイルをラフ案を何度も書く。しかしメイクで純の魅力を引き出せず、物足りなさを感じていた。
純らしいアイテムを見つけるために、2人はデパートのコスメ売り場に出かけ、そこでモデル事務所が同じだった大屋輝(おおやひかる)に遭遇する。大屋に声をかけられ、純は彼のメイクアップショーにモデルとして参加することになる。
観客席で輝のメイクを見たことをきっかけに、アイアは純の魅力を活かすメイクを思いつくのだった。
アイアは「ひまわり」をコンセプトに、純の長身とそばかすを生かしてその魅力を最大限に引き出した。その結果、ランウェイは大成功をおさめ、2人は見事コンテストで優勝する。
それぞれの「夢」に向けて
学園祭のコンテスト優勝後、2人に進路希望について考える機会が訪れる。純のウォーキングを見ていたクラスメイトの一人から「モデルになったら?」と勧められたことをきっかけに、純の中に幼少期の夢が再熱し、オーディションを受けるなど本格的に夢への道を進み始める。
一方、アイアはコンテストで純にメイクをしたことをきっかけに、メイクの楽しさや自身のメイクに対しての情熱を自覚した。こうして2人は、それぞれメイクとモデルの道へ進む決意をしたのだった。
夢への壁の高さ
夢を叶えるためにメイクアップアーティストの夢に向かって歩み始めたアイアは、大屋からの電話で渋谷にあるメイクスクール「MIRROR」の存在を知る。アイアは自身のメイク技術を磨くため、「MIRROR」に通い、メイクを実践・勉強することになる。
しかし「MIRROR」には高い技術を持った精鋭たちが集まっていた。アイアは自身の才能のなさを痛感するものの、自身の夢に近づくために日々邁進する。
一方、純はオーディションを受ける日々を送っていた。学園祭のコンテストの際にアイアのメイクの力もあって「本当の自分」をさらけ出せたが、オーディションではそれが出せず、思うように結果が出ない。それでも、再熱したモデルへの道を諦めるつもりはない。
それぞれ、挫折を繰り返しながらも自身の夢を叶えるために進み続けるのだった。
『ブレス』の登場人物・キャラクター
主人公
宇田川アイア(うだがわあいあ)
中学時代にモデルとして活動していた経験を持つ男子高生。モデルとして活動していた時期にディレクターにメイクを提案するものの却下され、モデルはそんなこと考えなくていいと言われてしまう。さらに、ファンからも「アイア君はモデルだけで充分すごいよ笑」と言われた過去からメイクアップアーティストとしての夢を諦めた。
しかし、純にコンテストのためにメイクをしていくうちに再度夢への道を歩き始め、大屋輝(おおやひかる)からメイクスクール「MIRROR」(ミラー)を教えてもらい、生徒となる。
「MIRROR」で出会った才能のあるライバルたちに自分の才能のなさを改めて突き付けられるが、メイクの現場で技術を身に着けたいと強く思うようになる。
そこで、プロのメイクアップアーティストのアシスタントとして現場に行かせてもらえるように直談判しに行く、行動力溢れる人物。
また、メイクの方法や特徴などをノートにメモしている勉強熱心な性格。
炭崎純(すみさきじゅん)
顔のそばかすがチャームポイントの女子高生。しかし、学校ではそばかすが気になる人が多いことを気にして顔を隠す。
小学生のころから身長が高いことがコンプレックスに感じており、高校でも周りが怖がらないようにと周囲を気にして猫背で過ごしていた。
学園祭優勝後は顔を隠すことなく姿勢よく過ごすようになる。中華料理屋でアルバイトをしており、母から習ったウォーキングを、小さいころから続けている。
また、学園祭のアーティストコンテストでモデル役としてランウェイを歩く純を見たクラスメイトたちからモデルになることを勧められる。
そこから、再びモデルを志すようになり、オーディションに応募するなど行動力がある一面も。
MIRROR講師兼プロメイクアップアーティスト
大屋輝(おおやひかる)
人気のモデル兼メイクアップアーティスト。
純とアイアが通う高校のOBで、葵祭りアーティストコンテストの特別審査員を務めた。
アイアがモデル時代に同じ事務所に所属しており、メイクアップアーティストとしてアイアの憧れの存在。
メイクアップスクール「MIRROR」の創設者の1人で、アイアに「MIRROR」のことを紹介した張本人。
アイアと久しぶりに再会した際は、アイアを笑顔でバックハグするほどかわいがっている。
その面とは裏腹にはっきりと物事を言う性格でもある。
森ノ宮ヒロ(もりのみやひろ)
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目次 - Contents
- 『ブレス』の概要
- 『ブレス』のあらすじ・ストーリー
- アイアと純の出会い
- アーティストコンテストに向けて
- それぞれの「夢」に向けて
- 夢への壁の高さ
- 『ブレス』の登場人物・キャラクター
- 主人公
- 宇田川アイア(うだがわあいあ)
- 炭崎純(すみさきじゅん)
- MIRROR講師兼プロメイクアップアーティスト
- 大屋輝(おおやひかる)
- 森ノ宮ヒロ(もりのみやひろ)
- 有明(ありあけ)
- プロメイクアップアーティスト
- 代々木ギンガ(よよぎぎんが)
- 高槻秋彦(たかつきあきひこ)
- 雑誌編集長
- 森タダシ(もりただし)
- 「MIRROR」生徒
- 大崎ジョー(おおさきじょー)
- 皇したた花(すめらぎしたたか)
- 皇おろ花(すめらぎおろか)
- 中野明治(なかのあきはる)
- 田口はじめ(たぐちはじめ)
- 雑誌「ラメル」のモデル
- 東野花(ひがしのはな)
- 北山由紀子(きたやまゆきこ)
- 店長(てんちょう)
- 純の両親
- 炭崎より子(すみさきよりこ)
- 赤坂タクト(あかさかたくと)
- 『ブレス』の用語
- 葵祭(あおいさい)
- 葵祭アーティストコンテスト(あおいさいあーてぃすとこんてすと)
- 葵山高校(あおいやまこうこう)
- MIRROR(ミラー)
- U21ヘアメイクアップコンテスト(アンダー21)
- 『ブレス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 代々木ギンガ 「それはな希望に見せかけて残酷な言葉だ」
- 宇田川アイア 「僕は人を祝福するメイクがしたい」
- 北山由紀子 「考えたことある?いつか来る夢を諦める時のこと」
- 炭崎純 「裏切られたと思っても努力し続けた人の所にチャンスは降り立つって信じたいから」
- 大崎ジョー 「メイクって楽しいっすね!」
- 宇田川アイア 「笑われてもいい難しくてもいい僕はメイクアップアーティストになります」
- 『ブレス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 第1巻発売の2日後に重版決定
- 作者が影響を受けた漫画は『鋼の錬金術師』と『シャーマンキング』
- 斎藤朱夏や前田裕太も『ブレス』ファン