ブレス(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ブレス』とは、2022年より講談社の『少年マガジンエッジ』で連載している園山ゆきのによる青春漫画。
メイクアップアーティストになる夢を持ち、モデルとして活動していた経験を持つ男子高校生・宇田川アイアと、幼い頃からモデルを目指すおとなしい女子高生・炭崎純が学園祭のコンテスト優勝をきっかけに「自分自身の夢」を叶えるため、挫折を繰り返しながらも成長していく様子を描く。周りに合わせて生きてきたアイアと純が、再び夢に向かって歩き続ける姿が眩しくも心打たれる青春物語。

遅れてやってきた審査員の一人である大屋輝にメイクを施してもらい、もう一度ウォーキング審査のチャンスを与えられた純。
オーディション終了後に審査員の一人である学長に、「努力は簡単に人を裏切るけれど、励みなさい」と言われたことに対して、一緒に戦ってくれる人や応援してくれている人たちのために「それでも努力し続けたいです 裏切られたと思っても努力し続けた人の所にチャンスは降り立つって信じたいから」と学長に対して放った純の決意と覚悟を感じるセリフ。

大崎ジョー 「メイクって楽しいっすね!」

専門学校では自分のメイクが出来ず、周囲になじめず孤立していたジョー。六本木のクラブで自分のしたい「非日常を表現する」メイクをするものの、自分の好きなことを好きと言えない自分と、夜にしか輝けない自分に対して、自己嫌悪と孤独を感じていた。
六本木のバーで「六本木のクラブで変なメイクをしている奴がいる」とのうわさを聞いた高槻が、クラブでジョーのメイクを目にする。
その後、大量のごみ袋の上で寝ころんで壊れていたジョーを高槻が拾い、そこから高槻のアシスタントとしてジョーを現場に同行させるようになる。
ある日、ギンガの助手としてアイアが撮影現場に同行しており、そこで彼らに遭遇する。撮影終了後、モデルの東野花から北川と花にジョーとアイアがメイクを行うことを提案される。
ジョーは花に、アイアは北川にメイクをすることになる。そこで、アイアのメイクを目にした瞬間に触発され、自分の表現したいメイクを行った。
メイク道具の片づけをしている時に、高槻から今までアシスタントとしてやりにくかったことに対してジョーに謝罪する。しかし、ジョーは現場での立ち振る舞いやマナーなどを高槻から教えてもらい感謝していることを伝える。そして、これからも高槻についていくことを誓う。
そして、その場から立ち去る前に、高槻に対して「メイクって楽しいっすね!」とありのままの笑顔で、メイクの楽しさを感じていることを伝える。
メイクの楽しさが分からなくなり、壊れていた過去から生まれ変わった彼の姿を感じられるシーン。

宇田川アイア 「笑われてもいい難しくてもいい僕はメイクアップアーティストになります」

純のバイト先の中華料理屋の10周年記念パーティーにメイク担当として働くことになったアイア。店長から「西暦3000年のドラァグクイーン」をテーマにお客さん・従業員・店長にメイクをすることになる。その際に「どんな自分になりたいのか」を聞いてテーマから逸れることなくメイクをするように店長から依頼を受ける。
従業員・お客さん・店長それぞれが持つ要望を叶え、自身のプランを考えてメイクをしていくうちに「メイクの楽しさ」を感じる。
その後、ビンゴ大会が開催され、見事ビンゴになったアイアの景品が「黙っていたことをひとつ皆の前で発表する」というもの。
そこで、お店にいる全員に対して、メイクをすることが好きで楽しいとことを再確認できた。
そのうえ、ありのままの自分でいることが心地よいと感じたことを告白し、「笑われてもいい、難しくてもいい 僕はメイクアップアーティストになります」と自身の夢を打ち明ける。夢への挫折がきっかけで自分を偽って生きてきたアイアが、まっすぐに夢を語るシーン。

『ブレス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

第1巻発売の2日後に重版決定

『ブレス』第一巻が2022年8月17日に発売され、そのわずか2日後に重版が決定する。さらに1か月後には、第一巻が再重版されるほどの人気だった。
また、第二巻・第三巻・第四巻も重版が決定し、重版が決定するたびに作者である園山ゆきのは自身のXでお知らせを行っていた。

第一巻重版の際は、主人公・炭崎純のイラスト。第一巻再重版の際は、Toothという方が描いた主人公2人のドット絵が掲載された。
第二巻再重版の際は、主人公2人のミニチュア版のようなサイズの可愛らしいイラストを掲載。
第三巻重版の際は、代々木ギンガのイラスト、一巻・二巻重版のお知らせは中華料理屋の店長と従業員のイラストが掲載された。
累計発行部数が65万部と全巻重版決定の際には、ギンガのイラストが掲載された。

さらに街中では、2022年9月には渋谷駅に『ブレス』の広告が掲示された。翌年の12月8日から12月14日の期間には、JR新大久保駅にて『ブレス』の横断幕や柱広告が掲示されている。

作者が影響を受けた漫画は『鋼の錬金術師』と『シャーマンキング』

コミック担当書店員たちが運営しているWebサイト「コミタン!」にて、園山ゆきののインタビューが掲載された。
メイクが題材となっている『ブレス』だが、作者自身は小学生の頃から100円均一のお店のコスメ売り場を見たり、イベントがあると足を運ぶほどのメイク好きである。
漫画に触れるきっかけについては、両親が少女漫画雑誌の『りぼん』を購入したり、両親が共働きだった影響でスケッチブックに絵を描いていたなど幼少期から漫画に触れる機会は豊富にあったそうだ。
また、創作に影響を受けた漫画して、荒川弘の『鋼の錬金術師』、武井宏之の『シャーマンキング』を挙げている。漫画を描くきっかけになった作品が『鋼の錬金術師』、自身の創作のベースとなっている作品が『シャーマンキング』なのだと語っている。

斎藤朱夏や前田裕太も『ブレス』ファン

ABEMAの『MANGA VIBLE』にゲストとして出演した声優・アーティストの斎藤朱夏は、人生に影響を与えた漫画として『ブレス』を紹介した。また、Webサイト「アニメ・ダ・ヴィンチ」で2022年1月から2024年1月まで連載されていた「斎藤朱夏のしゅか漫画」でも、『ブレス』の魅力やおすすめする理由などを語っている。

さらに、お笑い芸人ティモンディの前田裕太がYoutubeチャンネル「本屋ついて行ってイイですか?」に第15回目のゲストとして出演した際に、おすすめの漫画の1つとして『ブレス』を紹介している。『ブレス』について、前田は、「メイクをテーマにした熱い少年漫画。自分も好きなことを邁進していこうという気持ちになる」と語っている。

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