インベスターZ(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『インベスターZ』とは三田紀房による漫画。2013年から2017年までの約4年間、講談社の『モーニング』誌にて連載された。また、2018年にはドラマ化もされている。北海道札幌市の私立道塾学園に伝わる秘密の投資クラブ「道塾投資部」を描いており、主人公の高校生・財前孝史が投資の知識と技術を学びながら成長していく本作品は、経済理論や投資戦略を取り入れ、教育と経済の重要性を訴えかけている作品である。

株式指数で、東証一部に上場している日本の銘柄のうち、代表的な225銘柄をもとに算出している。発行者は日本経済新聞社。

ロング・ショート

ロングは将来の値上がりを期待して株を買うことであり、ショートは将来のネガ狩りを期待して株を売ることである。

『インベスターZ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

神代圭介「誘惑に負けるヤツ ルールもロクに知らないのに首を突っ込むやつは 結局はカモになるんだよ」

月浜蓮に連れられて投資部の部室を初めて訪れた孝史。部員たちが遊んでいる麻雀を打つことになるが、麻雀初心者の孝史は負けてしまう。神代にカモだと言われるが、麻雀初心者なので負けるのは当たり前と開き直る孝史に向けて神代が言い放つ一言。「君は勝負という誘惑に引き込まれたんだ 単純に面白そうなゲームに飛びついた 誘惑に負けるヤツ ルールもロクに知らないのに首を突っ込むやつは 結局はカモになるんだよ」と勝負には知識、自制心が必要であることを教える。

神代圭介「自分の上に法則を置け 法則こそが神」

はじめて買った株に期待をする孝史。企業を応援したい感情から、もっと上がると予想する孝史に対して神代が「自分の上に法則を置け 法則こそが神」と伝える。ビギナーズラックは続かず、継続して勝つためには戦略と法則を守らないと勝てないことを教える。

堀江貴文「成功って実はものすごく簡単、やればいいだけのこと」

不老不死のビジネスアイデアを叶えるべく、堀江にプレゼンを行い出資をお願いする京都大学の中川。そこで出資の条件が掲示され、その一つである東京から札幌まで財布と携帯を持たずに43時間半で移動することを達成する。堀江は、「成功って実はものすごく簡単 やればいいだけのこと、世の中にはやらないヤツがいかに多いかってことさ…...」とビジネスにおいて一番大切なものとは、判断力でもアイデアでもなく、行動力であることを孝史たちに教える。

『インベスターZ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者「三田紀房」が漫画を描き始めたきっかけはお金のため

『インベスターZ』や『ドラゴン桜』など数々のヒット作を生み出した作者「三田紀房」が初めて漫画を描いたのは30歳である。大学卒業後は西武百貨店でサラリーマン生活を送った後、地元の稼業を継ぐことにした。しかし、ちょうどバブル経済が始まったころで、地方の個人商店は赤字が続く大変な状況。稼業の衣料品店も赤字続きの状態で、目に留まったのはマンガ誌の新人大賞100万円。そこからマンガを描き始めたのである。

Windowsよりも先にOSの開発に成功していた日本

道塾学園投資部が運用する総資産3000億円の資産のうち、約半分を占める大企業の株と金庫の財産。孝史は金庫の財産を売却してベンチャー投資を行うと藤田家の現当主・藤田繁富のもとへ直談判に向かう。そこで孝史は、ベンチャー投資を行う理由は「アメリカに負けたくない それだけです」と伝えた。孝史が一番口惜しいこととして挙げたことが、パソコンの基本ソフトの開発競争で日本がアメリカに敗れたことなのである。現在の世界基準となっているパソコンのOSはWidowsであるが、この躍進のきっかけは1995年に発売されたWindows95にあると言われている。しかし、1980年代にWindowsより10年進んでいたといわれるOSの開発に日本人が成功していた。そのOSはトロンといい、実用化まであと一歩のところまで開発は進んでいたのだが、米国、日本のテレビ局マスコミの力によってその技術を放棄したといわれている。

日本社会ではリスクを避ける必要があったため日本人はお金に弱い

孝史の曽祖父・財前龍五郎が道塾投資部の候補生として1学年年下の原を勧誘していたが、投資を行う趣旨への疑問から入部の承諾が得られない状況だった。なぜなら、原は父親から「お金は不浄なものである 自ら望んで求めてはいけない」と教えられていたからである。龍五郎は原に対し、「"金は汚いもの”この思想を昔国にばらまいたヤツがいる…ある目的のために」と徳川家康が思想をばらまいたと説く。織田信長が「本能寺の変」で討たれた時に自分の身にも危険を感じ、領地まで急いで戻る道中、懸命に考え抜いて出した答えが「国全体を"そこそこ貧乏"な状態で当時釣ること」という「お金は汚いもの」という思想を広めることだったと伝えている。
その後、バブル崩壊等の経済危機も経験してきていることで、日本の社会ではリスクを避けることが重視され、安全な選択をする傾向が日本人は「お金に弱い」とされる背景の一つである。

『インベスターZ』の主題歌・挿入歌

OP(オープニング):UVERworld『EDENへ』

作詞・作曲:TAKUYA∞・Chris Wallace・Drew Ryan Scott 編曲:Chris Wallace
2018年11月7日発売の『GOOD and EVIL / EDENへ』収録曲。

maayamac705
maayamac705
@maayamac705

Related Articles関連記事

ドラゴン桜(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

ドラゴン桜(漫画・ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『ドラゴン桜』とは、2003年から2007年に講談社の『モーニング』で連載された、元暴走族の貧乏弁護士を主人公にした受験がテーマの漫画及び、それを原作としたドラマ作品である。偏差値36の龍山高校は落ちこぼれや不良ばかり集まる。弁護士の桜木健二は、受験のノウハウや心理的なテクニックを使い、龍山高校から東大合格者を出すことを目標に挑む。実用的な勉強テクニックであることから、学生のみならず親世代からも人気が高い。理論に基づいた正しい努力をすることで誰もが成功者になれるというメッセージが込められている。

Read Article

マネーの拳(三田紀房)のネタバレ解説・考察まとめ

マネーの拳(三田紀房)のネタバレ解説・考察まとめ

『マネーの拳』とは2005年から2009年にかけ『ビッグコミックスペリオール』(小学館)で連載された三田紀房による漫画である。元ボクシング世界フェザー級王者の主人公が引退後、会社を興すもののそれを手放し、新たに会社を立上げ、様々な障壁を乗り越え、やがて東証一部上場を果たすというサクセスストーリーである。東証一部上場に昇り詰めるまでの過程での主人公や従業員の仲間達、ライバル、その他の利害関係者らの描写はリアリティを感じさせ生き生きとしており、経営に関する名言やヒントが満載の作品である。

Read Article

Dr. Eggs(ドクターエッグス)のネタバレ解説・考察まとめ

Dr. Eggs(ドクターエッグス)のネタバレ解説・考察まとめ

『Dr. Eggs』とは2021年9月から『グランドジャンプ』に掲載されている三田紀房による作品で、山形県の国立大学医学部を舞台とし、医学の勉強と大学生活を描いた群像劇である。高校の先生に勧められるがままに出羽医大へ入学した主人公の円千森が教授達の指導や助言で徐々に医学に興味を持ち、厳しい医学部生活を乗り越えていき、仲間たちとの連帯感や支え合いを感じながら成長していく物語である。円千森を中心とした学生たちの学業の奮闘やサークル活動、恋愛、アルバイトなどのスクールライフが生き生きと描かれている。

Read Article

目次 - Contents