Hades(ゲーム)のネタバレ解説・考察まとめ

『Hades』は、海外のインディーゲームスタジオであるSupergiant Gamesが開発・販売を手掛けるローグライク・アクションゲーム。2021年に正式版がリリース、同年に日本語ローカライズ版が発売されている。
ギリシャ神話を舞台に、冥界神ハデスの息子である王子ザグレウスが冥界から地上へと脱出する旅の過程が描かれる。
スタイリッシュなアクション、ランダムに変化する飽きのこない戦闘要素に加えて、個性的なオリュンポスの神々との間で織りなされるストーリーも魅力の1つだ。

本作のクリエイティブディレクターであるグレッグ・カサヴィンにより、ローグライク・アクションゲームを制作することから開発がスタートし、プレイヤーが倒されると最初からやり直しになるローグライク・アクションゲームを繰り返し、飽きないようにプレイヤーに遊んでもらうために、倒される度に展開する膨大なストーリー、ランダム性を持たせた戦闘など、様々な工夫を行ったことが各紙・販売サイトで語られている。

ロマンス対象となるキャラクターとロマンスの発生条件

本作では、特定のキャラクターの好感度を上げることで、ロマンス要素に発展する者がおり、恋愛シミュレーションゲームの要素が盛り込まれている。

ロマンスに発展するキャラクターは、メガイラ、デューサ、タナトス、アフロディナの4人であり、それぞれダンジョン内で拾ってきたアイテムを渡すなどの特殊な条件を満たすことで、ロマンスを発生させることができる。

ギリシャ神話の世界観がうまく落とし込まれた本作

本作は、ギリシャ神話がモチーフとなっており、いたるところでそのパロディがなされている。

まず、ギリシャ神話における輪廻転生の概念が、ローグライク・アクションゲームにおける死んだらまたやり直しというゲームシステムに落とし込まれている。

ギリシャ神話においては、ハデスがペルセポネに一目惚れし冥界に連れ去さられ、さらにハデスがペルセポネにざくろを食べさせたことで、冥界の食べ物を食べた者は冥界に属するという神々の取り決めのもと、食べたざくろの数だけ地上に戻ることが叶わなくなったとされており、季節の女神であるペルセポネが冥界にいる間が、地上に実りをもたらさない、現実世界における冬であるとされる。このざくろについても、本作では、地上で生活しているペルセポネが育てているものとして、描かれている。

ギリシャ神話において著名なのは、トロイア戦争におけるアキレウスとその戦友であり恋人でもあったパトロクスの死に関する物語であるが、こちらについても、本作では、アキレウスの好感度を上げた際のイベントとしてその一部が語られることになる。

なお、本作の主人公であるザグレウスは、ギリシャ神話においてはマイナーな神であるが、ハデスとペルセポネの間に息子がいたら面白いという発想で主人公に抜擢されたことが、開発者インタビューにより語られている。

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