この世界の片隅にの料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物まとめ

『この世界の片隅に』はこうの史代原作の漫画である。2007年から漫画雑誌『漫画アクション』で連載され、2008年には単行本も発売。テレビドラマやアニメ映画などメディアミックス作品も多数展開されている。広島から軍港の町・呉に嫁いだ浦野すず/北條すずが、第二次世界大戦のまっただ中でささやかな日常をしなやかに生きる姿を描く。すずの手料理には詳細なレシピが描かれているものもあり、当時の食生活をうかがい知ることができる。

『この世界の片隅に』の概要

『この世界の片隅に』は、こうの史代による漫画およびそれを原作とするドラマやアニメ映画などのことである。2007年から漫画雑誌『漫画アクション』で連載が始まり、翌年には単行本も発売された。その後、2回にわたってドラマ化されたほか、2016年には片渕須直監督によるアニメ映画の上映が始まる。映画の興行収入は15億円にものぼり、「第90回キネマ旬報ベスト・テン」、「第71回毎日映画コンクール」、「第41回アヌシー国際アニメーション映画祭」などで数々の賞を受賞した。

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料理・食事・食べ物・お菓子・飲み物

広島市で生まれ育った浦野すず(うらのすず)は、軍港の町・呉市の北條周作(ほうじょうすず)と結婚。おっとりとした性格で周囲からは「ぼんやりした嫁だ」と言われるすずだが、戦時下で物資がどんどん減っていく中、知恵と工夫でしなやかに日々を送る。すずの作る手料理の数々もこの作品の見どころの1つである。中には料理の手順が詳しく描かれているものもあり、漫画を参考に料理を実際に作るファンもいた。

『この世界の片隅に』の料理・食事・食べ物・飲み物

すずの手料理

芋団子

芋団子を作るすず

第8回『19年5月』に登場。嫁ぎ先の呉で新生活が始まり、主人公の浦野すず(うらのすず)は近所に住む知多、刈谷、堂本らと隣組に参加する。特に刈谷は限られた食材でも作れるレシピをすずに教え、そのうちの1つが芋団子である。蒸したさつまいもとゆでたすぎなを小麦粉と一緒に混ぜたもので、作中ではすずと義理の母・北條サン(ほうじょうさん)が囲んだ。余った分は干して保存している。

春の雑草おかゆ

春の雑草おかゆのレシピ

第8回『19年5月』に登場。刈谷がすずに教えたレシピの1つで、たんぽぽの葉と根、だいこんの皮まで余すことなく使い、玄米にじゃがいもやはこべも混ぜている。北條家の4人で囲む食卓に並び、「たんぽぽにがー」という夫・北條周作(ほうじょうしゅうさく)に義理の父・北條円太郎(ほうじょうえんたろう)が「苦いんが栄養なんじゃろう」と答えている。

楠公飯(なんこうめし)

楠公飯は楠木正成に由来する

第8回『19年5月』に登場。米の配給が減っていく中、「米を増やす炊き方」として知られたレシピ。米をよく炒った後、3倍の水で弱火で炊き上げる。一晩寝かせて再び沸騰させると米が膨らんで量が多く見えるため、節米レシピとして当時広く知られたレシピだった。周作らも久しぶりに茶碗いっぱいに盛られたごはんを見て喜んだが、食感が悪く不評だった。

代用飯

代用飯を食べる北條家の人々

第19回『19年11月』に登場。「代用飯」というのは特定の料理の名前ではなく、米の代わりに主食として食べられていた麺類やパン類、イモ類のことである。作者によると当時の日本人は何よりも米が大好きで、代用飯としてうどんを食べている北條家の人々も「やっぱし代用飯は冴えんねえ」と嘆いている。

お菓子・果物

森永ミルクキャラメル

人さらいの手にキャラメルを置く周作

『冬の記憶(9年1月)』に登場。広島市内に広島市内に実家の海苔を届けに行ったすずは、怪物のような人さらいに遭う。すずは人さらいが背負う籠に放り込まれたが、そこには同じくさらわれた少年がいた。「夜になるとえらいことになる」という人さらいの言葉を聞いたすずは、人さらいにもらった望遠鏡に海苔を貼り付け、それを人さらいににのぞかせる。夜になったと勘違いした人さらいはそのまま眠ってしまった。無事に籠から脱出した2人だったが、去り際に少年が「ばんめし抜きは気の毒」と人さらいの手に握らせたのが、森永のミルクキャラメルだった。この少年はのちにすずと結婚する北條周作である。

スイカ

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