僕の心のヤバいやつの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『僕の心のヤバいやつ』とは、桜井のりおによる漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品。日々殺人の妄想をしている中二病な中学2年生「市川京太郎(いちかわきょうたろう)」は、クラスのマドンナ的存在である美少女「山田杏奈(やまだあんな)」に特別な感情を抱いていた。ひょんなことから山田の意外な一面を垣間見た京太郎は次第に彼女と打ち解けるようになり、二人は次第に恋仲になっていく。本作には切なく甘酸っぱいエピソードやセリフが数多くあり、多くの読者を魅了し続けている。

京太郎を看病する山田

放課後、山田の忘れ物を届けるために雨の中を京太郎は走った。傘もなしに走ったせいで、風邪をひいてしまった京太郎。熱でもうろうとした意識の中、山田が看病に来る。風邪で幻覚か現実かもわからないまま、山田に看病される京太郎。「なんで山田がここに… ずいぶん…リアルな夢だ」と京太郎は思う。京太郎にとってまさに夢のようなシーン。

「だから…要するにその…楽しかった…んだと思う…」

京太郎は山田からマンガを借りて帰るだけの予定だったが、ショッピングやカフェに付き合うことになる。終始、山田のペースだったが、京太郎は楽しいひと時を過ごすことができた。それははたから見ればデートともとれなくもない。
京太郎は「僕はお人よしでもないし、頼み事を断れないタイプでもない」という。死ねと思ったら死ねと言うし、嫌なことは嫌だと言う。
そう自負する京太郎がデートの締めくくりの言葉として「楽しかった…んだと思う…」と素直な言葉を山田に述べた。
京太郎は自分のことが分かっていて、山田と自分が全く違う存在だとわかっている。普段使っている一人称の「俺」ではなく「僕」という一人称を使用したことからも、この言葉が京太郎の本心からでた言葉だということがわかる。

「そうか…『ありがとう』これを言いたかったんだな」

三学期が始まったころ、教室に行く前に校舎裏で京太郎と山田は密談する。
京太郎が一年のころはあまり学校に行きたくなくて、しょっちゅう休んでいたことを山田に話す。ときには嘘をついて学校の行事を休むこともあった。しかし、最近は学校が嫌いではなくなっている。それは山田のおかげだということを打ち明ける。
山田はそっと京太郎を抱き、頭をなでる。
他人に自分の胸の内を知られるのは京太郎にとって恐怖だった。自分が学校になじめないのは中二病という鎧をかぶっているからだと、中二病を理由にすれば楽だった。
京太郎は「ありがとう」と山田に感謝の言葉を告げる。その時、「そうか…『ありがとう』これを言いたかったんだな」と京太郎は思った。山田と打ち解け、京太郎の中で確実に良い方向へ変わりつつあることがわかる名シーン。

「山田は俺のだ」

神崎&原ペアとでWデートをした京太郎と山田。4人が合流する前、京太郎と原が合流し、2人で山田のプレゼントを試案していた。そのことで神崎が京太郎に嫉妬心を抱くことになったのだが、実は神崎と山田もまた、同じように2人でプレゼント選びをしていたことが発覚。山田をほめる神崎に京太郎は嫉妬し「山田は俺のだ」と宣言する。普段は好きな気持ちを口にしない京太郎。意外な一言に思わずドキッとさせられる名シーン。

「それでも信じてみたくなった奇跡を自分を」

バレンタインデーのチョコづくりのために山田邸に招かれた京太郎。山田の女友達である関根萌子(せきねもえこ)、吉田 芹那(よしだせりな)、小林ちひろもチョコづくりに加わる。山田の母は京太郎を見てやや訝しむ。家に男友達を招いたことに、彼氏ではないのかと勘ぐっていた。有名人の子供の母親ということもあり男関係には少々神経質なのだ。その空気を察して、関根は京太郎は自分の彼氏だととっさに嘘をつく。
しばらく関根の彼氏のフリをしていたが、どうにも山田の視線が痛い。それにこのまま母親に誤解されたままでいたら、万が一、山田の彼氏になった時の自分の心証が悪くなる気がした。そこで、京太郎は思う。自分にとって山田は遠い憧れの存在で高嶺の花だ。そんな自分が彼氏になることなどあり得るのだろうか。玉砕覚悟で傷つくのは自分だ。「それでも信じてみたくなった。奇跡を。自分を」と京太郎は関根とは彼氏でもなんでもないことを山田の母親に弁明する。
後ろ向きで自分に自信のない京太郎が前向きに山田との恋を享受しようという意気込みが感じられる名シーン。

「でも逃げ出さない。もう…光と出会ったから。大丈夫」

京太郎は在校生代表として卒業式に送辞を送ることになった。事前に考えていたスピーチの内容をメモに書き留めていたが、当日に家に忘れてきてしまう。京太郎の姉に連絡をとり、メモをとりに来てもらうように言ったが間に合わない。背水の陣で京太郎は送辞の言葉を連ねる。序盤は暗記していたが、後半は完全に即興だ。それは、自分自身の実体験をもとに卒業生を鼓舞するものだった。自分に自信がもてなくて、様々な困難に心が折れそうになる。「でも逃げなさない。もう…光と出会ったから。大丈夫」と力強い言葉で締める。光とはつまり山田の事だ。実質、山田に対する感謝の言葉ともとれる言葉であり、山田もそれが伝わったようだった。心を動かされる名シーンである。

いろんな山田を知りたくなった京太郎

ひょんなことから京太郎は山田と映画館デートをする。普段映画館で映画を見慣れていないせいか、京太郎は映画の途中で眠ってしまう。山田に耳元で起こされる。しかも映画ではキスシーンというラブコメ展開が繰り広げられている。京太郎は思わずドギマギしてしまう。
そんな京太郎とは対照的に、山田は真剣にスクリーンを眺めている。
同じものを見ているはずなのに、まるで見えているものが異なっているようだ。それは京太郎にとってショックだった。手の届く存在になりかけていたはずが、また遠くにいってしまったように感じてしまう。再び手の届かない存在になってしまうことが恐怖でしかなかった。映画が終わり、だが、京太郎の知らない景色を語る山田は美しく魅力的にも思えた。
住んでいる世界が違い、人それぞれに見ている世界がある。その違いを知ることは難しくもあり、楽しくもある。そのことを実感した京太郎はますます山田のことを知りたくなった。

「ふざけるな!!本気でやれ!!!僕は本気だぞ 本気で山田が好きだ お前なんかよりもな!!!」

ある日、山田に密かに想いをよせている足立が山田と恋仲になりつつある京太郎に対し宣戦布告した。体育祭の騎馬戦で決着をつける。この勝ち負けに意味はない。譲れない男と男の戦いである。
騎馬戦の最中、足立は「山田が好きであること以上に、京太郎がいい奴であると思っている、だから俺は負けている」、「負けるときはみっともなく負けたい」と弱腰になっていた。
そんな足立に京太郎は憤慨する。
「ふざけるな!!本気でやれ!!!僕は本気だぞ 本気で山田が好きだ お前なんかよりもな!!!」といつになく怒号をあびせる。
京太郎もまた足立の想いに真剣に答えたいという気持ちがあった。お互いが「いい奴」で友達想いなのである。
そんな熱い友情が垣間見える名シーン。

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