僕の心のヤバいやつの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『僕の心のヤバいやつ』とは、桜井のりおによる漫画、およびそれを原作としたアニメなどのメディアミックス作品。日々殺人の妄想をしている中二病な中学2年生「市川京太郎(いちかわきょうたろう)」は、クラスのマドンナ的存在である美少女「山田杏奈(やまだあんな)」に特別な感情を抱いていた。ひょんなことから山田の意外な一面を垣間見た京太郎は次第に彼女と打ち解けるようになり、二人は次第に恋仲になっていく。本作には切なく甘酸っぱいエピソードやセリフが数多くあり、多くの読者を魅了し続けている。

『僕の心のヤバいやつ』の概要

『僕の心のヤバいやつ』とは、桜井のりおによる漫画作品。2018年から『週刊少年チャンピオン』で連載が開始された。2023年4月にシンエイ動画株式会社によってアニメ化され、2024年1月より第2期の放送が決定している。
中二病で陰キャな中学二年生市川京太郎とクラスのマドンナで陽キャな山田杏奈との恋模様を描く学園ラブコメディ漫画。ギャグマンガで知られる桜井のりおが描く独特のギャグセンスと恋愛の物語は、多くの読者の共感と心を動かしている。宝島社が開催している「このマンガがすごい!2020」において、オトコ編3位に選出され、多くの男性読者からの支持を得ている。作者の桜井のりおにとって初の恋愛漫画。

中学2年生の市川京太郎は、中二病をわずらう妄想癖のある陰キャ男子だ。周りの人間は自分を見下していると思い込み、誰かを殺す妄想をしたり、殺人に関する本を読んで過ごしている。中でもクラスのマドンナ的存在の美少女、山田杏奈に対しては特別な感情を抱き、殺したいという願望が強かった。いつでも殺せるようにカッターを常備しているほどだ。
そんなある日の昼休み、京太郎は図書室で大きなおにぎりをほおばる山田を目撃する。飲食禁止であるにもかかわらず、山田はおにぎりやポテトチップスをむさぼっていた。完全無欠な美少女山田の意外な一面を垣間見て、京太郎は山田にますます惹かれていく。かつて抱いたことのない特別な感情に戸惑いつつ、京太郎はひたむきに山田と向き合おうとする。そんな京太郎に山田も惹かれ始め、次第に二人は恋仲になっていくのだった。
奥手で不器用な京太郎と天然で独特の思考を持つ山田との恋愛物語は、思わずニヤニヤしてしまうエピソードや胸ときめくセリフが多数ある。クラスメイト達もキャラ立ちしていて、京太郎と山田の恋をアシストするなど心温まるエピソードも多い。

市川京太郎の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「僕は頭がおかしい」

中二病をわずらう京太郎はクラスでも浮いた存在だった。休み時間には殺人に関する書物を読み、人を殺したい欲求を必死で抑えている。そんなことも知らずにクラスメイト達はいたって平和な毎日を過ごしている。いつ、その平和が自分の手によってめちゃくちゃに壊されてしまうのだろうと思うと京太郎は自分が怖くなった。
特に学校一の美少女・山田には強い殺意があった。山田のきれいな顔が苦痛に歪む姿が見たくてたまらない。山田は死体になっても美しいにちがいない。その身体を自分のものにしたいなどという密かな願望もある。
そんな妄想をしては自己嫌悪する姿を客観視して、京太郎は「僕は頭がおかしい」と卑下した。
危険な思想をもってはいるが自己嫌悪に陥り、自分を卑下するというのは陰キャで自信がない京太郎の性格をよくあらわしている。

山田を守るために起こした京太郎の奇行

芸能人でありモデルでもある山田はとあるファッション雑誌に掲載された。本屋にくる客に自分が載った雑誌を山田は必死にアピールし、サインの用意までするが見事に無視されてしまう。そんな一連の行動を見てはツッコミを入れていた京太郎は、興味本位でその雑誌をこっそり購入して帰った。雑誌に掲載された山田はどこか浮世離れしていて、到底自分とは釣り合わない存在だと京太郎は思ってしまう。
次の日の登校時、学校の先輩の南条にしつこく口説かれている山田の姿があった。その様子を見て、京太郎は初めのうちはどうでもいいと見て見ぬふりをしていた。山田は南条の言葉をうまくかわしていたが、南条は引き下がらない。南条は山田の手を取り、この気持ちは真剣だということを伝える。
どうでもいい、放っておけばいいという心の声とは裏腹に京太郎はいてもたってもいられなかった。
「僕は頭がおかしいのか?」と気づけば体が勝手に自転車を投げていた。自転車は山田と南条の脇を通り過ぎ、川へと転落していく。この一件がきっかけで京太郎と山田は行動を共にする機会が増えた。

「僕は山田が好きなんだ」

体育の授業中、山田はバスケットボールを顔面に受けて鼻血を出してしまう。京太郎は山田を気にかけてこっそり後をつける。保健室のベッドの下で息をひそめていると、山田は電話口で母親と何やら話をしている。ドラマのオーディションを予定していたが、鼻を負傷してしまったために中止になってしまったのだ。ただひたすらに謝り涙を流す山田。京太郎の目からも自然と涙が流れる。そのポケットから落ちた定期入れの中には、とある落書きが入っていた。それは、以前京太郎が自身の妄想の世界で登場する女キャラクターの絵で、なんとなく山田に似てしまった落書きだった。京太郎はその時「僕は山田が好きなんだ」と山田に想いをよせていることをはじめて自覚する。天邪鬼だった京太郎の心が少しづつ変わっていく名シーン。

涙ながらに謝る山田を許した京太郎

図書室で京太郎と山田はいつものように他愛のないやりとりをしていた。その時、南条に密かに想いを寄せている女生徒「間宮」が図書室にきた。やたらと南条に気に入られている山田の事を知っていた間宮は山田を質問責めする。
彼氏はいるのか、という問いに対し山田はいないと言い切った。間宮は山田が芸能人であることも知っていたため、体裁を保つための嘘ではないかと冗談めかして言う。それに対し山田は「ホントにいないです」と叫んだ。すかさず山田は、自分は彼氏がいないことを京太郎にも必死に訴える。その一連の行動から間宮は山田と京太郎の関係を察し、去っていった。
すると今度は南条を連れて戻ってきた。山田は南条の姿を見るなり、京太郎に異様に顔を近づけ始めた。京太郎とのただならぬ関係を南条先輩に見せつけるためだ。南条をけん制するために自分は利用された、と京太郎はショックを受ける。
しばらく京太郎は山田と距離を置いていたがあるとき、山田に呼び止められた。山田は涙ながらに京太郎に謝る。
京太郎はハッとした。山田が他人を貶めるようなことをしない純粋な子だということを京太郎はわかっていた。京太郎は山田を許した。京太郎は過去の自分を思い返し「本当は欲しくてたまらないのに、どうせ手に入らないから嫌いになる理由が欲しかったんだ」と納得した。どんどん山田を好きになるのが怖くて、疑心暗鬼になっていた自分に気づく。京太郎と山田の絆がより強まったエピソードである。

「それでも僕はこいつがこんなにも好きだ」

図書室での飲食は禁止されているにもかかわらず、山田は密かに図書室でお菓子を食べている。ゴミ箱からお菓子の袋がたびたび発見されたことで、先生から注意喚起がなされていた。その忠告にもお構いなしに山田は京太郎の目の前でチョコをほおばろうとする。そこにタイミング悪く先生が通りかかり、京太郎は山田の手をとる。それはとっさにでた行動だった。「それでも僕はこいつがこんなにも好きだ」と京太郎は心の中でつぶやく。山田は赤面し、二人の距離が縮まるとともに、京太郎の山田に対する想いがよくつたわってくる名シーン。

「授業中…山田しか見えない」

クラスの席替えで京太郎は山田の後ろの席になった。隣はクラスメイトの女子、「原」だ。
黒板をみるときにどうしても山田が視界に入ってしまう。そして、背が低い京太郎は背の高い山田の陰に隠れてしまい、黒板が見えない。困った京太郎は原にノートを写してもらうことにする。だが山田は、京太郎と原が仲良くしている事が面白くなく、「自分はいいんだ…」と拗ねてしまう。京太郎はなぜ山田が面白くなさそうな顔をしているのかがわからない。
山田がでかいから黒板が見えないとは言えない。山田は、隣が原でよかったねと嫉妬でいっぱいの言葉を並べる。京太郎は少し困惑し、一呼吸間をおいて「授業中…山田しか見えない」と言った。その言葉に山田は驚きの表情を見せる。
それは愛の告白ともとれる言葉だったからだ。無論、京太郎はそんなつもりで言ったわけではなかったが、京太郎もあとからになって自分の放った言葉がとんでもない意味をはらんでいることに気づいた。お互い意識しあってしまい、二人は顔をそむけるしかなかった。お互いの気持ちが思わぬ形で表れてしまった面白いシーン。

はぐれないように京太郎のリュックに抱きつく山田

学校の社会科見学に来た京太郎と山田。関根や足立をはじめとするクラスメイト数人とグループになり行動を共にしていた。しかし、移動の最中、京太郎と山田はグループとはぐれてしまう。落ち込む山田に、京太郎がグループの皆に断りもなく勝手にトイレに行ってしまったのが原因だと、自分が悪かったと山田に詫びた。
京太郎と山田は学校に戻るために電車に乗る。再びはぐれてしまわないように、山田は後ろから市川のリュックにしがみついた。突拍子もない行動に京太郎も動揺を隠せない。人懐っこく天然な山田と、あまり他人や異性に免疫のない京太郎の反応が面白い。

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