夏目友人帳の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『夏目友人帳』とは、緑川ゆきにより2007年から『LaLa』で連載が開始された漫画作品。2008年からテレビ東京系列でアニメ放送が開始した。幼いころから妖を見ることができた高校生の夏目貴志が自称用心棒のニャンコ先生と共に、妖や人との出会いと別れを繰り返す和風ファンタジーである。時に叙情的に、時に人間ドラマ的に語られる物語では、人の心に残る優しい言葉や悲しい言葉が多く登場する。

妖関連で顔色が悪かった夏目に、押し付けられた文化祭の接客係が嫌なのかと勘違いした西村は「せっかくなんだし、お前がちゃんと楽しいのがいいんだ。本当に嫌だったらちゃんと言え、夏目」と伝えた。

夏目にとって西村悟は初めての友人であり、よく一緒に遊ぶ仲の同級生である。
文化祭の準備が進む中、妖から狙われるせいで夏目は顔色の悪い状態が続いていた。
そんな夏目の様子に西村は、クラスの出し物のバザーの接客係が本当はすごく嫌なのではないかと心配し、もう1人の共通の友人である北本とともにわざわざ夏目の家を訪ねてきてくれた。
心から夏目を心配する西村の、優しく友人思いな一面がよくわかる言葉である。

露神の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「一度愛されてしまえば、愛してしまえば、もう忘れる事など、出来ないんだよ」

人々の信仰が薄れ始め小さくなってしまった露神に住処を移すようにアドバイスしたレイコに対して、最後まで自分を信仰してくれたおばあさんを愛した露神は「一度愛されてしまえば、愛してしまえば、もう忘れる事など、出来ないんだよ」と返した。

露神は元は宿無しの妖だったが、たまたま人の信仰を得て力を増していた。
しかし時が経つにつれてその信仰は薄れていき、このまま人の信仰が無くなればその存在事消えてしまう運命にあった。
それが分かっていても信仰を得るために場所を移すこともなく、露神は今まで見守っていた人々の傍で、最後まで自分を信仰してくれたハナさんというおばあさんとともに消えることを選んだのだった。
そして別れを悲しんだ夏目が自分が信仰すると告げても、君は友人だからとやんわりと断り、ハナさんの終わりと共にお礼を言いながら消えていった。

ヒノエの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「自分を大切に出来ない奴は大嫌いだよ」

藤原家を守るために無茶をした夏目に対して、ヒノエは「自分を大切に出来ない奴は大嫌いだよ」と諭した。

藤原家に邪鬼からの災いが向かないように、自分の身を顧みずに振る舞う夏目に対してヒノエは「大事なものを守りたいとか、心配をかけないようにとか、自分の気持ちばかりだ」と厳しくも優しい言葉をかける。
今まで周りに迷惑をかけないようにだけ考えていた夏目に、自分を大切にすることを考えさせたきっかけの言葉である。

柊の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「お前は優しい子だよ。優しい普通の子供だよ。だって私は、お前に会えてこんなにうれしかったのだから」

自分が妖を見るせいで周りが不幸になると思っている幼いころの名取に、柊は「お前は優しい子だよ。優しい普通の子供だよ。だって私は、お前に会えてこんなにうれしかったのだから」と諭した。
山守をしていた柊は、昔祈祷師によってとある蔵を守るようにと柱に封じられた。
手に怪我を負うほどに柱を傷つけても逃げることができずに諦めていた柊は、そこで幼いころの名取に包帯を巻いてもらったことがあったという。
そのことを覚えていて包帯の礼をしたいと思っていた柊は、祓い屋として戻ってきた名取の手柄になるならと自ら祓われようとしていた。
柊を助けようとした夏目の介入により何とか祓われずに柱への封じだけが壊され、その干渉によって夏目は幼いころの名取と柊の過去を垣間見る。
衰退した元祓い屋の家に生まれ自分だけが妖を見ることができるせいで不幸を招いているのだと、周囲の大人にひどい言葉をかけられていた幼い名取は「誰かが僕を退治してくれればよかった」と呟く。
そんな名取に対して柊は「人の子に不幸を招く力はない」と、お前はただの優しい普通の子供だと優しく諭すのだった。

「お前達を残して去るような主だったのか?仮にも仕えようと心に決めたなら、主を信じろ」

封印された豊月神(ほうづきがみ)が本当はもうどこかに去ってしまっているのではないかと疑う下部達に、柊は「お前達を残して去るような主だったのか?仮にも仕えようと心に決めたなら、主を信じろ」と一喝した。

下級の祓い屋にされた封印である以上、豊月神ならすぐに抜け出すことができるだろうと放置してしまった下部達が、一向に姿を見せない豊月神が実はすでに抜け出してどこかに去ってしまったのではないかと疑い始める。
その様子に柊は「去ってしまったとは限らないのだから、思わぬほど封印が強力で下部達の助けを待っているのではないか」と伝え、仕えることを決めたのなら主を信じろと一喝するのだった。
過去の些細な恩から心を移した名取に、自由になった後も仕えることを決めた柊の男前なかっこいい言葉である。

アサギの名言・名セリフ/名シーン・名場面

最期の演奏を友人の為に弾いた蒼琴弾き

病のせいでその身が崩れ主に仕えることも琴を弾くこともできなくなったアサギが、たった一度の最期の演奏の機会を友人のために捧げる感動の場面。

アサギは、高貴な神の妖が集うまぼろしの郷である磯月の森で壬生神に仕える蒼琴弾きであった。
しかし身が爛れて崩れ落ちていく病にかかったせいで、壬生神に仕えることも蒼琴を弾くこともできなくなってしまう。
アサギは病の進行を抑えるために瓢箪に身を移したが、壬生神の役に立つことができなくなったことに落ち込み笑顔を見せることもなくなった。
それを案じたアサギの友人であり用心棒の傘持ちのアカガネは、もう一度壬生神の前で琴を弾かせてあげようと夏目の身にアサギを憑りつかせてしまう。
最初は難色を示していた夏目だが、アサギの境遇に情が移ってしまいアカガネに協力して琴を作り上げることにした。
そして琴が完成した後、演奏のために壬生神の元へ行こうと言うアカガネに、アサギは「もしもう一度弾くことが叶うなら、優しくて大切な友人のため、あなたのために弾きたいと思っていた」と笑いその場で最期の演奏をするのだった。
たった1人の笑顔のために郷を出てまでアサギの器になれる相手を探したアカガネと、そんな大切な友人の優しさに最期の演奏を捧げたアサギの感動の場面である。

ホタルの名言・名セリフ/名シーン・名場面

妖を見えなくなった大切な人間に、例え最期になったとしても逢いに行くことを選んだホタル

昔に心を交わした人間が妖を見えなくなってから長い年月をかけてようやく幸せになったと知り、たとえそのまま死んでしまったとしても最期に逢いに行くことを選んだ場面。

ホタルは蛍の妖として沼に住まっていたが、ある日妖を見る青年と出会い心を交わすことになる。
しかし青年は突然妖を見ることができなくなり、それ以降沼に来ては見えないホタルの傍に居る日々を過ごしていた。
それから月日は流れ、ようやく踏ん切りがついて心から愛せる女性に出会った青年は、結婚を機にもう沼には来ないつもりだという。
夏目は青年から「ホタルのことを本当に愛していた」のだと告げられ、そして垣間見たホタルの記憶から、ホタルも青年のことを本当に愛していたことを知る。
そしてホタルは自分の記憶を見た夏目に「もう自分がいなくてもあの人は笑ってくれる」のだと悲しく笑い、二度と妖に戻れずただの虫の寿命で終わることを分かっていながらも、青年にもう一度逢うために蛍に変化してしまうのだった。

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