旅(入江亜季作品集)のネタバレ解説・考察まとめ
『旅』とは2022年3月KADOKAWAから発売された、入江亜季による旅をテーマにした短編を集めた漫画作品。母の墓参りのために師匠と山を登りながら修行する少女・トキを描いた「トキの旅」などの短編他イラスト約30頁を収録している。各作品に対して語った書き下ろしのあとがきが見どころである。B6版、連載誌と同じサイズのワイド版の2種展開で発売された。
「乱と灰色の世界 番外編」に登場するスニーカー。10歳の少女である漆間 乱が使える唯一の魔法で、古びたスニーカーを履くと大人の姿に変身することができる。本作に収録されている番外編では兄・陣と誕生日祝いに買い物に出かける。子どもの姿で似合う服も、スニーカーを履くとサイズアウトして露出の激しい服装になることから、プレゼント候補をことごとく却下されてしまう騒動を描いている。
『旅』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
王女が僧侶の歌を聞いたシーン
王女は内乱に加え、信じていた弟夫婦に裏切られたことで誰も信用できなくなってしまった。そんな彼女を救ったのは、醜く奇行を繰り返しているかのように見えた僧侶の歌声であった。僧侶の歌によって、王女は人が美しい行いをする生き物であることを思い出し涙する。歌が終わり、僧侶に話しかけた彼女の顔からは不信感がなくなり、清々しく晴れ渡っていた。
トキが母親と初対面を果たすシーン
崖を登り、針の道を歩いて足裏を負傷。砂嵐に目を潰されてもめげずに登頂を果たしたトキが、遂に母親と初対面を果たす。トキは自分の母親が竜で、巨大であることに驚愕する。そして生前かけた魔法により、目が開いた母親を見て、トキは「私のこと見てるみたいです」と満足げに笑うのであった。
サンガ「お前になれと言うやつがいれば蹴っ飛ばせ」
トキは山の頂上で遂に偉大な竜だった母の亡骸を目にした。山を登るうち、身体が徐々に変化したトキは、自分も母のように竜になるのか不安になる。そんなトキに師匠のサンガは「好きにすればいい」と語りかける。ただ、「お前になれと言うやつがいれば蹴っ飛ばせ」とも言う。なぜなら、竜はなろうとしてなれるものでなく、トキ自身が歩んだ道のりこそが竜なのだからだ。「好きに生きろ」ともう一度言う師匠の言葉に、トキの不安そうな顔も晴れるのだった。
『旅』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
松の木のモデルは富士山にあり
あとがきにて「松の木は時折目覚める」における松の木は、富士山のお中道にて撮影した松の木をもとにしていると語っている。お中道は富士山の五合目にあたる道であり、森林限界の付近であることから、作者曰く「ぎりぎりで生きている植物が見られる」とのこと。
多由良は作者のペットがモデルか
「多朗と多由良」は「乱と灰色の世界」の連載が7年に渡り終了した後、ハルタ6月号から雑誌の帯裏にて連載していたもので、楽しかったと作者があとがきで語っている。作者自身も多由良と同じ白い柴犬・純を飼育しており、抱えて寝るとよく眠れるらしい。多朗も多由良を抱いて眠るシーンがあり、作者は明言していないが、純が「多朗と多由良」に影響を与えていると考えられる。
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目次 - Contents
- 『旅』の概要
- 『旅』のあらすじ・ストーリー
- 春駒
- 松の木は時折目覚める
- 王子の旅
- 半年間の休暇
- 水中国の娘
- 奥さまの起こし方
- 会長の眼鏡伝説
- えるのお留守番
- 砂漠の田崎くん
- 乱と灰色の世界 番外編
- 多朗と多由良
- トキの旅
- 『旅』の登場人物・キャラクター
- 春駒
- 主人公
- タキオン僧侶
- 松の木は時折目覚める
- 少女
- 松の木の精
- 王子の旅
- タイロン王子
- 大編隊の人々
- 半年間の休暇
- たき江
- 水中国の娘
- 娘
- 奥さまの起こし方
- 奥さま
- メイド
- 会長の眼鏡伝説
- 会長
- ファンクラブの女子たち
- えるのお留守番
- える
- えるの両親
- 砂漠の田崎くん
- 田崎
- 多朗と多由良
- 多朗(たろう)
- 多由良(たたら)
- 多朗の父
- 乱と灰色の世界 番外編
- 漆間 乱(うるま らん)
- 漆間 陣(うるま じん)
- トキの旅
- トキ
- サンガ
- トキの母
- 『旅』の用語
- 水瓶
- 神秘の実
- 会長の眼鏡
- 竜
- 漆間 乱(うるま らん)のスニーカー
- 『旅』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 王女が僧侶の歌を聞いたシーン
- トキが母親と初対面を果たすシーン
- サンガ「お前になれと言うやつがいれば蹴っ飛ばせ」
- 『旅』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 松の木のモデルは富士山にあり
- 多由良は作者のペットがモデルか