空色のメロディ(水沢めぐみ)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『空色のメロディ』とは水沢めぐみによるファンタジー要素を含む少女漫画。1987年6月から1988年8月まで集英社『りぼん』で連載され、アニメ化企画が出たほどの人気作品。主人公の少女メロディ・ブルーは両親を亡くした後、愛犬ハチと共に祖父のダン・フォレストが暮らすグリーン・フィールドへ移り住む。ある日屋根裏部屋で自分そっくりの肖像画を発見し、運命が変わっていく。王家に伝わるペンダントや、飛行機での救出劇など冒険ファンタジー要素が強く、学園恋愛ものが多かった連載当時の『りぼん』では異色の作品であった。

メロディが屋根裏部屋で偶然見つけた、自分そっくりの少女の肖像画。メロディがいつもつけているお守りのペンダントと同じものをしている。のちにメロディの母マーガレットの少女の頃の肖像画だと判明する。
この肖像画がきっかけでメロディは自分がブルーストーン王国の王族の血を引いていると知ることになる。

キティホーク

アークが自作している飛行機の名前。物語冒頭で壊れてしまうのが3号、メロディが黒服の男たちに攫われた際に乗っていたのが4号、最終回で完成するのが5号である。

飛行機小屋

アークとグレイがキティホークを製作している丸太造りの大きな小屋。中は埃だらけで、部品や本が散らばっているがアークにとっては1番心休まる場所である。

『空色のメロディ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ダンがメロディをブルーストーン王国に行かせるため突き放すシーン

クリスがブルーストーン王国の王位継承者としてメロディを迎えたいとやって来た日、ダンはメロディに「ブルーストーンへ行け」と言い、「もともとわしはおまえを引き取るつもりはなかったんじゃ。おまえなんぞいなくなった方がせいせいするわい」と冷たい言い方をする。
しかしこれは本心ではなく、メロディをブルーストーンへ行かせる為にした発言であった。メロディへの愛情は人一倍強いダンだが、それをどう表現して良いかわからないのだと物語後半でクリスが話す場面があるが、それを踏まえてから読み返してみると、ダンの気持ちが痛いほど伝わる名シーンである。

メロディがアークと王位を守るための決死の発言をするシーン

エドがメロディとの結婚式を強行する場面。ペンダントの誓いの儀式でメロディはエドに向かって「あなたとは結婚しません、どんなことがあっても!」と誓いを立てない宣言をする。エドは人質にとっているアークがどうなってもいいのかと笑う。するとメロディは「アークに手を出したら、その時は私も死にます」と言い返す。
結婚は成立していないため、自分が死ねば王座はバークレイ家には渡らないと考えたメロディの芯の強さが表現された名シーンである。

女王のメロディへの愛情が溢れるシーン

ブルーストーン王国建国記念式典で、女王は自分の後継者をメロディではなくクリスだと発表する。
女王はマーガレットの結婚を許さなかった事を悔いており、メロディと会うことは叶わないと考えていた。メロディの幸せを壊すことはできない、自分に会いに来てくれただけで十分だと考え「わたしはあなたが幸せであることがいちばんの幸せなの」とメロディが幸せに暮らせる場所、グリーンフィールドへ帰るようにと伝える。
女王のメロディへの愛情が伝わる名シーンである。

『空色のメロディ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

作者は担当に作品設定を反対されていた

作者の水沢めぐみは、当初担当から「外国ものにしたい」「金髪の子を描きたい」という希望を反対されていたが、押し通して連載を開始。しかしいざ始まってみると担当もとても気に入り「面白いよ〜!!」と言ってくれたのが嬉しかったと、単行本の柱コメントで語っている。

早期連載終了の理由

連載当時アニメ化の企画も出ていたほどの人気があった今作品だが、作者の妊娠・出産の時期が重なったため中止となってしまい、連載自体も無理矢理終了させたと、作者と同じ『りぼん』の漫画家で交流のあった柊あおいの育児漫画『「おかあさん」の時間』の巻末対談で語っている。
また単行本の柱コメントでも「本編のラストのあたりをもっとじっくりと描きたかった。グリーンフィールドに戻ってからの事とか、ホリーとのエピソードももっと描けると良かった」と語っている。

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