ちせ(最終兵器彼女)の徹底解説・考察まとめ
ちせとは漫画『最終兵器彼女』の登場人物である。普通の高校三年生で気弱な少女として生活し、同級生のシュウジに想いを寄せていた。そして友人との度胸試しで彼に告白し、付き合う事になった。が、ある日最終兵器に改造され戦う事になってしまう。兵器として敵を殺していく一方、恋人であり主人公のシュウジと青春を謳歌する。だが最終兵器として戦場に投入された彼女は次第に暴走していく。その中で大切な人との死別、シュウジとの破局を経験し成長していった。最後はシュウジを除く全人類を滅ぼし、彼と宇宙で愛を誓い合うのであった。
シュウジと別れる
傷心のあまりちせは人工衛星を破壊し、シュウジと約束した展望台へと到着。人工衛星を破壊した余波によってか、そこでちせは機能不全を起こしてしまう。味覚が無くなり、意識が一時的に遠のき、彼女は気を失った。目を覚ますとシュウジが居り、ちせを背後から抱きしめていた。今まで抱えていた孤独感から解放された彼女は、彼の唇を奪い、肉体を重ね合わせようとする。だが、シュウジは咄嗟に彼女を突き放した。それでも、ちせは自分を抱かせようと彼の手を自分の胸に押し付ける。シュウジはちせを抱きしめ、彼女は彼の胸の中で声を上げて泣いた。
シュウジはふゆみとの肉体関係の事、それからの彼女との曖昧な関係についてちせに告白。更に自分の性欲が抑えられず、かといって、ちせに情欲をぶつけるのは気が引けている旨も話した。シュウジは自分の秘密を告白した上で、それでも彼女の事が好きだと伝える。ちせは、シュウジの彼女である事を強調し、性欲の事は自分にまず相談するべきであると怒りを露わにした。そのまま彼女は自分の内心を全て吐き出し、彼に別れる事を切り出す。こうして、ちせとシュウジは元のクラスメイトに戻る事になった。
だが2人は一緒の時間帯に登校したり、学校生活でも互いを意識していた。ちせはアケミを始めとした女友達にシュウジと別れた事を切り出せず、悶々とした日々を過ごしていた。
ちせの家庭では、ここ最近の空襲により父親がノイローゼになっていた。日々を無気力に過ごす彼の姿に、ちせは寂しさを覚える。
学校や家庭でわだかまりを抱えたちせは、戦場での戦いに没頭するようになる。驚異的な破壊力で戦果を挙げていくちせであったが、何の脈絡もなく泣き出してしまう。彼女はとても不安定な状態であったのだ。その後、街で出会ったシュウジとキスを交わし、彼を求めてしまう。彼女は未だ、シュウジの事が好きだったのだ。だが、兵器として進化していく彼女にシュウジは無意識に恐怖を抱いてしまう。シュウジに拒絶され、ちせはさらに傷付いていく。
その後、ちせは親友のアケミにシュウジと別れた事を告白する。そして、別れた今でもシュウジの事が好きである事を吐露した。一方、シュウジもちせの事で想い悩んでいた。2人はまだ互いを想いあっていたのである。
学校に行かなくなる
ちせは登校中に捨て猫を見つける。猫を眺めているとシュウジが通り掛かる。ちせは猫達に「自分は兵器で壊す事しか出来ないから、何もしてあげられない」と語り掛けた。そしてシュウジに悲しげな笑みを向けるのであった。更に彼女は戦闘で多くの若者を殺してしまった事をシュウジに打ち明け、「こんな女でも好きかい?」と問いかける。シュウジは悩んだ挙句「好きだ」と答える。そして彼は何かを言おうとするちせを制して家へと走った。彼が冷蔵庫に入っていた牛乳を持って戻ってくると、彼女の姿は無く、置手紙だけが残されていた。そこには仕事で戦場に向かう事、好きと言ってくれて嬉しかった事、これからはクラスメイトでいたい事が書かれていた。
この日を最後に、ちせは学校へ行かなくなった。
本格的に兵器として活動を始める
自衛隊は人手不足となっており、民兵を多く採用するようになっていた。学校へ行かなくなったちせは一尉に昇進し、本格的に兵器として自衛官としての活動に専念するようになる。上層部はちせをお荷物扱いして待機を命じていたが、実際にはこの時敵は大規模攻勢の準備を進めていた。ちせはこれを察知しており、損害を防ぐために執拗に出撃を懇願したが、全て却下される。
テツと行動を共にする
待機を命じられたちせだったが、感情的に不安定な彼女は自室を抜け出し、誰もいない教会の前で1人涙を流す。そこへ彼女を追いかけていたテツが合流する。この時のテツは戦闘で仲間や部下達を失い、日々を空虚に生きていた。孤独と不安から彼にすがりついて大泣きしたちせはそのまま眠ってしまい、テツは仕方なく彼女を隠れ家に連れ込む。
ちせとテツは、なし崩し的に行動を共にするようになる。2人の距離は近くなり、次第に信頼し、直接触れ合うようになっていく。だが、ちせがまだシュウジを想っていることに気づいたテツは途中で行為を止め、彼女に帰るように伝えた。そして「この星で俺だけはお前を女の子と思っててやるよ」と、彼女を思い遣るであった。
自衛隊基地に戻ったちせは、突如気を失ってしまう。彼女は呼吸を停止し、胸の傷がほぼ修復しつつあった。
テツと死別する
気を失ったちせは病院で処置が行われる。だが、彼女の開発者達は既に戦死しており、誰も彼女のメンテナンスができない状態であった。また、ちせは医師の診断により三日前に死亡していたことが判明する。関係者達が衝撃を受ける最中、彼女は覚醒し戦闘の開始を察知した。
街では、敵の大規模攻勢が始まっていた。激戦の中、病院を抜け出したちせは、単身で雨の街中を歩く。そして、妖艶な笑みを浮かべ、遭遇した敵兵達を凄まじい閃光と共に殺していった。ちせの発する殺戮と破壊の光は天まで届き、人々は畏怖を込めて「ちせの火」と呼んだ。恐怖を抱く外国の兵士達を、言語の翻訳機能を獲得したちせは彼らの母国語で優しく話しかけながら殺していった。
敵を殺しながら街を歩くちせは、テツと過ごしたアパートへと向かう。そこで見たのは致命傷を負ったテツであった。意識を失いつつあったテツは、ちせをふゆみと誤認し、自分に止めを刺してほしいと彼女に懇願する。彼女は泣きながらテツの首に手をかけるも、止めを断念してしまった。そしてちせは、ふゆみに成り切り、彼に肉体を預ける。テツはちせをふゆみと思い込み、血まみれになりながら体を重ね合わせていく。そして、最後にふゆみへの愛を吐血しながら呟き、彼はちせの腕の中で絶命した。
彼女はこの地球に最後が迫っていることを兵器の能力で知る。彼女は圧倒的破壊力を背景に、自衛隊上層部を威圧。これによりちせは指揮系統を外れ、単独状態で活動するようになる。彼女は戦場で戦い、苦しむ人々を街ごと消し去って行った。それは神々しく、敵味方の区別すらなかった。ちせは悟ったのである。地球は近々活動停止し、あらゆる生物は死滅すると。兵器であるちせに出来る事は、無意味に戦い、苦しむ人々に安らかな死を送る事だけだった。
シュウジの元へ戻る
自衛隊から離れたちせはシュウジの元へと戻る。彼の住んでいた街は度重なる戦いや地殻変動、異常気象で日常生活が崩壊していた。彼はアケミとの死別やふゆみとの離別を経て、ちせと同様に少し大人に成長している。2人は、かつて果たせなかった約束を果たすかの様に、街を出て旅をする事にした。
辿り着いたとある漁港で、シュウジは漁師として、ちせはラーメン屋のウエイターとして働き始める。世間の厳しさを知りながらも、2人は共同生活を送っていく。束の間の平和な一時を送る2人であったが、ちせは薬で兵器の暴走を辛うじて抑えている状態であった。そんな折に敵襲が始まってしまう。シュウジとちせの日常生活は破壊され、2人を取り巻く人々も残らず殺されてしまった。
敵襲後、ちせは暴走により声を失ってしまう。更に衰弱し、感覚をも失っていた。シュウジは甲斐甲斐しく彼女の世話をするが、暴走は一向に止まらない。しまいには、ちせの体を突き破り機械の足のようなものが飛び出した。それはシュウジが見ている目の前で、彼女の体を食い始めたのである。このままではちせが死ぬと判断したシュウジは、苦悩の末に彼女の身柄を自衛隊に引き渡す。
人類を滅亡させる
自衛隊に引き渡されたちせは、そこで意識を取り戻す。だが、彼女は完全に兵器に侵食され、記憶を失っていた。ちせは最終兵器として身も心も覚醒したのである。それでも彼女の心には、微かにシュウジのことが残っていた。彼女はその記憶を頼りに、1人で展望台へと赴く。そこには今まで彼女が書き溜めていた交換日記を読むシュウジの姿があった。日記にはちせがそれまで抱えてきた心情の他に、この地球がもうすぐ滅亡する事が書かれていた。
衝撃を受けつつも、ちせを想い、涙を流すシュウジ。そんな彼の姿を彼女は静かに見つめていた。やがてシュウジはちせの存在に気付く。だが、それはちせの姿を真似た兵器である事に彼は気付いた。それでもシュウジは彼女に歩み寄る。ちせは自分の意思とは関係なく涙を流し、戸惑い始めた。記憶を無くしても彼女はシュウジの事を覚えていたのである。彼は彼女を抱きしめ、そのまま彼女とセックスを始める。完全に兵器となったちせは性的快感を覚える事は無かったが、それでもシュウジの真摯な想いと情熱により、彼女は快感を覚えていく。ちせは彼と交わることで感情を取り戻していった。
行為後、2人はそれぞれの場所へと戻っていく。地球の終焉は刻一刻と迫っていた。ちせは一旦自衛隊の元へ戻ると、最後の仕事に取り掛かる。地球の自転は止まりつつあり、その影響から天変地異が続発。彼女は持てる全ての力を出し切り、シュウジを除く全人類を滅ぼした。それが滅びゆく人類にできるちせからの唯一の救いであり、手向けであったのである。
シュウジと結ばれる
シュウジを除く全人類を滅ぼしたちせ。彼女は宇宙船に変形し、シュウジをその中に受け入れた。彼女はそのまま地球を脱出し、宇宙へと旅立つ。もはや彼女は人の姿を捨て去り、完全な兵器となっていた。
宇宙船の中でちせはシュウジの記憶を使い、立体映像として彼の前に姿を現す。2人は地球を背景に抱き締め合った。地球の自転は完全に停止し、その活動を終える。滅びた地球を背景に2人はキスを交わし、物語は完結した。
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目次 - Contents
- ちせ(最終兵器彼女)の概要
- ちせ(最終兵器彼女)のプロフィール・人物像
- ちせ(最終兵器彼女)の装備・能力
- 交換日記
- 戦闘形態
- ポケベル
- 飛行形態
- 探知能力
- 追尾ミサイル
- 望遠機能
- 胸の傷
- 破壊能力
- 毒
- 翻訳能力
- ちせの火
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- テレパス
- 宇宙船形態(最終形態)
- ちせ(最終兵器彼女)の来歴・活躍
- シュウジと付き合い始める
- 最終兵器になる
- シュウジと逃げる
- シュウジと距離が出始める
- シュウジと最後のデートをする
- 戦場で戦う
- シュウジに恐怖心を抱かれる
- シュウジと別れる
- 学校に行かなくなる
- 本格的に兵器として活動を始める
- テツと行動を共にする
- テツと死別する
- シュウジの元へ戻る
- 人類を滅亡させる
- シュウジと結ばれる
- ちせ(最終兵器彼女)の関連人物・キャラクター
- シュウジ
- アケミ
- ふゆみ
- テツ
- 父
- 母
- 弟
- 自衛隊の面々
- 付き人のおじさん
- ちせ(最終兵器彼女)の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「これからふたりで、好きになってってみねぇ?」
- 「ぼくたちは、恋していく」
- 「私をこれ以上こわがらないで。キライにならないで。」
- 恐怖を抱く外国兵を殺戮するシーン
- ちせがテツを看取るシーン
- 「なんで、あたしの名前、一度も呼んでくれんかなぁ」
- 「ぼくたちは、恋していく」
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