アルフ(ドラマ)のネタバレ解説・考察まとめ

『アルフ(ALF)』とは、アメリカNBCで放送されたテレビドラマ、及び主人公の愛称である。アメリカでは1986年から1990年まで放送され、日本でも1989年からNHKにて不定期で放送された。ロサンゼルスのとある家に宇宙船もろとも落下し、そのまま居候することとなったエイリアンのアルフ(本名ゴードン・シャムウェイ)が巻き起こす騒動がメインのシチュエーション・コメディ。軽妙かつ時にブラックなアメリカンジョークが特徴的で、根強いファン人気を誇る。

『アルフ(ALF)』の概要

『アルフ(ALF)』とは、アメリカNBCで1986年から1990年まで放送されていたテレビドラマ、及び主人公の愛称である。制作はロリマー・テレビジョン、ワーナー・ブラザーズ・テレビジョン。製作総指揮はトム・パチェット、及びポール・フスコ。フスコはアルフの声も担当している。
日本では、1989年から1995年3月までNHKで不定期に放送。1995年の4月から改めて連続的に全100話を放送した。
2008年にNHK教育テレビで再放送され、2009年12月には「アルフのクリスマススペシャル」が日本で初めて放送された。
2010年には、「幻の最終回」として『アルフ ファイナル・スペシャル(現代『PROJECT ALF』)』の放送が実現。

ロサンゼルス近郊にあるタナー家のガレージに落ちてきたエイリアンがその家に居候し、騒動を起こすのがメインのシチュエーションコメディ。主人公の本名は「ゴードン・シャムウェイ」だが、「アルフ(Alien Life Form)」と呼ばれる。軽妙にして、時にブラックなアメリカン・ジョークが特徴で、本国アメリカのみならず日本でも人気を得た。
アルフは着ぐるみやパペット操作で命を吹き込まれていたが、フスコはアルフが「メルマック星人以外の何か」であることをトップシークレットとし、スタッフや出演者たちにアルフの秘密を洩らさないように警告していたという。

『アルフ(ALF)』のあらすじ・ストーリー

アルフとの出会い(第1話「エイリアンがやってきた!」)

アルフ(左から2番目)とタナー家の人々。

1986年のある日。ロサンゼルス近郊に住むウィリー・タナーは自宅のガレージで趣味の無線を楽しんでいた。突如、無線に聞き覚えのない言葉が紛れ込み、ガレージの屋根に宇宙船が落ちてくる。
宇宙船に乗っていたのは陽気な性格の宇宙人で、「地球外生命体(Alien Life Form)」の頭文字を取った「アルフ」という愛称でウィリーの子供たちと打ち解け、タナー家に居候する。
いたずら好き、大食らいの一面を持ち度々騒動を起こすアルフだが、地球との文化の違いからくるすれ違いによるものも多く、決して悪気があって騒ぎの原因になっているわけではない。タナー家の面々はアルフに振り回されつつ、それなりに彼との生活を楽しむのだった。

アルフとウィリーの本音(第20話「いたずらと友情」)

アルフ(右)のいたずらに辟易するウィリー(左)。

度重なるアルフのいたずらに心身が疲労したウィリー。ケートの勧めで友人のカウンセラーであるラリーを家に呼び、アルフを交えたカウンセリングを行うこととなる。カウンセラーという他人と共に夕食を取ることに緊張したのか、アルフはラリーの前でいつもと違った上品な態度を取っていた。
ラリーの提案で、ウィリーとアルフが互いに相手を演ずるロールプレイ療法を行う。2人のやり取りを見たラリーは、「君たちは別々に暮らした方がいい」と結論付け、自分がアルフを引き取ると言い出した。ウィリーは「アルフが誰かに見つかったら、エイリアン調査機関に捕まったらどうする」と不安を口にする。ラリーは、ウィリーがアルフを心から心配していると指摘。対してアルフは、自分を匿い、養ってくれているウィリーへの感謝の念を述べ、彼が嫌がるようないたずらはしないと誓う。
アルフとウィリー、両者の本音が明らかとなり、カウンセリングは成功を収めた。

メルマックしゃっくり(第34話「結婚式の変な伴奏」)

ケートの母ドロシーが再婚することになった。式はタナー家で行う。しかし、アルフがエコーがかかったような奇妙なしゃっくりを始めた。アルフが語るところによれば、しゃっくりを止めないと際限なく音や衝撃波が大きくなっていくという。
ドロシーはアルフのことを知っているが、結婚式の参列者は彼のことを知らない。また、このままでは結婚式が台無しになるかもしれない為、ケートたちはアルフにしゃっくりの止め方を聞く。その方法は猫ジュースを飲むことだという。ドロシーの策で肉と野菜をミキサーにかけたものを「猫ジュース」と偽り飲ませると、しゃっくりは止まった。
結婚式に出られない退屈さから式にちょっかいを出すアルフ。また、ウィリーたちが猫ジュースが偽物だと口を滑らせたことでしゃっくりが再発してしまう。猫ジュース以外の止め方は「生のほうれん草を食べる」ことで、メルマック星人にとっては胸がムカムカする方法らしい。
ケートたちが無理矢理ほうれん草を食べさせたことでようやくしゃっくりは治まり、結婚式も無事に終わった。

クリスマスの夜(スペシャル「アルフのクリスマスプレゼント』)

人さと離れた山小屋にやってきたタナー一家。そこは、かつてウィリーの父が失業した年にクリスマスを過ごした場所だという。その場所に、当時からの知り合いだという老人フォーリーがやってくる。フォーリーはこれからサンタに扮し、病院で入院している子供たちにプレゼントを配りに行くというのだ。
フォーリーのトラックには大量のおもちゃがあった。中に入ってそれを見ていたアルフはおもちゃと一緒に運ばれてしまう。そのままぬいぐるみのふりをしていると、ティファニーという少女がアルフを自室に連れて行った。リボンを付けられそうになり、やむなくアルフは正体を明かす。ティファニーの協力を得たアルフは病室から抜け出すが、たまたまフォーリーとティファニーの主治医が話しているのを聞く。ティファニーは来年のクリスマスを迎えられない身だった。
アルフはティファニーの病室に引き返し、彼女と交流する。ティファニーは自分がもうすぐ死ぬことを知っていた。その瞬間が来るのが怖いとティファニーは言う。故郷を失った哀しみを抱えるアルフは、「どうしても辛い時は、好きなもののことを考えるんだ」とアドバイスをした。ティファニーはその言葉に笑顔を見せ、「大好きよ」と言って目を閉じる。「俺も、大好きだよ」と返したアルフは、ティファニーの為にどうにもしてやれない現実に涙を流してその場を去った。
その帰り、アルフは救急で担ぎ込まれた妊婦から赤ん坊を取り上げる羽目になる。生まれた女児に「ティファニー」と名付けることを勧め、ようやく病院から出る。その後、フォーリーが橋の上から身投げをしようとしているのを見つけたアルフは、彼の自殺を止めた。
フォーリーは二週間前に妻を失っており、子供たちにプレゼントを渡し終えたら全財産を病院に寄付して死ぬつもりだったのだ。アルフは、ティファニーから教えられた「クリスマスで大切なのはプレゼントではなく、自分にできることをすること」との言葉をフォーリーに送る。それは、フォーリー自身がティファニーに言った言葉だった。
フォーリーに送られて山小屋に戻ってきたアルフは、煙突から入り自分の身を案じていたタナー家と再会する。
クリスマス休暇が終わり、家に帰るタナー家はティファニーの見舞いをした。アルフは病室にまでは行けなかったが、車の中からそっと見守っていた。

別れの日(最終話「旅立ちの日」)

オーストラリアに無線を掛けるアルフ。時差の関係でオーストラリアの日付は1日早い為、明日の競馬の結果を知ろうというのだ。そこに、メルマック星の無線が入り込む。爆発を生き延びたスキップとロンダが「新しい星を見つけたから一緒に行こう」と誘いをかけてきたのだ。
迷った挙句、アルフは仲間たちと新天地に向かう決意をする。それを聞いたウィリーは、アルフが最初に落ちてきた時のガレージの破片を渡す。それは、アルフが初めて壊したもので、「次うちに来るときは玄関からお入り」とのメッセージが入っていた。タナー家の面々との別れを惜しむアルフ。
宇宙船が近づいてきたが、アルフと仲間たちの無線はエイリアン調査機関に傍受され、暗号も解読されていた。エイリアン調査機関から逃れるように宇宙船は行ってしまい、取り残されたアルフは調査機関の面々に取り囲まれる。

『アルフ(ALF)』の登場人物・キャラクター

主要人物

アルフ(ゴードン・シャムウェイ)

演:ミシュ・メシャロス(スーツアクター)
パペット操作:リサ・バックリィ、ボブ・ファピノ
CV:ポール・ロスコ(英語版)、所ジョージ(吹き替え版)

『アルフ』の主人公で、メルマック星人。登場時の年齢は250歳。
「アルフ(Alien Life Form=地球外生命体の略)」は愛称で、「ゴードン・シャムウェイ」が本名である。故郷メルマック星では、警備担当の宇宙飛行士だった。星の爆発に伴い、宇宙船で脱出。ロサンゼルス近郊にあるタナー家のガレージに宇宙船もろとも墜落し、そのまま同家の居候となった。当初は洗濯機の脇で寝ていたが、途中から屋根裏で生活するようになる。タナー家に来客があった際はガレージ、もしくは屋根裏に行くように言われる。

基本的な性格はお調子者で楽観的。ジョークを好み、ことあるごとにジョークを披露しては「今日もノッてるぜ!(I kill me!)」と締める。一方で繊細な一面もあり、メルマックでは恥ずべき風習である両親の結婚後に自身が生まれたことを知った時にはショックのあまり寝室にこもってすすり泣き、家を出て修道院に入った。悪意なく物を壊すことが多く、「壊してはいけない」と思うと緊張して却って被害が大きくなる。
大変な大食らいでもあり、5人が2週間で食べるための食糧を37分で完食したこともある。電話による通信で物を買うことも多々あり、タナー家の家計を火の車にした。
子供っぽくいたずら好きで騒動の発端になることが多いが、「猫を食べる」など地球との文化の違いが原因のことも多く、ウィリーやタナー家に迷惑をかけていることに胸を痛めてもいる。また、地球に落ちてからずっと自分を匿い、養ってくれているウィリーには感謝の念を抱き、カウンセラーのラリーによるカウンセリングの際そのことを口にした。このエピソードの時、ウィリーに水が出る花のオモチャでいたずらをしていたが「あんたが嫌だっていうんならもうやらない」と言っており、いたずらに関してはスキンシップとして行っている模様。第1話のラストで無線で仲間に語り掛ける場面があるが、この時タナー家の面々が聞いているとは知らず彼らを「とってもいい人たち」と紹介した(直後に「この家にはうまそうな猫もいる」と言った)。

極めて高い知能と学習能力を持ち、短時間で英語、スペイン語を習得。腹話術を「本当に人形が話している」と思い込んでいたが、自分で喋らせると知ってからはほんの数分でマスターした。ギター、サックス、ベース、キーボードなど多くの楽器を操ることができる。タナー家の長女リンに恋をしたことがあり、彼女の為に作ったミュージックビデオでは作詞、作曲、ボーカルはもちろん全ての楽器と映像編集をたった1人で担当した。
家事能力も高く、いたずらを咎められ一定期間タナー家の執事となった際、料理が高尚すぎること以外文句のつけどころのない腕前を披露している。
テレビシリーズの最終話で、新天地を見つけたメルマック星人たちに迎えに来てもらうことになった。しかし、電波を傍受していたエイリアン調査機関により囲まれるところで物語が終わっている。吹き替え版では「てなわけで俺の話は今日でおしまい。今も地球で楽しくやってるよ」というアルフのナレーションで締めくくられた。

『アルフ ファイナル・スペシャル』では空軍に身柄を拘束されつつ、それなりに快適な生活を送っていた。宇宙人を憎むミルフォイル大佐に命を狙われるも、そのことを知ったリック、メリッサの助けもあり逃亡。最終的に特別大使の地位と、安全で快適な生活を獲得する。

ウィリー・タナー

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