きっと、うまくいく(インド映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『きっと、うまくいく』とは2009年に制作されたインド映画で、インド映画歴代興行収入1位を記録した大ヒットコメディである。理系のエリート大学であるインド工科大学(ICE)を卒業して10年経ったファルハーン・クレイシーとラージュ・ラストーギーの2人が、各地を周りながら手がかりを集めながら行方不明になった友達のランチョルダース・シャマルダース・チャンチャルを探す旅をする。旅の中で10年前に3人がICEで経験した様々な出来事を回想しながら、「生きるとは何か?」を観ている人に伝える映画となっている。

ランチョー/ランチョルダース・シャマルダース・チャンチャル「きっと、うまくいく」

本作のタイトルにもなっており、窮地に陥った時にランチョーが呟く言葉が「きっと、うまくいく」である。窮地に陥った時にランチョーが呟く言葉で、この言葉を勇気に変えて様々な困難を乗り越えていく。心はとても臆病だからこそ、時にマヒをさせる必要がある。困難が起きた時にランチョーはこの言葉を自分にかけ、様々な困難を乗り越えていく。だからこそ、困難が起きた時こそ自分の心を騙すためにこの言葉を自分にかける。
現代を生きる我々にとっても必要なことを教えてくれるセリフとなっている。

ランチョー/ランチョルダース・シャマルダース・チャンチャル「宇宙で字を書きたいのであれば、なぜ鉛筆を使わないんです?」

恩師からもらったペンを例に出し、学長が競争が大切だという考え方を学生たちに語る中、ランチョーは「宇宙で字を書きたいのであれば、なぜ鉛筆を使わないんです?」としつもんを投げかけた。いかに他人より優秀であるかを競うことを重要視するのではなく、工学的な観点から常に物事を考えているランチョーの姿勢が垣間見える。また、このエピソードが終盤に訪れる学長とランチョーの関係の変化を語る上で活きてくるエピソードとなっている。

ランチョー/ランチョルダース・シャマルダース・チャンチャル「簡単に言うと、本です。本を忘れて」

講義の中で機械の定義について問いかける教授に、教科書の中身丸暗記の内容を話して高評価を得て鼻高々のチャトゥル。一方、ランチョーは分かりやすい説明を提示するが、「簡単な回答はダメだ」と言われてしまう。するとランチョーは急に席を立った。「なぜ席を立ったのか?」と聞かれると、「記録や分析やまとめのため、情報を時には図版と共に収めた、目次や前書きや索引の付く、人間の理解を助けて役に立つ品物」と答えるが、教授は意味が分からない。「簡単に言え」と言う教授に対し、「簡単な説明はお嫌いかと思い」と前置きをし、「簡単に言うと、本です。本を忘れて」と告げた。教授に恥をかかせることになった、ランチョーらしいフレーズである。

ランチョー/ランチョルダース・シャマルダース・チャンチャル「成功は自ずとついてくる」

学長の差金もあって、ランチョーから距離をとり始めるラージューに対してかけた言葉。不安からとにかく結果や成功を追い求める彼に対して、「美徳に従えば成功は自ずとついてくる」ことを伝える。
生きていく中で大事な考え方を伝えてくれる一言である。

『きっと、うまくいく』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

大学生を演じた当時30代~40代の俳優たち

メインキャラクターの3人の年齢設定は30代前後、10年前の回想シーンでは20代前後になる。しかし、彼らを演じた俳優陣の年齢は30代〜40代であり、中でもランチョー役を演じたアーミル・カーンはその当時44歳だった。アーミル・カーンは若く見せる役作りのために、1日4リットルもの水を飲んで、肌をリフレッシュさせていたそう。

『きっと、うまくいく』の主題歌・挿入歌

挿入歌:Shaan & Shantanu Moitra「Behti Hawa Sa Tha Who」

「彼は自由な風」という意味を表現している曲。
車で向かうオープニングのシーンや、ファルハーンとラージュの夢が叶ったことを知るシーンで流れる。

挿入歌:Shantanu Moitra「Give Me Some Sunshine」

「チャンスを僕に」というメッセージを込めた曲であり、ジョイ・ロボが命を断つ前のシーンでギターを弾きながら歌ったり、彼の葬式、ICEの卒業式で使われた曲。

ED(エンディング):Shantanu Moitra「Aal Izz Well(アール・イーズ・ヴェール)」

「うまくいく」を大声で叫びながら、インド映画の特徴でもあるダンスを交えたミュージカル調の曲。
「ニワトリは卵の運命を知らない。目玉焼きになるのか、ヒナが生まれるのか」
と、いうメッセージから「誰も将来のことはわからない。」ことを伝えている。
エンドロールでも使われる柱となっている曲。

樋口将貴
樋口将貴
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