ハッピーピープル(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハッピーピープル』とは、釋英勝によって描かれた青年漫画。1983年から1992年頃まで集英社『週刊ヤングジャンプ』にて、1993年から1994年まで集英社『月刊ベアーズクラブ』にて連載された。1997年には映画化され、VHSビデオ化もされている。少年犯罪やストーカー、詐欺や人身売買などの人間の闇を色濃く描いている反面、心温まるストーリーも何話か含まれている。人間社会が抱える様々な問題を皮肉なストーリーと独特なイラストで描いた、1話完結の短編集である。

第8巻「青いリンゴ」で暴行を止めるよう促す仲間に帰した言葉。中年夫婦を暴行死させた後に、少年法により保護観察のみで釈放された少年達は、被害者の息子に命を狙われる。3人は殺され、1人は重症を負うも、残り1人は殺されそうになる直前で警察に救われた。生き残った2人は反省することもなく、再びカツアゲや暴行を繰り返す。「それくらいにしといた方がいいんじゃない?あんまりやり過ぎてまた仕返しに命狙われたらたまらんジャン」と言った少年に、もう1人は「大丈夫だよ。その時はまた警察が守ってくれるさ」と笑って返事をした。少年法を問題視する作者の皮肉が込められた言葉である。

『ハッピーピープル』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

フジテレビ『世にも奇妙な物語』での裁判沙汰

1995年に放送された『世にも奇妙な物語 ・秋の特別編』にて放送された『地獄のタクシー』が、『ハッピーピープル』第2巻掲載の『先生、僕ですよ』を無断で翻案した物語であるとして作者の釋はフジテレビを訴えた。釋は、フジテレビ側に謝罪広告の掲載と賠償金の支払いを請求したが、東京地裁の判決により「本件著作物(漫画)の表現形式上の本質的特徴を本件番組(ドラマ)から直接感得することはできない」と、いずれも棄却されている。

『想い出の中の犬』は作者の自伝

担当者から「デビュー前に、いつか描きたいと思った物、何か無いの?」と言われたことがきっかけで描いた作品。作者釋英勝が小学生の頃に飼っていた犬の話であり、本人にとってショッキングな出来事であったという。「今でもポチのことを思い出すと、涙ぐんでしまう…」と語っている。

扇木コウ
扇木コウ
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