テンカイチ 日本最強武芸者決定戦(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『テンカイチ 日本最強武芸者決定戦』は、原作・中丸洋介、作画・あずま京太郎による作品。『月刊ヤングマガジン』にて連載。織田信長が天下を統一した架空の戦国時代が舞台。死期を悟った織田信長が、天下の座を与える後継者を選任するために、代理国獲合戦「テンカイチ」の開催を宣言した。天下を狙う大名や公家の者は、名代として戦いを行う武芸者を率いて大阪城へと集う。架空の戦国時代を舞台にそれぞれの思いや力をぶつけ合い、天下を目指していく戦国奇譚。

宮本武蔵との激闘の末に、倒れた忠勝に駆け寄る家康を、興をそぐなと信長が鉄砲衆に射殺を指示した。それを忠勝が盾となり銃弾を受け止めると「本多平八郎忠勝(ほんだへいはちろうただかつ)、最後の忠義果たさん。徳川家康、アンタのために戦えて幸せだったぜ」銃撃の末に家康にこの言葉を残して亡くなる。自分が認め、信頼をおいていた主に死の間際まで忠義を果たす姿に心が熱くなる。

徳川家康(とくがわいえやす)「バカ者…!貴様はやはり徳川(ワシ)に過ぎたる侍よ…!」

信長の鉄砲衆に射殺され、2人の別れと深い主従の絆

信長の鉄砲衆による銃撃により亡くなった忠勝が残した言葉を受けて「バカ者…!貴様はやはり徳川(ワシ)に過ぎたる侍よ…!」と涙を流しながらセリフを返した家康と忠勝の深い関係性を感じることができる。

上泉伊勢守信綱(かみいずみいせのかみのぶつな)「千年無双の夢の続きはチミのその才能に託すわ。チミを我が子と思って今生の願いじゃ!」

神の領域に入り人生最高の一撃を放った上泉。極落門を開いた影響により長光にとどめを刺すこともできず寿命が尽きようとしていた。その最後の時に、人生の中で唯一の強敵と認め、自分と同じく神の領域へと踏み込む見込みのある日野長光に対して「千年無双の夢の続きはチミのその才能に託すわ。チミを我が子と思って今生の願いじゃ!」と上泉自身が掲げた「千年無双」という伝説を、日野長光に刀とともに託した。長年、武芸者として過ごしてきた男の夢を好敵手に後を頼む場面。

上泉伊勢守信綱(かみいずみいせのかみのぶつな)「痛えよ、バカタレ、そんじゃね」

夢を託して倒れた上泉を受け止めようと抱きしめた長光だが、力が強かったために上泉に「痛えよ、バカタレ、そんじゃね」と戦いの中で約束した通りに、最後の抱きしめてくれた感動の場面。

日野長光(ひのちょうこう)「託された…夢の続き…」

試合が終了し、上泉の刀を手に長光が「託された…夢の続き…」託されたモノを受け止めそれに答えようと覚悟した。

『テンカイチ 日本最強武芸者決定戦』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

特殊な読み方のルビ芸

つまらん⇒ゴミクズ。特別なルビ振り

1600年という古い時代ながら台詞が若干現代チックな部分がちらほら見られ、中々なルビ芸も散見される。例えば、つまらん(ゴミクズ)、トーナメント(戦の山)、不十分(ダメ)、最強の死(はなび)、限界(まちきれない)、早漏(フライング)、邪魔(いらん)、権力財力(ちから)、殺し合い(セッション)、最高潮(クライマックス)など場面に合わせた特殊な読みを入れている。

鬼気迫る戦闘シーン

宮本武蔵との戦いで、高ぶり本気を出していく本多忠勝

若干超人バトル漫画寄りにはなっているが、あずま氏の鬼気迫る迫力ある作画で繰り広げられる戦闘シーンも魅力の一つ。

先の読めないトーナメント

トーナメント出場者の有名な顔ぶれ

本作の特徴として明確に主人公格に当たる人物が定められていない。出場者一人一人に主人公にふさわしい覚悟とバックボーンがある。そのため誰が勝ち残っていくのか予想しづらいのも大きな特色。

nishi_70
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@nishi_70

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