テンカイチ 日本最強武芸者決定戦(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『テンカイチ 日本最強武芸者決定戦』は、原作・中丸洋介、作画・あずま京太郎による作品。『月刊ヤングマガジン』にて連載。織田信長が天下を統一した架空の戦国時代が舞台。死期を悟った織田信長が、天下の座を与える後継者を選任するために、代理国獲合戦「テンカイチ」の開催を宣言した。天下を狙う大名や公家の者は、名代として戦いを行う武芸者を率いて大阪城へと集う。架空の戦国時代を舞台にそれぞれの思いや力をぶつけ合い、天下を目指していく戦国奇譚。

冨田勢源(とだせいげん)

正面)白髪の老人⇒冨田勢源

中条流(ちゅうじょうりゅう)の使い手で、体格に合わせて太刀でなく小太刀を得物として「小太刀無双」の異名を持っている。盲目かつ小柄な老人だが、一太刀抜くやその剣技は見えているかの如く精緻を極めた武芸者。様々な強者達に「冨田には手を出すな」と言わしめる実力で、織田家の家臣であれ侮辱した者を痛ぶり殺すなど残忍な一面を持つ。
1573年の織田軍の侵攻により孫の善左衛門ら一族を失っており、信長を「暗君」と酷評を吐いている。善左衛門をなくした勢源は、人を遠ざけ廃人のような生活を送り、視力も完全に失った。突如、山籠もりをはじめそこで余人の目には見えぬ善左衛門の幻影と数年の稽古を積み、白夜眼と称されるほどの超感覚を身に付けて、盲目ながらも常人の視力以上の精緻な剣の腕に到達した。風魔小太郎との対戦により、勢源の白夜眼はわずか先の未来を見通すほどの感知能力を覚醒させ小太郎を追い詰める。対決の終盤には満身創痍の傷を負い小太郎に心臓を貫かれながらも刀を振り下ろそうとするが1歩及ばず力尽きた。勝利への執念から小太郎に「今までで1番の男」と評された。

ウィリアム・アダムス

死の舞(ダークダンス)の使い手で、「海の魔物」の異名を持つ。テンカイチの3カ月前にイングランドから長州藩周防の浜へ漂着した西洋人で西洋短剣を得物としている。英国では父と同じく船乗りを生業とし、一方で決闘裁判の代理闘士であった母からその武術と死の舞を受け継いだ。嵐に遭い長州藩へと漂着したが、自身を捕えに来た毛利軍を返り討ちにしたことで毛利輝元の目に留まり、毛利家の代表となった。
柳生宗矩との対戦は、船上という不安定な足場と死の舞の独特なステップで間合いと鍔迫り合いで相手を制御する「バインド」を用いて宗矩を蹂躙しようとするが、バインドを見破られ、殺意をあらわにした宗矩に一方的に切り刻まれ敗北した。

柳生宗矩(やぎゅうむねのり)

柳生新陰流(やぎゅうしんかげりゅう)の使い手で、「剣術無双」の異名を持つ。「剣聖」と呼ばれた柳生石舟齋(やぎゅうせきしゅうさい)を父にもち、生まれながらの武人で、石舟斎に勝るともいわれる実力を持っている。また織田家兵法指南役も勤めている。
穏やかな物腰をしているがその内面には強者との死合いを望む激しい殺意を秘めており、本性を表した際には、殺意のあまり表情が歪み般若のような顔になる。宗矩の殺意は、致命傷を与えず、心身ともに削り落とす残虐なもので、その異常性を危惧した父から3年間幽閉されていたが、その異常さが変わることはなかった。
ウィリアムの「死の舞」と「バインド」により防戦を強いられていたが、その後はあっさりと技を見切り、殺意のままに切り刻んで勝利した。

上泉伊勢守信綱(かみいずみいせのかみのぶつな)

新陰流(しんかげりゅう)の使い手で、「剣聖」、「武神」の異名を持つ、齢92にもなる老人である。ほとんどの時間を押し車の中でうたた寝をしているが、強者が現れると覚醒し子供のように無邪気に振舞う。しかしその武勇に多くのテンカイチの武芸者が試合を見に訪れるほどである。
「剣聖」の異名を持ちながら抜刀することを禁じ手とし、相手の力を利用して受け流す「無刀取り」を扱う。若かりし頃より剣才を発揮し目標を「千年無双」と称し神の境地へと至るために鍛錬を行ってきた。人の域を脱せず悩み、剣を捨て瞑想をする日々を送っていた際に仮死状態になったことで神の領域に触れ、天地や武術の理を身に付けあらゆる力を制御する術を手に入れた。「天覚の門を開く」と表現され、「天戸門」「極落門」と順次開放していくことで人智を越えた武術を覚醒し、その影響で生命が活性化して次第に若返る現象が起こる。長光の予測を超える力を見て、神の境地へと至るに足る強敵として認め、感謝と喜びを伝え抜刀をし、門を開き戦うがその代償に寿命が尽きてしまい敗北。長光に己が夢の続きを託し息を引き取った。

日野長光(ひのちょうこう)

相撲術(すもうじゅつ)の使い手で、「鬼神」や「力の現人神(あらひとがみ)」の異名を持っている。鬼の面を被り、屈強な肉体の持ち主で織田信長に仕えていた。その巨体から凄まじい破壊力の張り手や蹴りを繰り出し、真剣すら受け止める強靭な骨格と肉体を持つ。日野長光の名はかつて倒した織田家の力士が名乗っていたものである。
雄叫びや唸り声のみで言葉をほとんど発さないが、それは鬼の面により抑え込まれ眠っている状態のためで、鬼の面を外すとその素顔と同時に真の人格が覚醒する。ツノを持つ赤子として生まれ、立ち上がりや言葉の理解、人間離れした腕力を持つなどの出生時から「鬼神」として恐れ敬われていた。「鬼神」としての存在を利用され、名前を与えられず人としての情や倫理を教えられなかったことから圧倒的な暴力のみを振りかざしていたが、本心では人として求められ、愛されることに飢えていた。
上泉との戦闘により強敵として認められ感謝の言葉を受けたことで生きる意味を見出し、彼に導かれるように更なる力を発揮した。それでも上泉には及ばず彼の武術に屈するが、上泉の寿命が尽き、「千年無双」の夢と刀を託され勝利した。

佐々木小次郎(ささきこじろう)

巌流(がんりゅう)の使い手。翁の面を被り、顔を隠している。

服部半蔵(はっとりはんぞう)

鬼槍流(きそうりゅう)の使い手。かつて本多忠勝とともに家康に仕え、忠勝をバカ筋と親しく呼び、家康を励ます。

東郷重位(とうごうしげかた)

示現流(じげんりゅう)の使い手。

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