勇者、辞めます(次の職場は魔王城)のネタバレ解説・考察まとめ
『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』とは、2017年1月12日から2月7日まで小説投稿サイト「カクヨム」に連載された小説。及びそれを原作とした漫画、アニメ作品。作者はクオンタム。
機械文明時代に作られた生体兵器レオが3000年後の世界を舞台に、心に埋め込まれた呪縛から自分を解き放ち、勇者としての生き方を辞めて新たな存在意義を見出すまでのプロセスを描く。レオが物語で語る仕事術は作者が実際の仕事を通して手に入れたものであり、アニメの中だけにとどまらず日常でも活かせる有益な情報である。
レオ・デモンハート
CV:小野賢章
年齢:3002歳
種族:ヒト型生体兵器
出身:東京都・生命科学研究所
身長:170cm
体重:57kg
好き:世界の危機
嫌い:世界の危機
赤い瞳と黒髪の見た目は18歳前後の若者。西暦2060年に作られた生体兵器。約3000年前(西暦2060年)、魔王ベリアルが人間界に侵攻したとき作られた生体兵器デモンハートシリーズの5号機。開発コンセプトは「超成長」であり、戦った相手の能力を模倣し無限に成長する。寿命はなく半永久的に生き続ける。人類を守ることを使命とする。
本来デモンハートシリーズに感情は存在しなかったが「超成長」をコンセプトとしたレオだけがバグのような形で感情を会得してしまった。睡眠も食事も必要ないが、人間と同じように食べて寝る生活を送っている。レオがやたら仕事に関する知識が豊富なのは、世界が平和で勇者が必要ないとき正体を隠して一般人として社会生活を送っているから。
黒騎士オニキス
CV:小野賢章
レオが魔王軍に仮採用されたときの変装した姿。レオの魔王軍入りを認めない魔王エキドナに正体を隠すための処置である。最初は「ゴットハート卿」と名乗っていた。
エキドナ
CV:本渡楓
年齢:495歳
種族:純魔族
出身:魔界
身長:153cm
体重:43kg
好き:魔界の民、自分の部下
嫌い:魔界、勇者レオ
魔界生まれの魔界育ち。父は先代魔王キュクレウス(500年前に人間界に攻め入った実績を持つ)。魔界の王は世襲制ではなく実力制であるが、エキドナは実力で魔王の地位を獲得した。魔力はシュティーナより高く、剣の腕はエドヴァルトより上。愛用している魔剣ティルヴィングは持ち主の魔力に応じて切れ味が増す。
幼い頃に人間界の美しさを知り、荒れ果てた魔界の環境を人間界のようにする方法を探し続けていた。その結果、見つけた望みが人間界にある賢者の石の力を使うこと。賢者の石を得るために人間界に攻め入ることとなった。数百年に1度だけ開く大霊穴を通って人間界に攻め込んだが、勇者レオに行く手を阻まれ敗北。大人の美女から15歳前後の少女の姿に変えられ、僅かな手勢とともに大霊穴のあるセシャト山脈に追いやられてしまった。
大霊穴は多数の魔術装置により維持されているが残された時間は少ない。だからエキドナは種族を問わず採用面接を行い、軍の再編成を急いでいる。部下を大切にし、民を守り、不要な殺しをしない。しかし敵だと認識した者に対しては容赦しない。
シュティーナとの付き合いは長く、かつて教師と生徒の関係だった。シュティーナが教師でエキドナが生徒である。200歳ほど若いシュティーナが天才少女ともてはやされていた頃、教えを請いに行ったのが始まり。
リリからは「エキドナちゃん」と呼ばれ慕われている。酒豪であり、いくら酒を飲んでも酔いつぶれない。体に残る酒気を魔力を使って一瞬で消すことが可能。レオを嫌っているが、人類を守るために戦ったレオに対する憎しみはない。
エドヴァルト
CV:稲田徹
年齢:38歳
種族:竜人族
出身:南方・ラルゴ諸島
身長:198cm
体重:106kg
好き:竜人族、剣術の鍛錬、ジェリエッタ(娘)
嫌い:人間
筋骨たくましい竜人族の勇者であり、竜人族特有の竜鱗(ドラゴンスケイル)があるため並の剣では体を貫かれない。背負った大剣はエドヴァルトの生きる時代の技術では作れない科学文明の遺産であり、魔力を流し込むことで高速に振動し威力が増す。戦闘時は背中から生えた翼で空中を飛び回り敵を翻弄する。体内の魔力を炎に変換して口から放つことができる。
かつて人間が竜鱗を武器とする目的で竜人族を襲撃したことがあり、竜人族の間には人間に対する恨みが今でも残っている。エドヴァルトも人間に対して良い感情を持っていない。それが理由で魔王エキドナに一族代表として協力する流れとなった。
真面目な性格で部下を率いる立場としての努力を怠らない。敵味方関係なく強い者に対しては敬意を払う。部下思いの立派な上司であるが、その強さ故に弱い者の立場に立って考えることができない欠点があった。しかし、レオと娘のジェリエッタの共同作戦により自分の過ちに気付かされ、それ以降は部下たちに無理難題を要求することはなくなる。
娘のジェリエッタをかわいがっており、一緒にいる時間を大切にしている。
シュティーナ
CV:伊藤静
年齢:241歳
種族:サキュバス
出身:魔界
身長:171cm
体重:?
好き:ハーブティー、呪文の習得
嫌い:無責任な者、魔術に無理解な者、勇者レオ
魔術の才能は高く、あらゆる呪文や魔術を習得してきた。潜在魔力量が桁違いで、体の限界がなければ3日3晩呪文を放ち続けても魔力が尽きることはない。魔杖クラウストルムは魔力消費が高い代わりに呪文の威力を高める効果を持つ。闇に属する種族サキュバスなので神聖魔術だけは使えない。魔術による長距離砲撃戦を得意とする。離れた場所を見ることが可能な魔道具を所有し、長距離砲撃と合わせて戦うことで人間が魔王軍に接近することを防いだ。
幼い頃から魔術の習得に打ち込んできたためサキュバスとしての経験はほぼなく、それをレオにからかわれることがある。仕事ぶりは真面目。エキドナのためなら無理にでも仕事をするため、レオが魔王城に来たときは体力の限界に近かった。現状を知ったレオにより魔王城での仕事の割り振りが改善され、それ以降、シュティーナはレオを信頼するようになる。
リリ
CV:大和田仁美
年齢:12歳
種族:デミ獣人
出身:西方・エルキア大陸奥地
身長:143cm(人型時)
体重:37kg(人型時)
好き:父、祖父、レオ
嫌い:空腹
エルキア大陸奥地に住む少数部族セスの少女。部族の長の1人娘。見聞を広め婿にふさわしい強い男と戦うために中央大陸に来たところでエキドナにスカウトされる。よく分からないまま強い人間と戦ううちに四天王の1人となった。普段は小柄な少女の姿だが、戦闘時は神狼フェンリルへと姿を変える。魔獣を含めたあらゆる獣と心を通わせるスキルを持つ。そのスキルを活かして魔獣と獣人の混成部隊を指揮しているが、戦略・戦術といったことを考えないため指揮官として役割を果たしているとは言い難い。ちなみに神狼フェンリルはエルキア大陸に古くから伝わる守護神として知られている。なぜリリがフェンリルに変身できるのかは今のところ不明。
レオとの出会いは雨宿りの木陰。当時のリリは記憶喪失でレオに保護されるが数日たって記憶が戻る。勇者レオに襲いかかるが、あっさり撃退された。それ以降、自分より強い男レオを婿にしようと積極的にアプローチするようになる。
メルネス
CV:内山夕実
年齢:17歳
種族:人間(半人半魔)
出身:東方・シュタール地方
身長:158cm
体重:49kg
好き:夜更かし、刃物の手入れ、鳥
嫌い:人間、勇者レオ
女装しても違和感がない色白の少年。物心ついたときには、聖都レナイェの東方に位置するシュタールのスラムに捨てられていた。両親のどちらかが魔族の半人半魔である。そのため幼少時から気味悪がれ、奴隷商人に売り飛ばされた末に暗殺者ギルドに買われた。捨て駒のはずが才能を示し、暗殺対象を仕留めてギルドに生還。以来、暗殺者として活躍し最年少でギルドマスターとなる。独自のルートで魔王エキドナとコンタクトし、能力を認められ魔王軍四天王の1人となった。
空中に魔力で足場を作り、1〜5mの距離を一瞬で移動できる。そのため近接戦にて無類の強さを誇る。
そっけない態度で口数も少ないが、他人を思いやるやさしさの持ち主。
ジェリエッタ
CV:松岡美里
エドヴァルドの娘。父エドヴァルトを尊敬しており、幼いときから父を目標にしている。
しかしエドヴァルトには「弱い者の心が分からない」という欠点があり、長年の悩みだった。
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目次 - Contents
- 『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』の概要
- 『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』のあらすじ・ストーリー
- 元勇者レオが魔王軍に仮採用
- 魔将軍シュティーナの仕事を効率化
- 獣将軍リリの任務をフォロー
- 魔王エキドナとの飲み会
- 無影将軍メルネスの悩みを解決
- 竜将軍エドヴァルトの抱える問題を解決
- エイブラッドの教え
- レオの豹変
- 勇者レオが魔王軍に入った真の目的
- 勇者を辞めたレオの新しい使命
- 『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』の登場人物・キャラクター
- レオ・デモンハート
- 黒騎士オニキス
- エキドナ
- エドヴァルト
- シュティーナ
- リリ
- メルネス
- ジェリエッタ
- ディアネット
- エイブラッド
- 『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』の用語
- 遠見魔眼(ミラージュアイ)
- タリスマン
- 竜人族
- ラルゴ海
- 神狼(しんろう)フェンリル
- 賢者の石
- アカシックエンジン機能仕様書
- デモンハートシリーズ
- 架け橋のエイブラッド
- 大霊穴(だいれいけつ)
- 対勇者拘束呪アンチレオ
- 『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- レオ・デモンハート「いいか、仕事ってのは1人でやるもんじゃない」
- 元勇者レオが自分の過ちを反省する
- レオ・デモンハート「仕事だろうがプライベートだろうが、会話で必要なのは思いやりの心だ」
- メルネス「ちゃんと聞くから、ちゃんと話せ」
- レオ・デモンハート「お前ら、いい奴らだよ」
- レオ・デモンハート「お前のそういう真面目で真っ直ぐな思いがあれば大丈夫だ」
- ジェリエッタが、父エドヴァルトの名誉のためレオに立ちはだかる
- エイブラッド「生体兵器だか何だか知らんが、お前の人生、お前の好きに使え!」
- 『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 作者クオンタムが『勇者、辞めます』を執筆したのは、TRPG仲間「ロケット商会」の受賞がきっかけ
- レオが語る仕事術は作者クオンタムの実体験によるもの
- 作者のクオンタムはファンタジーが大好き
- 『勇者、辞めます』の推しくじが販売
- 『勇者、辞めます』のキャラクターの2つ名をTwitter上で募集
- 各キャラクターのCVによるアニメ放送後のコメント
- 『勇者、辞めます(次の職場は魔王城)』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング):鈴木みのり「BROKEN IDENTITY」
- ED(エンディング):東山奈央「Growing」(第2話 - 第7話、第12話)
- ED(エンディング):東山奈央「de messiah」(第8話 - 第11話)