五等分の花嫁の名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『五等分の花嫁』は、春場ねぎによって『週刊少年マガジン』に読み切りとして掲載された後、2017年から2020年にかけて定期連載されるようになったラブコメディ漫画である。貧乏男子高校生・上杉風太郎と彼が家庭教師を務める五つ子の女子高生中野一花(なかのいちか)、二乃(にの)、三玖(みく)、四葉(よつば)、五月(いつき)達の交流を描く。個性豊かな五つ子たちの可愛らしさ、主人公との胸キュンな恋愛模様が人気を集めている。

中野姉妹(左)に励ましの言葉をかける風太郎(右)

中間テストの日、前日に勉強に明け暮れた中野姉妹と風太郎はうっかり寝坊してしまった。足が早い四葉だけは間に合ったものの、残りの4人は遅刻してしまう。見た目がそっくりであるのを利用して姉妹4人はなんとか潜り込むが、風太郎だけは遅刻を誤魔化せず、生徒指導室に引っ張られていく。それを影から見て焦る姉妹に、風太郎は「早くいけ、俺がいなくても大丈夫だ。努力した自分の力を信じろ!」と声をかけた。その言葉を聞いた姉妹達は、中間試験で全力を尽くそうとやる気を燃やすのだった。

「平等じゃなく、公平にいこうぜ」

林間学校の最終日、スキーに参加していた風太郎は姉妹と追いかけっこをするはめになる。運動が得意な四葉は圧倒的に有利で、運動音痴な風太郎や三玖は四葉に追い回され、一緒にかまくらに隠れていた。「平等」にこだわっていた三玖はハンデをもらおうと提案し、「足の速さを平等に」と話す。しかし風太郎はその考えを「あまり好きじゃない」と言い、「お前達5人は恐らく元は同じ身体能力だったろ、五つ子だし」「だったらあの運動能力は四葉が後天的に身に着けたものだ」「遊びで何言ってんだって話だけどさ、その努力を否定したくない」と話したうえで、「全員平等もいいが、そこに至るまでを否定しちゃいけない。平等じゃなく、公平にいこうぜ」と告げた。「今まで姉妹全員が平等でなければ」という考えと「自分だけが風太郎の特別になりたい」という思いの矛盾に悩んでいた三玖は、この風太郎の言葉を聞いて何かを見つけた様子を見せたのだった。

「少しは父親らしいことしろよ 馬鹿野郎が」

自分の家庭教師としての力量不足を感じていた風太郎は、期末テストを機に家庭教師を辞めると決意していた。姉妹の継父である中野マルオに電話してそのことを告げた風太郎は、最後に「少しは父親らしいことしろよ。馬鹿野郎が」と叫んで電話を切った。父親であるにも関わらず姉妹に関心を寄せようとしないマルオへの怒りと、姉妹のことを思う気持ちが込められた一言である。

「お前のせいでじゃない お前のために集まったんだ」

病院で四葉(右)に文化祭のことを話す風太郎(右)

人のために何かをすることを喜ぶ四葉は、文化祭で張り切って働きすぎたがために、2日目に過労で倒れてしまう。彼女が病院で目を覚ました時には夜になっていた。多くの仕事を引き受けていたにもかかわらずそれをこなせなかった四葉は、頼まれていた人達に迷惑をかけたことを詫びて回ろうとする。泣いて後悔する四葉に、風太郎は四葉が倒れている間の出来事を話す。四葉の抜けた穴を埋めてくれていたのは、これまで四葉が助けた人達だった。そして風太郎は、「お前のせいでじゃない。お前のために集まったんだ」と四葉に告げる。自分のやってきたことを認められた四葉は、すべてを抱え込むのではなく人を頼れるようになったのであった。

「だからお前がよければ…俺と…俺は…好きです 結婚してください」

四葉(左)に告白する風太郎(右)

晴れて両想いになった風太郎と四葉は休日デートをしていた。しかし風太郎はどうにも締まらず、良いところを見せられずにいた。デートの最後、風太郎は四葉を彼女が好きな公園に連れて行く。一緒にブランコに乗った後、風太郎は「こんなデート一つこなすことのできない未熟者の俺だが、それでもお前の横に立って並べる男になれるよう精進する。正しい道も間違った道も、一緒に歩いて行こう。だからお前がよければ…俺と…俺は…。好きです。結婚してください」と告げた。この言葉を聞いた四葉もまた「昔の夢を思い出しました」と語り、そして「お嫁さんです」と風太郎の告白を受け入れる。長年想い合いながらもすれ違い続けた2人がようやく結ばれた名場面である。

中野一花の名言・名セリフ/名シーン・名場面

中野一花(なかのいちか)は、中野姉妹の長女である。一卵性の五つ子のため、姉妹全員の顔とスタイルは極めてよく似ている。5月5日生まれである。アシンメトリー調のショートヘアと右耳のピアスが特徴で、イメージカラーは黄色である。風太郎のことを「フータローくん」と呼ぶ。五つ子の中では数学を得意とする。

からかい上手の小悪魔的な性格で、物語開始当初から風太郎をドギマギさせる一面もあった。長女らしく面倒見のよいお姉さん気質で、実際に「お姉さん」と自称することも多い。日頃から妹たちのことを気にかけており、同じ歳であるはずの風太郎にもお姉さんぶって時折アドバイスを送っている。しかし、気遣いが行き過ぎるあまり、自分自身の気持ちを押し殺してしまうところがある。私生活はかなりズボラで怠惰であり、自室は汚部屋と化している。

実は駆け出しの女優であり、学校や家族にも秘密にしてオーディションを受けるなど細々と活動していた。自分の夢を知った上で応援してくれた風太郎に対し、好意を抱くようになる。他の姉妹の風太郎に対する好意を知っており、さらに彼と自分達の現在の関係に居心地の良さを感じていたために、自身の恋心とのジレンマを感じていた。しかし四葉の言葉によって自分の気持ちに素直になり、行動を起こし始めた。

「もう、勉強勉強って。せっかく同級生の女の子の部屋に来たのに、それでいいの?」

勉強させようと自室に入って来た風太郎に対する一花のセリフである。家庭教師を引き受ける事になって一日目、中野姉妹の自宅に訪問した風太郎だが、姉妹はなかなかやる気を見せない。勉強を教えようと四苦八苦する風太郎が唯一残っていた四葉とともに一花の部屋を訪れると、そこは目を見張るばかりの汚部屋だった。肝心の一花は裸で布団をかぶって寝ており、「もう、勉強勉強って。せっかく同級生の女の子の部屋に来たのに、それでいいの?」と言って、色仕掛けで風太郎を動揺させようとした。策にハマった風太郎は「わざとやっているのか」と焦る。一花の小悪魔的性格がよく現れた名セリフである。

「この仕事を始めてやっと長女として胸を張れるようになれると思ったの 一人前になるまではあの子たちには言わないって決めてたから」

花火大会の日、一花を探していた風太郎は彼女が姉妹に隠れて女優の仕事をしていることを知る。花火大会の日がオーディションと被っていたため、一花は一緒に花火を見るという約束を破ってオーディションに出ようとしていた。そのそぶりから風太郎は、一花が去勢を張ってはいてもその実は不安を抱えているのを察する。「余裕あるフリして、なんであの時、震えてたんだよ」と尋ねられた一花は、「……。この仕事を初めてやっと長女として胸を張れるようになれると思ったの。一人前になるまであの子たちには言わないって決めてたから、花火の約束あるのに最後まで言えずに黙ってきちゃった。これでオーディション落ちたら…みんなに合わす顔がないよ」とその本心を明かした。長女としての責任を果たそうとする一花の強さと、その裏にある弱さが現れたセリフである。

「先生。あなたが先生でよかった。あなたの生徒でよかった」

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