Metallica(メタリカ)とは【徹底解説まとめ】

Metallica(メタリカ)とは、アメリカ合衆国のヘヴィメタルバンドで、世界的な知名度を持ち、日本でも根強い人気を誇っている。アルバムを出すごとに楽曲の印象が大きく変わり、様々な要素を取り入れた楽曲は、メタル史において大きな影響を与えた。スラッシュメタル四天王の一角としてメタルシーンを牽引してきたMetallicaは、ローリング・ストーン誌の読者が選ぶ「最高のメタルバンドベスト10」において1位を獲得。グラミー賞を始めとした数々の賞を受賞し、ロックの殿堂入りを果たしている。

『Kill 'Em All』

1983年7月25日リリース

1. Hit the Lights
2. The Four Horsemen
3. Motorbreath
4. Jump in the Fire
5. (Anesthesia) Pulling Teeth
6. Whiplash
7. Phantom Lord
8. No Remorse
9. Seek & Destroy
10. Metal Militia

Metallicaのデビューアルバム。スラッシュメタルというサブジャンルを確立し、多くのアーティストに影響を与えた作品である。リリース当初はそこまで売れたわけではないが、後に大きな評価を得ている。ローリングストーン誌の「80年代の最も偉大なアルバム」で35位、同誌の「史上最高のメタルアルバム」では54位、Kerrang!の「史上最高のヘビーメタルアルバム」で29位にランクインしている。1999年にはアメリカで300万枚売上げたとして、全米レコード協会からプラチナ認定を受けた。

『Ride the Lightning』

1984年7月27日リリース

1. Fight Fire with Fire
2. Ride the Lightning
3. For Whom the Bell Tolls
4. Fade to Black
5. Trapped Under Ice
6. Escape
7. Creeping Death
8. The Call Of Ktulu

Metallicaの2枚目のアルバム。前作『Kill 'Em All』は荒々しい作品であったが、バンド内で唯一ジャズやクラシックの素養を持つCliff Burtonが加入したことで、スラッシュメタルのスピード感に叙情性が加わり、楽曲全体の進化を感じさせる作品となった。このアルバムはラジオでの露出は少なかったものの、アメリカのビルボードチャートでは最高100位を獲得した。2012年には全米レコード協会からプラチナ認定を受け、IGN Musicの「トップ25メタルアルバム」にて5位、ローリングストーン誌の「史上最高のメタルアルバム」で11位にランクインしている。

『Master of Puppets』

1986年3月3日リリース

1. Battery
2. Master of Puppets
3. The Thing That Should Not Be
4. Welcome Home (Sanitarium)
5. Disposable Heroes
6. Leper Messiah
7. Orion
8. Damage, Inc.

Metallicaがメジャー契約後、初めてリリースした通算3枚目のアルバムであり、Cliff Burtonが参加した最後の作品でもある。アメリカのビルボードチャート初登場128位であったが、72週連続でチャートインし、最高29位まで上昇した。Metallicaがチャートのトップ30以内に入ったのはこのアルバムが初めてで、全米レコード協会からプラチナ認定を受けている。メタルジャンルにおいてプラチナ認定を受けたのも『Master of Puppets』が初めての作品となった。2015年には、文化的、歴史的、芸術的に重要な録音物であるとみなされ、全米議会図書館に登録されている。

『...And Justice for All』

1988年9月7日リリース

1. Blackened
2. ...And Justice for All
3. Eye of the Beholder
4. One
5. The Shortest Straw
6. Harvester of Sorrow
7. The Frayed Ends of Sanity
8. To Live Is to Die
9. Dyers Eve
10. The Prince(限定版のみ)

Cliff Burtonの死後、後任ベーシストであるJason Newstedを迎えてから初めてリリースされたMetallicaの4枚目のアルバムである。このアルバムの最大の特徴は、ベースの音がほとんど聞こえないことだ。Jason Newstedの加入をすぐに受け入れることができず、嫌がらせの一環でベース音を下げるミキシングにしたといわれているが、メンバーはこれを否定している。Cliff Burtonはバンドにとって大きな存在であったため、彼の死に対する怒りや悲しみを表現するかのように、刺々しいサウンドが目立つ。ほとんど聞こえないベースの音に批判の声が集まっていたが、アメリカのビルボードチャートでは83週に渡りチャートインし、最高6位を記録した。IGNの「トップ25メタルアルバム」で9位、 Guitar Worldの2006年に行われた読者投票による「100のグレイテストギターアルバム」で12位にランクインしている。

『Metallica:The Black Album』

1991年8月12日リリース

1. Enter Sandman
2. Sad But True
3. Holier Than Thou
4. The Unforgiven
5. Wherever I May Roam
6. Don't Tread on Me
7. Through the Never
8. Nothing Else Matters
9. Of Wolf and Man
10. The God That Failed
11. My Friend of Misery
12. The Struggle Within

Metallicaによる最大のヒット作となった通算5枚目となるアルバムである。通称『The Black Album』。アメリカのビルボードチャートで4週連続1位を記録し、アメリカだけで1,600万枚をセールスしており、2012年には16倍プラチナ認定を受けた。このアルバムにはグルーブを重視した聞きやすい曲が多く、スラッシュメタルから遠ざかった印象で、これまでのアルバムとは逸脱した音楽性になっている。今までのメタルシーンには無いサウンドを生み出したことにより、多くのアーティストがこのアルバムに影響を受け、メタルの可能性を広げるきっかけとなった作品でもある。

『Load』

1996年6月4日リリース

1. Ain't My Bitch
2. 2X4
3. The House Jack Built
4. Until It Sleeps
5. King Nothing
6. Hero Of The Day
7. Bleeding Me
8. Cure
9. Poor Twisted Me
10. Wasting My Hate
11. Mama Said
12. Thorn Within
13. Ronnie
14. The Outlaw Torn

Metallicaの通算6枚目のアルバム。前作の『Metallica:The Black Album』に引き続き、スラッシュメタルというMetallicaのルーツから離れ、ロックジャンルを追求した作品である。メタルの枠を大きく超えたこのアルバムは酷評が相次いだが、アメリカのビルボードチャートで4週連続1位を獲得し、プラチナ認定を受けている。『Load』のヒットは、Metallicaが普遍的なメタルバンドではなく、アメリカを代表するロックバンドとして認められる要因になった。

『Reload』

1997年11月18日リリース

1. Fuel
2. The Memory Remains
3. Devil's Dance
4. The Unforgiven II
5. Better Than You
6. Slither
7. Carpe Diem Baby
8. Bad Seed
9. Where the Wild Things Are
10. Prince Charming
11. Low Man's Lyric
12. Attitude
13. Fixxxer

Metallicaの通算7枚目となるアルバム。もともとは前作の『Load』とダブルアルバムでリリースする予定だったが、レコーディングが間に合わず、連作として扱われている。そのため、このアルバムもスラッシュメタルから大きく後退した作品となり、往年のファンやメタルバンドから酷評を受けた。普通なら売り上げが下がることが予測されるが、アメリカのビルボードチャートで初登場1位に輝き、75週にも渡りチャートに居座っていた。アメリカだけで300万枚以上を売り上げ、3倍プラチナ認定されている。

『St. Anger』

2003年5月1日リリース

1. Frantic
2. St. Anger
3. Some Kind of Monster
4. Dirty Window
5. Invisible Kid
6. My World
7. Shoot Me Again
8. Sweet Amber
9. Unnamed Feeling
10. Purify
11. All Within My Hands

『Load』『Reload』に続き、問題作と称されるMetallicaの通算8枚目のアルバムで、「もはやメタルでも何でもない」といわれるほどの酷評を受けた作品である。このアルバムにはギターソロがなく、ドラムの響きや音色を左右するスナッピーを取り外した独特なスネアの音に非難が集中したのだ。しかし、このインダストリアルっぽさを醸し出す独特なスネアの音色は、このアルバムのコンセプトである「怒り」の表現に適している。オルタナティブやニューメタルの要素が入り混じり、前作よりも激しいサウンドの本作は、若い世代の新しいファンを獲得するきっかけとなり、アメリカのビルボードを含めた14か国で1位を記録した。アメリカだけで200万枚以上を売り上げたとしてダブルプラチナ認定されている。

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