Metallica(メタリカ)の徹底解説まとめ

Metallica(メタリカ)とは、アメリカ合衆国のヘヴィメタルバンドで、世界的な知名度を持ち、日本でも根強い人気を誇っている。アルバムを出すごとに楽曲の印象が大きく変わり、様々な要素を取り入れた楽曲は、メタル史において大きな影響を与えた。スラッシュメタル四天王の一角としてメタルシーンを牽引してきたMetallicaは、ローリング・ストーン誌の読者が選ぶ「最高のメタルバンドベスト10」において1位を獲得。グラミー賞を始めとした数々の賞を受賞し、ロックの殿堂入りを果たしている。

Metallicaが今まで避けていたであろうストーレートな音楽性を追求した一曲である。この曲の歌詞は、1972年のアルゼンチンで起きた飛行機事故を題材にしたGBHの「Passenger on the Menu」という楽曲にインスパイアされたという。

Metallica(メタリカ)の名言・発言

左からKirk Hammett・Lars Ulrich・Robert Trujillo・James Hetfield

James Hetfield「"The God That Failed"は個人的な曲で、子供の頃の信仰を強制された経験を歌っている。」

『The Black Album』リリース後のインタビューにて、James Hetfieldは「"The God That Failed"は個人的な曲で、子供の頃の信仰を強制された経験を歌っている。」とコメントした。
Jamesの両親はクリスチャン・サイエンスの信仰者で、Jamesは「身体は魂の器でしかなく、病気は神が治すもの」と教えられていた。しかし、一般的な思想とかけ離れたこの信仰は、幼い子供には理解しがたいものである。身体の構造や仕組みを学ぶことも許されず、保険や体育の授業は欠席することを余儀なくされた。そのため、幼い頃は強い疎外感と人間ではないような感覚に悩まされ、苦しんだ。その反動で生まれたのが「The God That Failed」である。この発言からは、子供の頃に受けた傷を治すことが容易でないことがわかる。

James Hetfield「表現の自由がなければ芸術は生まれないし、束縛する世界であってはいけないんだ。誰もが自由であるべきなんだ。」

日本で放送されていたメタル情報番組『PURE ROCK』のインタビューにて、James Hetfieldは「表現の自由がなければ芸術は生まれないし、束縛する世界であってはいけないんだ。誰もが自由であるべきなんだ。」と発言した。
以前、Metallicaは過激な音を作る理由を問われた際に、「理屈や理由がある訳ではなく、こういう音が好きだからってだけで音作りをしている。」と語ったことがある。音楽をストレートかつ自由に表現したことで、ある時は問題作だという評価を下された作品もあるが、批評をものともしない不動の人気を獲得している。これが彼らの自由な音楽性が評価されていることの証明になるだろう。

Lars Ulrich「(メタルの世界では)クリエイティブな面にも少し保守的な考え方があって、そこではリスクを取るよりは無難さが好まれるんだ。俺たちとしてはそういうのが本当にくだらないと思ってきたし、息が詰まると思ってきたんだよね。」

『Clash』誌のインタビューにて、Lars Ulrichは「(メタルの世界では)クリエイティブな面にも少し保守的な考え方があって、そこではリスクを取るよりは無難さが好まれるんだ。俺たちとしてはそういうのが本当にくだらないと思ってきたし、息が詰まると思ってきたんだよね。」と答えた。
Metallicaはアルバムを出す度に音像が大きく変化し、問題作が多いと取りざたされることもあった。それゆえ、無難さを求める批判の声は、Lars Ulrichや他のメンバーが長年葛藤してきた問題であることが伺える。

Kirk Hammett「基本的に、ギター演奏と音楽は僕の人生を救ってくれた。そして、それは僕にとって一種のセラピーだった。気分が良くないとわかっていても、気持ちを楽にしてくれたんだ。」

Ultimate Guitarのインタビューにて、Kirk Hammettは「基本的に、ギター演奏と音楽は僕の人生を救ってくれた。そして、それは僕にとって一種のセラピーだった。気分が良くないとわかっていても、気持ちを楽にしてくれたんだ。」と語った。
Kirk Hammettは父親から虐待を受けており、15歳ぐらいからギターを手にして自分の部屋にこもるようになったそうだ。その頃からギターを弾くと気分が良くなり、落ち着くことがわかってきたのだという。腕の立つギタリストは1日に何時間もギターの練習を行っていることが多いが、人生の大半をギターに注いできたと語るKirk Hammettも尋常ではない練習を重ねてきたことが伺える言葉である。

Metallica(メタリカ)の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

左からRobert Trujillo・Lars Ulrich・James Hetfield・Kirk Hammett

「Fade to Black」の演奏中に起こったパイロ事件

Metallicaが1992年に行ったGuns N' Rosesとの共同ヘッドライナー・ツアーで、「Fade to Black」を演奏中にJames Hetfieldはパイロが爆発するエリアに足を踏み入れてしまい、左腕に重症の火傷を負った。ライブは中止となり、彼は救急搬送された。バンドのメンバーが彼の容態を知ったのは事件から4時間後で、James Hetfieldが再度演奏することができるかは不明な状態であったという。しかし、幸いにもJames Hetfieldの腕は奇跡的に回復し、約2週間後にはステージへの復帰を果たした。
後のインタビューでJames Hetfieldは「ショックだった。神経がむき出しになったような感じだ。手が一番ひどかった。2つの層が泡状になって剥がれ落ちたんだ。今まで感じたことのないような最悪の痛みだった。」と語っている。

無実の罪で逮捕されたCliff Burton

Cliff BurtonはANTHRAXのScott Ianと共に、ウォークマンを買いに出かけたが、麻薬の売人と勘違いされ、逮捕されたことがある。売人の疑いをかけられた2人は警察署に連れて行かれ、下着だけの状態で窓のないコンクリートの独房に入れられた。一時期ではあるが、ロンドン滞在していたMetallicaとANTHRAXは同じアパートに住んでいて、Cliff Burtonがマットレスの下に大麻を隠し持っていることを知っていたScott Ianはヒヤヒヤしていたという。しかし、2人は何が起こったのかわからないまま、3時間後には釈放されたそうだ。

Robert Trujilloの息子がMetallicaの名曲を披露

Netflixの人気ドラマ『ストレンジャー・シングス 未知の世界』のシーズン4で、Joseph Quinn演じるEddy Mansonがギターを演奏して仲間の危機を救うシーンがある。このシーンで使われたのはMetallicaの名曲「Master of Puppets」だ。これがきっかけとなり、リリースした1986年以来、初めてチャートに再浮上し、TOP40入りを果たした。
「Master of Puppets」の『ストレンジャー・シングス 未知の世界』バージョンは、オリジナルサウンドトラックに収録されており、Robert Trujilloの息子であるTye Trujilloがギターの演奏で参加している。当時12歳だったTye Trujilloは、「Master of Puppets」の収録に向けて2年間練習を重ねたという。

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