天は赤い河のほとり(篠原千絵)のネタバレ解説・考察まとめ

『天は赤い河のほとり』は、1995年から2002年まで『少女コミック』にて連載された篠原千絵による漫画である。時空を超えて紀元前14世紀の古代ヒッタイト帝国へとやってきた主人公ユーリが、後の皇帝となるカイルと出会い、自らの運命を切り開いていく歴史ロマンス漫画。王道の少女漫画でありながら、ロマンに溢れ史実とオリジナルのバランスが非情に優れた作品。第46回小学館漫画賞少女部門受賞作品。

ミタンニ出身のエジプト王太后。その昔、オリエント一の美貌と言われていた。弟はマッティワザ1世。当時のエジプト王に側室として嫁ぎ、夫の死後は義理の息子であるアメンホテプ4世の正妃となり、その後も王宮に絶大な権力をほこった。敵国のナキアと通じ、ラムセスに証拠を突き付けられ失脚する。

ホレムヘブ

CV:宗矢樹頼
エジプトの将軍であり、後に王となる人物。

ミタンニの人々

マッティワザ1世 / 黒太子

CV:堀内賢雄
ミタンニのトゥシュラッタ王の王太子。エジプトに嫁ぎ、今や権勢を奮うネフェルティティ(タトゥーキア)の弟。血の黒太子と呼ばれ恐れられる。かつて愛した姉の影を追い、彼女が以前身に着けていたイヤリングを額飾りとしてつけている。ヒッタイトによるミタンニ陥落後、ナディアとともにバビロニアへ亡命する。

ナディア

マッティワザの側室であり、ナキア皇太后の妹。ミタンニ陥落後はマッティワザ1世とともに祖国バビロニアへ亡命する。

『天は赤い河のほとり』の用語

古代ヒッタイト帝国

物語の中心となる国。アナトリア(現在のトルコ)に高度な文明を築き、実際に存在した古代帝国。その大きな特徴の一つに製鉄技術がある。当時鉄を開発できたのはこのヒッタイト帝国だけと言われており、その圧倒的軍事力により強大な力を発揮し、当時の古代エジプトとも同等の力を持っていたと言われる。その証として有名なのが「カデシュの戦い」である。漫画の中ではカイルとラムセスが1対1で決闘するシーンが描かれている。

古代エジプト

カイルの最大のライバル、ウセル・ラムセスがいる大国エジプト。当時のエジプトを支配していた有名なファラオにラムセス2世がいる。彼の時代王国は最も栄えたと言われている。今も残るカルナック神殿やルクソール神殿、アブシンベル神殿などの巨大な神殿が建造されたのもこの時代である。(※漫画の登場人物のラムセスとは別人と言われている)

カデシュの戦い

紀元前1274年頃に起きた、古代エジプトとヒッタイトの戦い。公式な軍事記録として残存する史上初の戦争かつ平和条約(国際条約)が交わされたと言われている。その戦いの結果は引き分けに終わり、後に友好の印としてヒッタイトの王女がエジプト王(ラムセス2世)の妃として迎えられている。

ミタンニ

作中では血の黒太子という異名を持つマッティワザ王太子がいる国。彼の姉はエジプト王に嫁いだタトゥーキア。オリエント一の美貌と謳われていたその女性は、史実にも有名なネフェルティティである。ミタンニは対エジプト戦ではヒッタイト軍の強い味方となる。
なお、実際には当時のメソポタミア北部にあった王国。王家に内紛が起こったこと、ヒッタイトと戦い敗れたことで国が衰退する。その後アッシリアによって滅ばされたと言われている。

タワナアンナ

ヒッタイト帝国の后妃の称号。帝国を建国したラバルナ1世の妃タワナアンナの名前が、後の第一后妃の称号となった。ユーリもまた、作中でカイルの正妃、タワナアンナとして立后する。

バビロニア

魔力によりユーリを日本から連れてきた当時のヒッタイト帝国の皇太后、ナキアの故郷。現在のイラク、ティグリス川とユーフラテス川に挟まれたメソポタミアの下流域のあたりに栄えた。

オリエント

現在のイランからアラビア半島、エジプトを含めた地方を指す。

赤い河

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