天は赤い河のほとり(篠原千絵)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『天は赤い河のほとり』は、1995年から2002年まで『少女コミック』にて連載された篠原千絵による漫画である。時空を超えて紀元前14世紀の古代ヒッタイト帝国へとやってきた主人公ユーリが、後の皇帝となるカイルと出会い、自らの運命を切り開いていく歴史ロマンス漫画。王道の少女漫画でありながら、ロマンに溢れ史実とオリジナルのバランスが非情に優れた作品。第46回小学館漫画賞少女部門受賞作品。

カイルとユーリの結婚

婚礼の儀式のための水浴びをしているユーリに、ナキアの魔の手が近づく。水を操れるナキアによって、無理やり日本に返そうと水の中へ引きずり込まれそうになったユーリ。カイル、ルサファ、ジュダによって助けられたものの、その際ルサファはユーリを庇ってナキアに刺され、そのまま亡くなってしまう。それを見ていたジュダは、大きな憤りを覚え自身の母親に向かって、永久に王位継承権を放棄することを宣言する。この一言により、息子を皇帝にしたいというナキアの思いは二度と叶わないものとなった。その後彼女は辺境の地へと幽閉された。

全ての憂いがなくなり、国中は祝いのムード一色。カイルは改めてユーリにプロポーズをし、2人は無事に結ばれた。ユーリはこのときお腹に新しい命を宿していた。その後カイルの治世でヒッタイト帝国は最大の繁栄を極めた。

『天は赤い河のほとり』の登場人物・キャラクター

主要人物

ユーリ・イシュタル / 鈴木夕梨(すずきゆうり)

『天は赤い河のほとり』フラワーコミックスより引用

CV:高山みなみ
現代の日本に住んでいる15歳の少女。恋人とデート中、突如水の中から出てきた手によって引き込まれ、古代ヒッタイト帝国へと来てしまう。ユーリを引き込んだ手の持ち主、ナキアによって儀式の生贄となるところをカイルによって救われる。元の世界へ帰るために翻弄しながらも、まっすぐな性格と公平さを持ち、さまざまな戦果を挙げるうちにユーリ・イシュタルとして名を馳せるようになる。そのカリスマ性で民衆からの支持も厚く、ヒッタイト帝国にとってなくてはならない存在へとなっていく。後のヒッタイト皇帝カイルと恋に落ち、ナキアとの長い闘いを経て、カイルの正妃となる。古代ヒッタイト帝国の中で自らの生きる道を切り開いていく。

カイル・ムルシリ / ムルシリ2世

『天は赤い河のほとり』フラワーコミックスより引用

CV:井上和彦
古代ヒッタイト帝国の皇族。皇帝シュッピルリウマ1世の第3皇子。兄2人がいるものの、時期皇位継承者としては最有力候補。周囲からの人望も厚く、知性、武勇等、全てにおいて優れた能力とカリスマ性を持つ。自らが皇帝になった暁には闘いのない平和な治世を送りたいという思いを持っている。ナキアに生贄として連れてこられたユーリを救ったことから、行動を共にすることに。自らが持つ理想の皇妃として、その資質と器量が備わったユーリをいつしか愛するようになるが、日本へ帰すという約束をしたことで、自らの気持ちとの狭間で苦悩することに。その後多くの困難を経てユーリと結婚をし、その後長きに渡り平和な治世を送り、ヒッタイト帝国の最盛期を築いた。

ナキア皇太后

『天は赤い河のほとり』フラワーコミックスより引用

CV:山口由里子・渡辺美佐
皇帝シュッピルリウマ1世の3番目の皇妃。故国バビロニアより15歳で側室としてヒッタイトへやって来る。皇妃ヒンティを暗殺することで自らが皇妃に就いた。シュッピルリウマ1世亡き後も、皇太后として絶大な権力を誇る。あらゆる手段を使い自身の子であるジュダ・ハスパスルピを皇帝の座に就かせようとしている。ユーリがヒッタイト帝国へ連れて来られたのも、彼女の魔力によるもの。彼女の欲望は、時にヒッタイト帝国に危機をもたらすほどの凄まじさであり、ユーリとカイルにとってはやっかいな存在。物語を通じてあらゆる場面で2人の前に立ちはだかる。

ウルヒ・シャルマ

『天は赤い河のほとり』フラワーコミックスより引用

CV:鳥海勝美・櫻井孝宏
ナキア皇太后に仕える神官であり、彼女に絶対的忠誠を尽くす人物。金色の長髪で碧眼。顔立ちは美しく、その昔宦官としてヒッタイトに売られてきた奴隷。北方の王族出身であるが、祖国は既に滅亡している。ナキア皇太后に出会った当初より彼女を深く愛している。彼の暗躍によって幾度となくユーリとカイルは窮地に追い込まれることになる。

ウセル・ラムセス / ラムセス1世

『天は赤い河のほとり』フラワーコミックスより引用

CV:関俊彦・子安武人
エジプト名家出身の軍人。右目が金色、左目はセピア色のオッドアイ。無意味な任務は放棄したり、軍律違反も平気で起こす。また現在のエジプト王家の腐敗ぶりに失望している。国民が安心して暮らせる世の中を築くべきであり、そのためには強い力で統治する王の存在が必要であると考えている。考え方の違いはあるものの、カイルと似た感覚を持ちカリスマ性のある人物。いつかエジプト王になることを心に秘めた野心家でもある。ユーリの才能に早くから気付き、妻として将来エジプトを共に統治していきたいと考えている。自分の野心を叶えるためならば手段を選ばない非情な部分があるものの、ユーリへの愛情から彼女には協力的になるこものしばしば。行動力があり実力も兼ね備えた分、周囲から反感を買うことも多く、才能があるのになかなか出世できないでいる。彼の存在はヒッタイト帝国にとって脅威的であり、帝国を率いるカイルは幾度となく追い詰められる。お互いをライバルと認識している。

カイルとユーリの側近

ティト

『天は赤い河のほとり』フラワーコミックスより引用

CV:結城比呂
ユーリの最初の召使となる少年。ハッティ族出身で姉はハディ、リュイ、シャラの3人。ユーリの妹に面影が似ていたため、彼女にとっては心の拠り所となる癒しの存在。ナキア皇太后の罠にかかり、ユーリを襲ったことで王族殺しの罪で処刑される危機に陥る。その際、ユーリの力強い主張により死を免れるものの、カシュガ族のズワという人物に殺されてしまう。

イル・バーニ

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