弁護人(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『弁護人』とは、2013年に韓国で公開された映画で、監督はヤン・ウソク。主人公は韓国の元大統領の盧武鉉(ノ・ムヒョン)がモデルで、物語の大筋は彼の半生を描いている。高卒で司法試験に合格して弁護士になったソン・ウソクは、知人が共産党主義者の疑いで取り調べを受けていると知る。拷問に近い取り調べの実情に驚愕したウソクは彼らの弁護人として法廷に立つことを決め、無罪を勝ち取ろうと奔走する。この物語は、金儲けのために働いていた一人の弁護士が人々のために劇的に変化していく様を、事実に基づいて描いた作品である。

日本語吹き替え:佐野康之
ウソクの高校時代の同級生。釜山新報という新聞を発行している会社で、記者をしている。韓国国内の学生運動やその取り締まりを憂いており、ジヌの裁判にも関心を寄せていた。ウソクがジヌの裁判の弁護人になることを受け、違法な取り調べの実態について記事を書くが、採用されることはなく悔しい思いをする。最終的にはウソクの呼びかけで国内外の記者を集め、韓国の現状を世に知らしめようと動く。

公権力の被害者

パク・ジヌ(演:イム・シワン(ZE:A))

日本語吹き替え:石川界人
母のスネと、釜山で小さな定食屋を営む。釜山大学工学部に通う大学1年生で、近所の女性に請われてたびたび書物の読み聞かせをしている。その読み聞かせに出席している女性たちからは好意を寄せられているが、本人はどぎまぎするだけで受け身な状態。ドンヨンにより共産主義者の容疑がかけられ、対共分室に連行され拷問を受ける。ドンヨンからアカであることを認める陳述書を書くことを強要され、心身共に痛めつけられていたジヌはそれに応じてしまう。ウソクら弁護人の働きにより、裁判後は2年で仮釈放されることが決定した。

パク・スネ(演:キム・ヨンエ)

日本語吹き替え:土井美加
ジヌの母で、釜山で小さな定食屋を営む。若い頃のウソクに食い逃げされたことを怒っていたが、後に謝罪に訪れたウソクを許しまた来るように声をかける。突然いなくなったジヌを手がかりもなく探し続け、死体が見つかったと聞いてはジヌではないことを願いつつ身元確認のためにどこまでも出向いた。ジヌの裁判が開かれることを知ってウソクに助けを求め、ジヌに会いに拘置所に向かう。最終的にジヌは2年間刑に服することになるが、ウソクには「あんたはよくやった。心から感謝してる」と声をかける。

公権力側の人物

チャ・ドンヨン(演:クァク・ドウォン)

日本語吹き替え:後藤光祐
釜山中部警察署に勤務しており、日本の警部に相当する警監という役職についている。主に「アカ」と呼ばれる共産主義者や北朝鮮とのつながりが疑われる者の逮捕・取り調べを行う。その取り調べは厳しく、拷問に近い手法がとられる。殴る蹴るは当たり前、時には洗脳のように対象者の精神を痛めつけ、自白を強要する。ジヌの裁判の際、取り調べ対象者の治療を依頼していたユン中尉によって捜査の実態が証言されるが、とっさにユン中尉の無断外出をでっちあげる。

裁判官(演:ソン・ヨンチャン)

ジヌたちの裁判の裁判官を務めた男。ジヌたちの裁判のような国家保安法の裁判は有罪無罪を争うのではなく、量刑をどうするかを決める裁判であるという考えの持ち主。そのため無罪を勝ち取るために奔走するウソクのことを良く思っておらず、しきりに早く裁判を終わらせようとする。

その他の人物

キム・サンピル(演:チョン・ウォンジュン)

日本語吹き替え:仲野裕
ウソクの先輩弁護士として、釜山に法律事務所を構える弁護士。国家保安法によって不当に苦しめられる人々を救うため、熱心に弁護を行っている。しかし顔を知られすぎているあまりジヌの裁判では表立った動きをすることができず、代わりの弁護人としてウソクに白羽の矢を立てる。1987年の追悼集会や民主主義を推進するデモにも、ウソクと共に参加する。また、その後のウソクの裁判では弁護人として名を連ねている。

ユン中尉(演:シム・ヒソプ)

韓国の陸軍に所属する、若い軍医官。ドンヨンによる厳しい取り調べでケガを負った人々を治療するため、ドンヨンに招集された。その後ジヌたちの裁判が行われていることを知り、密かにウソクにコンタクトを取って証人として裁判に出廷する。しかしその証言を無いものにしようとするドンヨンのとっさの判断により、脱営中の疑いをかけられ逆に逮捕されてしまう。

イ・チャンジュン(演:リュ・スヨン)

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