コタローは1人暮らしの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『コタローは1人暮らし』はビッグコミックスペリオールで連載されている津村マミの漫画作品である。
売れない漫画家、狩野進の前に現れたのは4歳の男の子、佐藤コタロー。コタローは狩野の住むアパートの隣の部屋で1人暮らしするというのだ。狩野を含むアパートの住民たちや周囲の人々もコタローと関りを持つうちに絆を深めていく。
賢く、大人びた性格のコタローには彼の取り巻く人々の胸に刺さる健気で純粋な名言が存在する。

『コタローは1人暮らし』の概要

『コタローは1人暮らし』はビッグコミックスペリオールで連載している津村マミの漫画作品である。「電子コミック大賞」で男性部門を受賞し、アニメ化、テレビドラマ化されている。なお、ドラマには関ジャニ∞の横山裕が出演している。
アパートに住む売れない漫画家、狩野進の隣に引っ越してきたのは、佐藤コタローと名乗る4歳の男の子であった。コタローには親はおらず、なんと彼は1人で暮らすというのだ。狩野は何だかんだといいつつ、コタローを気にかけるようになり、アパートの住民やコタローを取り巻く人々と共にコタローと過ごしていく。
コタローは複雑な境遇を持ちながらも、前向きに生きており、狩野を含む彼の周囲の人々も彼の健気で純粋な言葉に胸を刺されている。

佐藤コタローの名言・名セリフ/名シーン・名場面

「生きるとは戦い、ということであるか」

売れない漫画家、狩野進の前に現れたのは4歳の佐藤コタロー。コタローはアパートの隣に1人で住むというのだ。その夕方、再び狩野の前に現れたコタローは部屋に風呂がないと告げる。狩野はコタローにこのアパートにはお風呂はないので、アパートの住人は銭湯に行っていると教える。コタローは「銭湯」を「戦闘」と解釈し、「生きるとは戦い、ということであるか」と告げる。
その後、コタローは夜1人で銭湯に行ってしまったのだが、狩野はテレビで子供の行方不明になっている番組を見てコタローのことが心配になってしまい、結局コタローと一緒に銭湯に向かうのだった。
それから狩野は何かとコタローの面倒を見るようになっていく。

「泣くのはダメではない」

コタローと狩野がアパートの玄関で酒を飲んで眠っているアパートの住人、美月を発見する。美月の顔を見たコタローはコンビニに行くと走って行ってしまい、狩野はコタローを追う。
コンビニから戻ったコタローは美月に冷凍のペットボトルで目を冷やすよう告げる。狩野は気づかなかったのだが、コタローは美月が泣いて、目を腫らしていることを気づいていたのだった。泣いてないと告げる美月にコタローは「わらわは平気ぞ。泣いてもわらわはお主のことを嫌ったりせぬ」「泣くのはだめではない」と告げる。はっとしながらもコタローに素直にお礼を告げる美月。美月の部屋から出た狩野はコタローに、なぜ美月が泣いていることがわかったのか、泣いて腫れた目を冷やすことは子どもは知らないだろと尋ねる。コタローは「わらわは大人が泣いている姿を目の当たりにしてきた」と寂しそうに告げるが、狩野は理解することができなかった。コタローは「モテる男はいろいろ大変なのだ」と狩野のもとを去っていくのだった。

「ウソのものなどうれしくない」

狩野の部屋にいたコタローは自分の部屋のチャイムが鳴っていることに気づく。部屋の前を見てみると同じアパートに住む強面の男性、田丸勇が立っていた。田丸はコタローを気にかけており、ガラの悪い姿とは裏腹に子どもが大好きであった。コタローはそんな田丸の過剰なスキンシップに戸惑っており、狩野はそんなスキンシップにすら慣れていないのであろうと推測する。田丸により彼の部屋に強引に連れていかれたコタローは自身が好んで見ているアニメのキャラクター「とのさまん」の人形を田丸から渡される。コタローはなぜ自分に買ったのかと尋ねると、田丸は息子に渡そうとしていたと告げる。田丸には離婚した妻との間に息子がいるのだが、その息子が田丸に会いたくないと元奥さんから聞かされていた。そんな田丸にコタローは「わらわはお主の子供の代わりか?」「ならいらぬ。代わりでもらうのはイヤぞ。わらわは欲しくない」「ウソの物など うれしくない」と告げ、人形を田丸に返す。コタローにとって「ウソ」とは「自分のためではない」というものであった。コタローの告げた意味を理解した田丸は彼に謝罪をするのだった。
田丸の部屋を後にしたコタローは狩野に怪我をした自分の絆創膏に絵を描いてくれたのもウソなのかと尋ねる。狩野はウソではない、コタローのために心を込めて描いたと答え、逆にその時見せたコタローの笑顔はウソだったのかと告げる。コタローは照れくさそうにウソではないと告げ、部屋に駆けていく。狩野とコタローの間に絆ができたきっかけを作った名言である。

「『いやだ』『だめ』でも、側にいてくれる者がいるではないか。悲しむことはなかろう」

コタローと銭湯に行っていた狩野は、『とのさまん』というアニメの面白さを尋ねる。コタローは面白いから見ているわけではなく、自分にとって『とのさまん』は特別なものだと告げる。狩野は夜遅い時間に放送されているアニメを見ることを親に叱られたという話をすると、コタローに急に立ち上がる。親のいないコタローに無神経なことを言って怒らせてしまったと焦る狩野だが、コタロー銭湯から帰りたくないと駄々をこねる同年代の子どもに対し、「『いやだ』『だめ』でも、そばにいてくれる者がいるではないか。悲しむことはなかろう」と声をかける。子どもは泣きながらも父親に抱きかかえながら去っていく。コタローはそんな子どもを見ながら、夜中にテレビを見る心配はないとつぶやく。コタローにとって『とのさまん』は夜中に親のいない寂しさを紛らわすものであったのだ。
狩野はそんなコタローに対し思い詰めていたのだが、コタローは『とのさまん』は特別だが、テレビの助けはいらない大人になったと告げる。そんなコタローだが、Tシャツを前後ろ逆に来ているところを狩野に指摘されるのであった。

「これなら綺麗になれるぞよ。これならお隣さんにも嫌われずに済む」

いつも訪れている銭湯が休業したことにより、お風呂に入ることができなくなったコタローはショックを受ける。それからコタローは狩野やコンビニの店員など人から距離を取るような行動を取るようになる。銭湯の休業から2日経ったある日、コタローの代わりにコンビニで買い物をした狩野はコタローに買ったものを渡そうとするのだが、コタローは狩野が近寄ることを拒否する。イラついた狩野は距離を詰めようとするのだが、コタローは一定の距離を保とうとする。コタローは2日お風呂に入っていないため、汚れていると告げる。狩野は2日お風呂に入れないことで大げさである、それで嫌われてもいいだろと告げ、狩野の言葉を聞いたコタローは1人で部屋に戻っていってしまう。そんな二人のやり取りを見ていた美月は狩野にコタローが以前、何日もお風呂に入らなかったせいで嫌な思いをしたことがあるのではないかと告げる。
アパートに戻った美月がコタローの様子を見ると、コタローは台所の水場にお湯をためて体を洗っていた。コタローは「これなら綺麗になれるぞよ。これならお隣さんにも嫌われずに済む」と美月に告げるのだった。コタローは隣人である狩野に嫌われたくない一心であったのだ。そんなコタローの思いを知った狩野は数日お風呂に入らないくらいで嫌いになったりしない、これからもコタローと毎日に銭湯に行こうと決めるのだった。

「お主は まだまだ子供よの」「このお弁当は今までと、ひと味もふた味も違うのである」

1人暮らしのコタローの幼稚園でのお弁当はコンビニ弁当を自身の弁当箱に詰めるというものだった。他の園児は母親にキャラ弁などの可愛いお弁当であることに対し、コタローのお弁当は普通だと園児の1人であるタクヤに言われてしまう。コタローも色とりどりのお弁当に興味を持ち、自分なりにコンビニ弁当を使ってキャラ弁作りに挑戦する。自分のキャラ弁に大満足のコタローだが、他のキャラ弁に挑戦しようとコンビニに訪れるお客さんたちに声をかける。たくさんのお客さんと協力して自分なりのお弁当を作ることができたコタロー。そんなコタローのお弁当をタクヤは「ヘンテコだな」と告げるが、コタローは「お主はまだまだ子供よの」「このお弁当は今までとひと味もふた味も違うのである」と満足そうに目を輝かす。
その日の夕方、コタローは自分のお弁当作りを手伝ってくれたお客さんたちに「ごちそうさま」と伝えるためにコンビニを訪れるのだった。

元カレとのトラブル解決のために美月を気遣うコタロー

美月との別れを悲しみ、涙を見せないように仮面をかぶるコタロー

美月は別れた彼氏から復縁を求めるメッセージに困惑していた。ある日、コタローは幼稚園から帰宅するとマスクをした美月と出会い、コタローはマスクから見える美月の腫れた頬に気づいた。コタローに嘘をつけないと判断した美月はコタローたちに事情を語る。美月はお金目当てで自分に近づいてくる彼氏と別れを切り出したのだが、元カレは納得がいかなかったのかアパートや仕事先にまで現れ、とうとう美月に暴力を振るったのだ。美月の話を聞いたコタローは仕事先も変えてアパートを引っ越すことを提案する。しかし、田丸や狩野は警察に相談することを勧め、美月自身もコタローとずっと一緒にいるという約束を守るため引っ越すことを拒否する。しかし、コタローは美月が引っ越すことを頑なに勧めるのであった。
その数分後、コタローは美月の部屋にピンポンダッシュをし、嫌がらせをして美月にアパートを出て行ってもらおうと画策する。それに気づいた美月はコタローがなぜそんなに自分を追い出したいのかを尋ね、元カレのことを警察に言えば解決すると告げる。するとコタローは美月がまだ元カレに好意を抱いていることに気づき、「美月殿にはお別れが必要であるが、彼氏殿を悪者にしたくないであろう?」と告げる。さらにコタローは「わらわは父上を悪者にしてしまったぞよ」と悲しい表情をする。コタローの父親はコタローを虐待したことで警察に捕まったことがあり、コタローは自分の父親を悪者にしてしまったことを悔いていたのだ。
その後、美月はアパートを出ていくことになった。美月はコタローの父親が警察に捕まったのはコタローと彼の父親のためだと前置きしたうえで、自分も元カレのことを警察に伝えたとコタローたちに告げる。それでも元カレの襲来を恐れて美月はアパートを出ていくことを決意した。コタローは「とのさまん」の仮面をかぶり、狩野と田丸のズボンを握ったまま涙を見せることなく、美月を見送ったのだった。

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