コタローは1人暮らしの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ

『コタローは1人暮らし』はビッグコミックスペリオールで連載されている津村マミの漫画作品である。
売れない漫画家、狩野進の前に現れたのは4歳の男の子、佐藤コタロー。コタローは狩野の住むアパートの隣の部屋で1人暮らしするというのだ。狩野を含むアパートの住民たちや周囲の人々もコタローと関りを持つうちに絆を深めていく。
賢く、大人びた性格のコタローには彼の取り巻く人々の胸に刺さる健気で純粋な名言が存在する。

「さすれば わらわの気持ちが、優しい者にも伝わるであろう」

コタローの下に弁護士の小林が訪れる。小林はコタローの生活費を渡すためにやってきた新しい担当者であった。コタローは小林を手厚くもてなし、小林は戸惑う。コタローは小林に生活費はどこからやってくるのかと尋ねる。小林はコタローの部屋を訪れる前、弁護士事務所の先輩からコタローから手厚く激励されることと、生活費の出所を聞かれたら「優しい人から寄付」だと言うようにと告げられる。さらに、小林の先輩はその生活費は母親からの保険金であることを彼女に告げる。コタローの母親はすでに亡くなっており、コタローはその事実を知らないのだ。
小林は先輩に言われた通り「優しい人からの寄付」だと告げ、コタローは前の担当者から同じことを言っていたと落胆する。さらに、コタローは前の担当者からその優しい人にはどうしても会いないことも同時に告げられていたのだ。コタローは「わらわは担当者殿に優しくするのだ」「さすれば わらわの気持ちが優しい者にも伝わるであろう」と小林に告げる。コタローは優しい人に直接お礼を言えないからこそ、自分のところに生活費を届けてくれる担当者を手厚くもてなし、感謝を示していたのだ。コタローの健気さと真面目さがわかる名言である。
帰り道、小林の前に自身を心配してくれた先輩が現れる。小林はこの仕事が正直辛いと告げるが、コタローからのお土産の中に一週間分の日記が入っており、コタローは優しい人の正体に何となく気付いているのではないかと小林は思う。小林はこの仕事を最後までやり遂げることを先輩に語るのだった。

「仕事の仲良しではなく、ホントの仲良しということになるのだ」

コタローと親しくしている青田

コタローの父親への調査報告を終え、青田はアパートを出ていくことになった。コタローは青田の部屋を訪れ、箱がなくなったので探して欲しいと告げられる。不思議に思いながら青丸の部屋を順番に訪れ、結局は自分の部屋まで戻ることになってしまう。青田が自分の部屋に戻るとそこにはコタローや狩野たちが自分の送別会をするために待っていてくれたのだった。コタローのサプライズに驚く青田はさらにはコタローが探して欲しいと言っていた箱がコタローから自身へのプレゼントだったことを知る。コタローは青田に自分と親しくしてくれたのは仕事のためだったはずなのに、コタローの父親への報告が済んでも自分と親しくしてくれたのはなぜかと告げる。そして、コタローは自分と青田の関係を「仕事の仲良しではなく、ホントの仲良しということになるのだ」と推理する。
コタローたちと別れて1人電車の中にいた青田はコタローからのプレゼントを開ける。プレゼントは虫眼鏡であり、虫眼鏡を掲げながら「お見事 名探偵コタロー」とつぶやくのだった。

「お主は、わらわの保護者ではないのか」

再度コタローを映画に誘う狩野

狩野は担当編集者から絵の参考になるように映画を見てきたらよいと指示されたことをコタローに話す。映画を見ることに興味を示すコタローは狩野と共に行くことになった。コタローはそのことを友だちであるタクヤたちに話すと、彼らは映画館に行くことを羨ましがる。結局、タクヤたちと映画を見に行くことになり、狩野が引率として付いていくことになった。狩野はタクヤたちの世話に追われてしまい、しまいにはコタローが見たかった『とのさまん』の映画ではなく、別の映画を見ることになってしまう。映画が終了し、タクヤたちはまだどこか行きたいと狩野を連れて行こうとするが、コタローが狩野の財布事情を考慮し、解散となった。
タクヤたちと別れた後、疲れを見せる狩野の横に無言で寄り添うコタロー。狩野がどうしたと尋ねると、コタローは「わらわの友達と随分ワイワイしていたであるな」「お主はわらわの保護者ではないのか?」と告げ、すねていた。狩野はそんなコタローの姿を見て、「悪かったよ。友達のほうばっか構ってて」と笑ってしまう。コタローは彼に笑われたことを怒るが、狩野は再度コタローと『とのさまん』の映画を見に行こうと誘うのであった。コタローが子どもらしく嫉妬心を見せた名言である。

「裏切られることより 信じたい者を信じられないことのほうがつらいであるからな」

佑と再会するコタロー(ドラマ版)

狩野の前に現れたのはコタローの施設で一緒であった佑(たすく)であり、彼はホストをやっているという。再会を喜んだコタローは佑にカレーをご馳走し、佑はコタローにお願いがあると告げるのだった。
後日、小林は狩野の下を尋ねる。小林はコタローから生活費の増額を頼まれており、コタローに聞いても訳を話してくれないというのだ。狩野は佑がたびたびコタローの部屋を訪ねていることを小林に告げるのだった。狩野は佑からコタローと一緒に住むために引っ越し費用を貯めていると聞く。狩野はコタローが強くなるために1人暮らしをしていると告げるが、佑から狩野はただの隣人であり、自分の方がコタローを理解できると言い放つ。
コタローが佑と一緒に住むつもりだと聞いた狩野はアパートを出ていくことに寂しさを感じていた。そんな狩野は小林から佑のことを聞かされる。佑は複数の消費者金融から借金をしており、返済が滞っていたのにもかかわらず最近返済するようになったというのだ。つまり、佑はコタローからもらったお金で借金を返していたのだ。
狩野はコタローに注意を促すものの、コタローは佑を信じていると告げる。狩野は再度現れた佑に対し、「佑君はあいつのこと信じてるのか?」と尋ね、佑は意味がわからないと態度を悪くする。そんな佑の胸倉を掴み、狩野は「あいつは お前のこと信じてるってよ」と告げ、佑は動揺を見せる。
部屋に訪れた佑に対し、コタローは彼が嘘をついていることに気づいていたと告げる。コタローは佑の癖を見て、彼が最初から嘘をついてることを知っていたのだ。コタローは佑が嘘をついているにもかかわらずそれでも良いと告げ、小林からもらったお金を差し出す。嘘をついてるのになぜお金を渡すのかと尋ねる佑に対し、コタローは施設で財布の盗難事件があった時のことを語る。当時財布を盗難したと疑われていた佑を庇ったのはコタローであった。佑は「コタローは簡単に人を信用しすぎだな」と告げるが、コタローは「わらわは佑殿だから信じるのである」と告げていたのだ。コタローは「裏切られることより 信じたい者を信じられないことのほうがつらいであるからな」と告げ、佑はうつむく。さらに、コタローは空き缶を拾ったことで手に入れたお金を渡そうとし、佑が嘘でも一緒に住もうと言ったくれたことが嬉しかったと告げる。
その後、佑は狩野に佑は施設を出てからいろいろな人に裏切られてきたことを語り、コタローが信じてくれるからもう一度頑張ってみると告げる。狩野は頑張ろうぜと激励を送るのだった。

コタローが父親に語る決意

テレビに映る両親の姿を見たコタロー

小林は探偵である青田から連絡をもらい、青田はコタローの父親からコタローの捜索の依頼を受けたと伝える。一方、コタローの佑から父親が自分を探していることを告げられ、佑からアパートにいることを心配される。コタローはアパートを出ていかなくてはならないと思うのだった。
コタローは幼稚園でのお楽しみ会を控えていたのだが、狩野や美月は仕事があり、田丸も息子との面会があるため、お楽しみ会には来ることができないかもしれなかった。
狩野の部屋には元カノであるあかねが居候しており、忙しい狩野の代わりにあかねがコタローの幼稚園の送り迎えを担当していた。その上、コタローはあかねからコタローの存在が重荷になっているのではないかと告げられ、コタローは落ち込んでしまう。
コタローは狩野以外にもいろんな人に助けられており、強くなることはできないと思ってしまう。そんなコタローはお楽しみ会を迎えるのだが、あかね以外来ることはなかった。しかし、狩野が訪れコタローの姿を見ようとしていた。あかねはコタローの隣人というだけで面倒を見る必要はないこと、責任はとれないだろうと告げる。狩野はコタローと離れ離れになる日までコタローの成長を記憶することを決めたのだと告げ、自分の仕事が失敗したら自分せいだとコタローは落ち込んでしまうと思い、仕事とコタローの世話の両立を実現させようとしていたことを語る。お楽しみ会には息子を連れた田丸や仕事終わりの美月も訪れ、コタローは狩野たちに助けられているだけでなく、コタロー自身も狩野たちの力になっていることを知る。コタローは狩野に「わらわ ここにいていいのであろうか」と告げ、狩野は「ここが俺たちの家だ」と返す。
コタローは狩野と共に『とのさまん』を見終わった後、テレビに映る自分の両親を見つける。父親がピアノを弾いており、母親がお腹をさすりながら笑顔でいるのだった。そんなコタローの両親の姿を見た狩野はコタローは愛されて生まれたということを知るのだった。
後日、青田は調査結果と称してコタローからの手紙を父親に渡す。そこには「まだよわきものの わらわゆえ ちちうえをがっかりさせてしまうのである」「いつか なんでもできる―つよきにんげんになってからあいたいぞよ」「そして わらわのことをすきになってほしいのである」と書かれており、それを読んだコタローの父は複雑な表情を浮かべていた。

狩野進の名言・名セリフ/名シーン・名場面

「゛遠慮”なんて、ガキンチョにははえーんだよっ」

コタローの入園式の日、親のいないコタローは1人で入園式に臨もうとしていた。コタローが入園式に向かう際、狩野は出かけるコタローに対し出かけるなら自分もついていくと告げるが、コタローは頑なに拒否したうえに逃げるように走り去ってしまう。狩野はコタローの態度に苛立ちを覚えていたが、そんな狩野のもとにはコタローに会いに来た美月と田丸が集まっていた。すると、入園式に遅れると走っている親子を見かけ、子どもの帽子が先ほどコタローがかぶっていた帽子であると思い出した狩野はコタローが入園式に向かったことを理解した。
一方コタローは隣に座る子どもに親がなぜいないのかと尋ねられ、親は忍者だから隠れていると答えるが、コタローの表情は寂しそうであった。すると、コタローの隣には息を切らした狩野は座りはじめ、コタローは驚く。狩野は「“遠慮”なんてガキんちょにはまだはえーんだよっ」と告げる。コタローは言ってる意味がわからないと告げるが、田丸と美月も駆け付けてくれたことを知り驚きつつも嬉しそうに目に光がともる。コタローはバッジが上手く付けられないため、つけてくれと狩野たちに照れながらお願いするのであった。

「…でも結局俺らは、あいつの親じゃないんで…親がいればもっと良かったんじゃないっすか?」

園児の保護者の中でコタローや狩野の事は噂になっており、幼稚園の最初の保護者会で狩生はやる気のない人だと思われていた。
ある日、保護者会が行われ、幼稚園清水で行われる夏祭りのお店やイベントを手伝ってくれる保護者を決めようとしていた。育児や家事に追われる毎日で、大変な役目をやりたい保護者などいるわけもなく、話し合いは難航するかと思われたが、そこで率先して手を挙げたのは狩野であった。しかも、自分だけでできると告げ、他の保護者たちを驚かせる。話し合いを進めていた保護者は狩野に「子どもたちも喜ぶ」とお礼を述べ、それに対し狩野は「保護者ってのはそれが役目と思ってたんで」と淡々と告げる。
夏祭り当日、会場には狩野以外にも田丸や美月、コタローがいつも行っているコンビニの店員、狩野の担当編集者まで応援に駆けつけてくれていた。話し合いを進めていた保護者は狩野に差し入れを渡し、素直に狩野があの話し合いの場で手を上げたことに驚いたことを告げる。狩野は実際大変であるが、コタローが嬉しそうならよいと告げる。保護者は狩野がコタローを第一に考えて行動していることに感動していたが、狩野は「でも結局俺らは、あいつの親じゃないんで…親がいればもっとよかったんじゃないっすか?」と告げる。そんな狩野の姿を見た保護者は狩野がコタローの本当の親ならよかったのにと願うのだった。

コタローが強くなるためにライバル宣言する狩野

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