コタローは1人暮らしの名言・名セリフ/名シーン・名場面まとめ
『コタローは1人暮らし』はビッグコミックスペリオールで連載されている津村マミの漫画作品である。
売れない漫画家、狩野進の前に現れたのは4歳の男の子、佐藤コタロー。コタローは狩野の住むアパートの隣の部屋で1人暮らしするというのだ。狩野を含むアパートの住民たちや周囲の人々もコタローと関りを持つうちに絆を深めていく。
賢く、大人びた性格のコタローには彼の取り巻く人々の胸に刺さる健気で純粋な名言が存在する。
アパートに青田と名乗る男性が越してきた。青田はコタローの親密になり、一緒に銭湯に行くなど行動を共にするようなった。狩野はそんなコタローと青田の様子を見ながら少しだけ嫉妬心を抱いていた。青田は狩野にコタローがなぜ1人暮らしをしているのか、お金や親がいないことについて尋ねるが、狩野は「たとえ知ってても話すわけねーだろ」「本人が言いたくねぇ事わざわざ探るんじゃねーよ」と怒りを露にする。狩野は田丸と共にコタローのことをなぜ知りたいのかと青田に尋ねる。実は青田はコタローの父親に雇われた探偵であり、コタローを居場所を探すためにアパートに来たというのだ。コタローは自身を虐待していた父親に見つからないようアパートに住んでおり、父親との接近禁止命令も出されているという。青田は仕事だからと父親にコタローの居場所を報告すると淡々と告げ、怒る田丸。青田はコタローの今の状況が幸せだと思うのかと問い、逆上した田丸は殴りかかろうとするが、コタローが青田を庇う。
青田が急な仕事で出かけてしまったと聞き、コタローの父親に報告したのではと警戒する狩野。しかし、青田は父親の嘘の情報を与えており、コタローには既に青田が父親と関係のある人間であることはバレていたのだった。コタローは青田に自分が強くなるまで父親に居場所を告げるのを待ってくれと懇願しており、コタローは強くなれば父親は自分を愛してくれると思っていたのだった。青田にも虐待された経験があり、親が子どもを虐待するのは自分のせいだと思うコタローの心情を理解していた。青田はそんなコタローの気持ちを父親が理解してくれるとは思えないと告げる。
青田の話を聞いた狩野はコタローとアパートまで競争すると走って行ってしまう。結局は負けてしまったのだが、狩野はコタローに「なあ…お前はそうやって…強くなりたいと思っているようだが…それはひとりで努力し続けるってことか?」と尋ね、コタローは肯定する。そんなコタローに狩野は「…そうか…だが知ってるか!!“強さ”っつーのは一人よりもライバルがいた方が手に入りやすいものなんだ!!げ、現に俺は今この距離を走れる『強さ』を手に入れた!!…だからっっ…!!一緒に強くなるぞっ!!」と告げ、コタローは大きな声で返事をする。コタローが狩野のために水を持ってくる間、田丸は何も解決できていないことに苦言を呈す。狩野は田丸の言うことを理解したうえで、「だからその間違い(コタローが強くならなければ父親が自分を愛してくれない)に気づくその日までに 少しでもあいつには体と あと 心が強くなってほしいんです」「現実(ショック)を乗り越えられるように」と告げ、コタローが強くなることを望むのだった。
コタローに覚悟を持って最大の嘘をつく狩野
コタローはテレビで母親といたころに一度行った場所に行こうと決め、狩野もコタローに付いていくことになった。
翌日の朝、狩野は遅刻してしまい、コタローは嘘をついたとすねてしまう。急いで準備した狩野はコタローに嘘はつかないと告げると、二人は電車に乗り目的地へ向かう。その目的地とはコタローの母方の祖父母のお墓であり、コタローは祖父母のお墓参りをしたかったのだ。狩野はコタローと共にお墓の掃除をし、祖父母は自分が生まれる前に亡くなったこと、母親の名前などを狩野に教える。すると、狩野は墓石にコタローが教えてくれた母親の名前が刻まれているのを目撃する。つまり、母親は既にこの世にはおらず、コタローはその事実を知らないのだ。お墓の掃除を終えたコタローはお参りをするのだが、狩野は墓石の隣に立ったまま動こうとしなかった。コタローはそこにいるのかと尋ねるが、狩野はコタローがお参りするところを見てやると告げる。狩野は決して墓石の母親の名前を見せないために墓石の隣に立っていたのだった。
お参りを終えたコタローは霊園に訪れた母娘を発見し、狩野に「わらわ また母上にまた会えるであろうか?」と尋ねる。狩野はこのコタローの問いに、コタローに嫌われる覚悟で「会えるよ」と嘘をつく。狩野の言葉でコタローは嘘をつかない狩野の言葉を信じると告げるのだった。
狩野はコタローに今度からお墓参りに行く際は自分も一緒に連れていくことを約束させる。狩野は墓石の母親の名前をコタローに見せないためと、コタローの成長を母親に伝えるためにお墓に行くという目的を作ったのだ。コタローは快く快諾し、狩野を正式な家臣にすると告げるのだった。
田丸勇の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「でも、愛情はあったに違いねぇと俺は思う。だってよ…自分の子供が、かわいくないはずがねぇっ」
田丸はいつものようにコタローの部屋に訪れるが、過剰なスキンシップに慣れていないコタローにあしらわれてしまう。コタローは田丸に子どもに会えなかったかと告げ、田丸は苦笑いを浮かべながら息子に嫌われていると語る。
後日、外出から戻ってきたコタローはアパートを覗く同年代の子どもの姿を見かける。その子どもは田丸の息子、勇太であったのだ。田丸が外出しており、コタローの部屋で待つことになった勇太にコタローはなぜ父親に会いたくないのかと尋ねる。その時、田丸がコタローの部屋に現れる。勇太は父親に会いたかったのだが、母親が3人で会える日を決めていたことを勇太は知らず、こっそり父親の居場所を調べて1人で訪れたのだった。しかし、田丸はすぐに家に帰るように勇太に告げる。さらに、決まりの日以外に来たら会わない上に話もしないと告げ、勇太はショックを受ける。田丸は元奥さんに連絡して迎えに来てもらうように連絡をし、田丸は勇太に「ずっと一緒にいれなくてごめんな」と告げ、勇太を見送った。一部始終を見ていたコタローは田丸が息子に会いたかったはずなのにどうして帰してしまったのかと納得できなかった。田丸は息子に会いたかったと答えたうえで、「でもな 俺は勇太に自分の都合だけで―決まりを破るような男にはなって欲しくねぇ」と告げる。息子に寂しい思いをさせていることは分かっているが、それが田丸なりの愛情であることをコタローは理解する。さらに田丸はコタローの父親もコタローを傷つけたことは間違っているとしたうえで、「でも、愛情はあったに違いねぇと俺は思う…。だってよ…自分の子供が、かわいくないはずがねぇ」と涙を流す。コタローはそんな田丸の姿を見て、勇太に見せなかったことを褒めるのだった。
狩野の担当編集者の名言・名セリフ/名シーン・名場面
狩野の担当編集者がコタローに抱く印象
ある日、コタローは風邪で倒れた狩野の代わりに漫画の原稿を狩野の担当編集者に渡す。担当編集者との会話でコタローは彼が既婚者であり、さらに子どもまでいることを知る。コタローは担当編集者が見ていた狩野の原稿を奪い取り、日曜日であるにも関わらず仕事をしている彼に子どもが寂しがるから帰れと告げる。コタローに痛い所を突かれてしまった担当編集者はコタローを会社の見学に誘う。最初は拒んでいたコタローも『とのさまん』グッズがあると担当編集者から聞くと、見学に興味を示す。コタローは思いのほか楽しんでしまい、担当編集者の子どもに申し訳ないと落ち込んでしまう。
後日、狩野の家に訪れた担当編集者は、コタローに編集部の案内をしたことをかわいそうなことをしてしまったと告げる。担当編集者の言葉に疑問を持つ狩野に彼は「自分の子供を見ているから余計そう感じるだと思うんだけど…コタローくんてなんというか、言動が妙に大人びてるよね。だからもっとはしゃいで楽しんだり笑ったり、そんなコタローくんを見たいなと思ったんだけどうまくいかなくて…もうすこし“子供でいること”を楽しんでほしいんだよね…」と告げる。担当編集者なりにコタローの喜んだ顔が見たいと感じていたのだ。狩野の部屋を出た担当編集者の前に現れたコタローは「平日なら また見学しに行ってもよいぞ」と告げ、彼は笑うのだった。
鈴野牧男の名言・名セリフ/名シーン・名場面
「私たちは、大人びたあの子に慣れちゃいけない」
コタローは幼稚園のお迎えの際、小林と共に出かけることを告げ、狩野についてくるなと言い放つ。しかし、狩野はコタローを尾行し、小林と共にメイド喫茶に入ったことを目撃する。その日の夕方、狩野と些細なことで言い合ってしまい喧嘩になってしまう。
後日、幼稚園の友達であるタクヤがコタローの家を訪ね、家出をしようと持ち掛けられる。タクヤは家出の理由を自分の大事さに気づいてもらうためだ語る。タクヤには赤ん坊である兄弟がおり、彼の母親はその育児に追われタクヤは寂しさを感じていたのだ。二人は家出中に幼稚園の先生である花輪に出会い、花輪はタクヤの母に連絡をする。タクヤは自分の大事さに気づく前に叱られるとつぶやくとその場に倒れ込んでしまう。花輪はタクヤが家で何かストレスを感じていると気づいており、タクヤの度重なる居眠りはそれが原因であるとコタローに告げる。実は花輪にも子どもの頃にそういった経験があり、タクヤのことが理解できるからこそ彼の母親にこのことを打ち明けるが、それがトラブルになってしまったのだ。花輪はそんな子どもを支えてあげるために先生になったと告げ、花輪にも眠気が襲ってくる。コタローは「起きるまで そばにいるぞよ」と花輪の頭をなで、花輪は眠ってしまう。
一方、狩野はコタローを探しに小林の弁護士事務所を訪れた。小林は不在であり、弁護士事務所の所長である鈴野がいた。鈴野は狩野にコタローの日記を見せ、コタローがメイド喫茶に行ったのは「おかえり」という言葉が欲しかったこと、高いティッシュを使っていたのは飢えをしのぐために食べようとしたこと、新聞を取っているのは新聞が投函されている量で自分の安否を人に知らせるものであったことが明かされる。鈴野は「コタローはしっかりしていても、1人暮らしをするうえで不安に思うこともたくさんある」「私たちは大人びてる あの子に慣れちゃいけない」と告げる。狩野はその言葉でコタローが抱える不安を知る。
コタローたちの下にタクヤの母親が現れ、母親はタクヤの無事を喜ぶ。花輪先生に対し、トラブルになったことを謝罪し、タクヤのことをよく見てくれているとお礼を述べる。花輪先生に送られ、アパートに戻ったコタローは誰もいない部屋に寂しさを感じる。その時、息を切らした狩野が現れる。狩野はコタローを探しにたくさん探し回ったと告げ、コタローは心配してくれた狩野にお礼を述べる。狩野はコタローに「お帰り」と告げ、コタローは嬉しそうに「ただいまである」と返すのだった。
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目次 - Contents
- 『コタローは1人暮らし』の概要
- 佐藤コタローの名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「生きるとは戦い、ということであるか」
- 「泣くのはダメではない」
- 「ウソのものなどうれしくない」
- 「『いやだ』『だめ』でも、側にいてくれる者がいるではないか。悲しむことはなかろう」
- 「これなら綺麗になれるぞよ。これならお隣さんにも嫌われずに済む」
- 「お主は まだまだ子供よの」「このお弁当は今までと、ひと味もふた味も違うのである」
- 元カレとのトラブル解決のために美月を気遣うコタロー
- 「さすれば わらわの気持ちが、優しい者にも伝わるであろう」
- 「仕事の仲良しではなく、ホントの仲良しということになるのだ」
- 「お主は、わらわの保護者ではないのか」
- 「裏切られることより 信じたい者を信じられないことのほうがつらいであるからな」
- コタローが父親に語る決意
- 狩野進の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「゛遠慮”なんて、ガキンチョにははえーんだよっ」
- 「…でも結局俺らは、あいつの親じゃないんで…親がいればもっと良かったんじゃないっすか?」
- コタローが強くなるためにライバル宣言する狩野
- コタローに覚悟を持って最大の嘘をつく狩野
- 田丸勇の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「でも、愛情はあったに違いねぇと俺は思う。だってよ…自分の子供が、かわいくないはずがねぇっ」
- 狩野の担当編集者の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 狩野の担当編集者がコタローに抱く印象
- 鈴野牧男の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 「私たちは、大人びたあの子に慣れちゃいけない」