ダーウィン事変(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『ダーウィン事変』とは、2020年8月号の『月刊アフタヌーン』より連載された、うめざわしゅんによる漫画。アメリカを舞台に、半分ヒトで半分チンパンジーの「ヒューマンジー」チャーリーを主人公とした「差別とテロ」を題材とした物語である。15歳のチャーリーは人間の両親のもと高校に入学し、人間の女の子ルーシーと出会い友情を育む。一方で、「ALA(動物解放同盟)」と名乗るテロ組織はチャーリーを仲間に引き込もうと画策する。数々の賞にランクインし、海外でも話題となっている。

ルーシーがマックスと称するリヴェラに初めて会った時、去り際にそう呼ばれた。スタイン博士曰く「ビートルズ」の『ルーシー・イン・ザ・スカイ・ウィズ・ダイヤモンズ』という曲の一節である。またこの曲がリリースされた7年後、初期人類であるアウストラロピテクスの女性の化石人骨が発見され、たまたま発掘現場でこの曲が流れていたことから「ルーシー」と名付けられた。

レッドピル

ゲイルが配信するチャンネルの名前。肉食者(ミートイーター)に対し、隠された現実を無理矢理にでも知らしめるため「認識の赤い錠剤(レッドピル)」を飲ませるという思考からきている。リヴェラはゲイルのことを「レッドピルゲイリー」と呼ぶことがある。

『ダーウィン事変』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

チャーリー「ボクも不思議に思ってる 人間(ヒューマン)なのってどんな感じ?」

高校生活初日、話しかけてきたルーシーへの言葉。「ヒューマンジーなのってどんな感じ?やっぱり私たちとは世界の見え方が違う?」と聞かれ、チャーリーは少し考え「ボクも不思議に思っている 人間(ヒューマン)なのってどんな感じ?」と質問する。チャーリーも同様に人間(ヒューマン)に興味を持っていることが分かる言葉である。

チャーリー「病原菌に感染しているのが たとえ君でも撃ち殺すけど…」

ヴィーガンであることを揶揄するオジーに放った一言。「もし致死的な病原菌を持ったネズミがお前にかみつこうと向かってきたらどうする?」という質問に「ネズミを撃ち殺すと思うな」と答えるチャーリー。その答えに、正直で気に入ったと笑うオジーに「病原菌に感染しているのが たとえ君でも撃ち殺すけど…」とチャーリーは付け加え不穏な空気となる。

チャーリー「なんで人間だけは殺して食べちゃダメなの?」

ALAのテロ事件について同じヴィーガンとしてどう思ってるのか聞くオジー達に対して放った言葉。ヴィーガンであるスタイン夫妻の影響でヴィーガンになったチャーリーは、特に変える理由が見つからなかっただけで「ボクに気兼ねなくなんでも好きに食べればいい 鳥でも牛でも豚でも魚でも人間でも」と答える。オジーは「人間が人間を食うわけねェだろ!!」と怒るが、チャーリーは「なんで人間だけは殺して食べちゃダメなの?」と返す。人間だけを特別にする理由があるのか、チャーリーは純粋な疑問を彼らにぶつけていく。すべての動物を同じ1(ONE)と考えるチャーリーならではの台詞である。

チャーリー「けど実際に近くで観察したら 人間(きみたち)って面白いね」

ALA爆破事件後、無関係のチャーリーをまるでテロリスト扱いする町の住人にうんざりするルーシーに伝えた言葉。「君もうんざりしたでしょ?」と聞くルーシーに、「実際に近くで観察したら 人間(きみたち)って面白いね」とチャーリーは返す。ほとんど家から出られなかったチャーリーは両親以外の人間に興味を持てなかったが、高校生活で初めて身近に関わることで興味を持ち、彼なりの観点で楽しんでいることが分かる言葉である。

チャーリー「君もボクも すべての動物はただの1(ONE)だよ」

ALAと警察に向かう車中で、リヴェラに放った言葉。リヴェラから「君ほど特別な生物はいないというのに 誰も君の重要さを理解していない」と言われるが、結局、自身の何が特別なのか分からず「君もボクも すべての動物はただの1(ONE)だよ」と答える。チャーリーの考えの軸とも言える名言。

チャーリー「ボクはなんの代弁者でもない ただの1匹の動物 ただのチャーリーだよ」

ALAの思想に傾倒するゲイルに放った言葉。人間と仲良くするチャーリーに「声なき動物達の代弁者じゃなかったのか」とゲイルは泣きながら迫るが、「ボクはなんの代弁者でもない ただの1匹の動物 ただのチャーリーだよ」と答えるチャーリーはゲイルの言う「使命」に一切関心がなかった。この一言でゲイルは自身の無力さに絶望する。

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