乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(モブせか)のネタバレ解説・考察まとめ

『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(モブせか)』とは、三嶋与夢が小説投稿サイト『小説家になろう』に投稿していた小説、及びそれを原作とした漫画、アニメ作品。浮島が点在する世界を舞台に、乙女ゲームに転生した主人公リオンが、ゲームの知識で自分と仲間の問題を解決する。登場人物らは、困難の中で己の未熟さに気づかされたり身分の違いに悩んだりしつつも精神的に成長していく。『小説家になろう』に投稿された原作の第2章までの内容がアニメ化され、2022年4月から6月までAT-Xほかにて放送された。

リオン「最高の復讐方法ってのは…自分自身が幸せになることですよ」

「最高の復讐方法ってのは…自分自身が幸せになることですよ」とアンジェリカに語るリオン

エピソード5”最高だね”にて、リオンがアンジェリカに提案した言葉。
ユリウスとの婚約を破棄し、傷心のアンジェリカ。気分転換のために訪れたリオンの所有する浮島にて、アンジェリカはオリヴィアと温泉に浸かり心身ともに癒やされる。それでも、未だに自分の中にはマリエに対する憎しみが残っており、機会があれば復讐したいと願っている。そんな悩みを打ち明けるアンジェリカに対してリオンは「復讐したい?大いに結構」と言い放つ。「最高の復讐方法を知っている」というリオンに、アンジェリカは「教えてほしい」と詰め寄る。そこでリオンは「最高の復讐方法ってのは…自分自身が幸せになることですよ」とアンジェリカに語る。
本来なら、ネガティブな印象を持つ「復讐」という言葉。それを塗り替えるリオンのアドバイスは秀逸。

リオン「われ、大義を得たり!」

王妃を侮辱した者に制裁を加えるという「大義」を得て、ステファニーの使用人を殴るリオン

エピソード6”学園祭って初めてなの”にて、リオンが放った言葉。
リオンの開く喫茶店にステファニーが使用人と取り巻きを連れてやって来る。もちろん目的はリオンへ嫌がらせであり、出されたお茶に難癖をつけ、リオンにティーカップを投げつける。割れたティーカップを拾うリオンの頭を踏みつけるステファニー。しかし、リオンは伯爵家令嬢に逆らうことができずにこらえるばかりであった。リオンの喫茶店にアンジェリカの案内でやって来たミレーヌは、この光景を見て絶句してしまう。ステファニーの目に余る行為をミレーヌは止めようとするが、ステファニーはあろうことか王妃に暴言を吐き、つまみ出すよう使用人に命じてしまう。ステファニーが王妃の顔を知らなかったとはいえ、決して許されることではない。一方、リオンはミレーヌが王妃であることを知っており、ステファニーがミレーヌに不敬を働いたのを見て歓喜する。ステファニーに逆襲する理由を得たからである。「われ、大義を得たり!」これまでの鬱憤を晴らすかのように、ステファニーの使用人全員を魔力を込めた拳で叩きのめし、事を荒立てたくなかったミレーヌは大慌てする。
権力を盾にする者に抗えないもどかしさ。それが、1つのきっかけで一気に逆転するところに爽快感がある。

リオン「ミレーヌさん、俺と結婚してください」

王妃ミレーヌの手を取り、告白するリオン

エピソード6”学園祭って初めてなの”にて、リオンが王妃ミレーヌに言ったセリフ。
ユリウスたちとの決闘におけるリオンの戦いぶりには、相手を言葉で煽って怒らせたり、圧倒的な力でねじ伏せたりなど、流石にやり過ぎるところがあった。ユリウスの母であり王妃でもあるミレーヌとしては黙って見過ごすわけにもいかず、リオンを叱る必要があったのである。凛として自分をたしなめるミレーヌを見ていたリオンは、ミレーヌの美しさに気づいてしまう。リオンを叱り終わり、別件で学園での思い出づくりを協力してほしいと恥ずかしげに語るミレーヌ。他国から嫁いできたミレーヌには、学園に通う経験がなかったのだ。そんなミレーヌの手を取り、リオンは「ミレーヌさん、俺と結婚してください」と言い放つ。学園の獣みたいな女子よりも、おしとやかで可愛い30代の方が最高だと思うリオン。アンジェリカとオリヴィアに盛大にツッコまれ、怒り心頭のユリウスに「人の母親をくどくな」と殴り飛ばされ、ようやく暴走が止まる。
同年代の女子生徒の性格の悪さに疲れたリオンが、年の離れた女性、しかも自国の王妃に対して求婚するありえなさに面白みがある。

ブラッド「マリエに誇れる自分になりたいんだ!」

「マリエに誇れる自分になりたいんだ!」と叫ぶブラッド

エピソード9”都合のいい女子ですから”にて、ブラッドがリオンに叫んだマリエに対する想い。
船の甲板にてリオンとルクシオンが心を閉ざしたオリヴィアのことで話し合っていると、ブラッドが現れ剣の稽古を始める。得意な魔法ではなく、あえて自分の苦手な剣術でリオンに再戦を挑むつもりなのだ。魔法の練習を勧めるリオンに「いつか君に勝つために修業を続ける」とブラッドは言う。自分はユリウスを始めとする5人の中で一番弱いから「自分が見劣りしないか」と不安に思っているらしい。なぜ苦手な剣で勝負するのだと問いかけるリオンに「マリエに誇れる自分になりたいんだ!」とブラッドは熱く語る。マリエに真剣に向き合おうと努力を続けていたブラッドにリオンは驚きを隠せない。
普段はナルシストで頼りないブラッドのマリエに対する一途な想いが心に響くセリフである。

リオン「ああ、俺は戦うよ?本物の貴族だからな。お前らエセ貴族とは違って」

学園の生徒らを前に「戦え」と命令するリオン

エピソード10”エセ貴族とは違って”にて、リオンが学園の生徒らに放ったセリフ。
ファンオース公国からの宣戦布告に怯える学園の生徒たち。そんな貴族子弟らにクリスは「戦おう」と呼びかけるが、聞く耳を持たない。そんな彼らの前にリオンが現れ、正式に男爵の地位にある自分は引率の教師よりも地位が高いことを理由に「戦え」と命令する。「殺されるより戦って死ね」と暴言を吐くリオンに「お前が戦えよ!」と生徒らの怒りが爆発。そのとき生徒らをバカにしきった表情を浮かべたリオンが放ったセリフがこれである。「ああ、俺は戦うよ?本物の貴族だからな。お前らエセ貴族とは違って」。人の神経を逆撫でる言葉であるが、真意は生徒らに戦う気力を起こさせることにあった。自分が嫌われてでも、生徒全員に自分らの力で問題を解決させようと奮い立たせたのだ。
怯えて何もできず口だけは達者な貴族子弟らを一喝するリオンの言葉に小気味よさがある。

リオン「バーカが!鏡見て言え!」

「バーカが!鏡見て言え!」と叫ぶリオン(左)と、あっけにとられるアンジェリカ(右)

エピソード11”私にできることを”にて、リオンがファンオース公国の騎士たちに放ったセリフ
ファンオース公国に人質として囚われていたアンジェリカを救い、逆に王女ヘルトルーデを人質にしたリオンは、周りを取り囲む公国の騎士らの間を突き進む。女性を盾にする騎士にあるまじきリオンの行為に、公国の騎士らは「卑怯者」「それでも騎士か!」と罵りの声を上げるが、リオンから「バーカが!鏡見て言え!」と返される。実際、公国はアンジェリカを捕虜にして学園側を脅していたのだから、ぐうの音も出ない。リオンの遠慮のない物言いに、アンジェリカは大笑いする。
アンジェリカを人質にして脅したにもかかわらず、自分らの公女が人質にされると「卑怯者」と非難する公国。そんな理不尽さに一矢報いるリオンの言葉には「よく言った」と喝采させる気持ちよさがある。

『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です(モブせか)』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

声優の小林裕介と白井悠介は、リオンを絶賛

リオンを演じる小林裕介(向かって左)とルクシオンを演じる白井悠介(右)

リオンの声を担当する小林裕介によれば、リオンが一度「やってやる」と思ったときの吹っ切れ方が「かなりぶっ飛んでいて」清々しさを感じたとのこと。アンジェリカを助けたいという目的はあるにしても、自分より身分が高い攻略対象たちを「そこまで滅多打ちにするか」と思うほど、容赦なく叩きのめすところにリオンの凄さを感じると評価している。
一方、リオンの相棒ルクシオンの声を演じる白井悠介は「王子たちを決闘で滅多打ちにするシーンはスカっとしましたね!」と感想を述べた。
もともとは乙女ゲームに登場しないモブに転生したリオン。そんなリオンでも自分の正義に基づいて行動した結果、異例の速さで昇進していく。声優として日々努力を重ねているであろう白井悠介にとって、リオンの姿は大きな励みになるそうだ。

YouTubeにて「執事から学ぶお茶会講座 in 執事喫茶Swallowtail」が公開

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