只野工業高校の日常(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『只野工業高校の日常』とは、小賀ちさとによって、2019年から集英社出版の月刊漫画誌『ウルトラジャンプ』にて連載されている青春コメディ漫画である。工業高校あるあるや、リアルな工業高校生の様子を楽しめるストーリーが魅力の作品となっている。
物語の舞台は、とある雪国の片田舎にある只野工業高校。赤崎眞央、仙堂勝利、八坂斗真を中心に、工業高校の日常や工業高校に通う学生のリアルな姿が描かれていく。

只野工業高校(ただのこうぎょうこうこう)

とある雪国の片田舎にある工業高校。電気科、機械科、自動車科、設備科の4つの学科がある。全校生徒は378名で、そのうち男子は333名、女子は45名となっている。全体的にヤンキーのような見た目をした生徒が多いが、特に多いのは自動車科で毎年退学者も数人いる。
作品内で「とある雪国の片田舎」と紹介されるが、作者の出身地である秋田県をモデルにしていることが明言されている。

ポケットコンピュータ(ポケコン)

1980年代に広く使われた携帯用の小型コンピュータの1つ。2015年に生産終了している。
プログラミングなどができるため、作中では教材として使用されている。

乙4(おつよん)

危険物取扱者乙種(きけんぶつとりあつかいしゃおつしゅ)第4類という資格の略称。ガソリン、灯油、軽油など第4類の引火性液体と呼ばれるものに関する資格。この資格を持っているとガソリンスタンドでの時給が上がる。
作中ではアルバイトの時給を上げるため、仙堂が積極的に勉強していた資格となっている。

科職(かしょく)

各学科ごとに設けられている職員室の略称。只野工業高校では、普通教科を担当する教師がいる普通職員室とは別に、電気科職員室、機械科職員室、自動車科職員室、設備科職員室の4つの科職がある。
作中で科職と呼ばれて登場するのは、主に電気科職員室となっている。

科長(かちょう)

各学科で責任者を務める教師の名称。
作中では、電気科の科長を村岡望が務めている。

整容検査(せいようけんさ)

教師が生徒の身だしなみをチェックすること。制服の着こなしや髪色などが校則に違反していないかチェックし、違反していた場合は指導を受けることとなる。
作中では、整容検査の日限定で赤崎が黒髪に染めてくるシーンや、女子生徒が確認時のみスカートの丈を調整するシーンがある。

なべっこ遠足

具材を持ち寄って鍋を作り、食べる行事。主に秋田県の小中学校で行われる。事前にグループ分けを行い、食材や調理器具などを分担して持ってくる。ウォークラリーとセットになっていることも多く、調理などを生徒のみで行うことで良い学習・体験をさせることが目的となっている。
作中では山登りのみだとサボる生徒が多かったことから、「食べ物があれば生徒が集まるのでは」という教師陣の思惑で実施されることとなった。実際に1年時に山登りを欠席した仙堂は、鍋があることを理由になべっこ遠足には参加している。

ババヘラアイス

秋田県名物のバラの形をしたアイス。一般的には、バナナ味とイチゴ味のさっぱりとしたシャーベットでできている。道路脇やスーパーの入り口、イベントごとなどでパラソルを設置した屋台で出していることが多い。
作中では八坂が好んで食べており、夏祭りでも真っ先に買いに行っていた。

『只野工業高校の日常』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

藤原丞「学生が腹減らしてんじゃねぇ 飯くらい遠慮せずもらっとけ」

藤原が自分で食べる予定だったパンを、赤崎、仙堂、八坂の3人に渡した時のセリフ。赤崎たち3人が電気科専用の職員室、通称・科職に掃除に来ていた際に、机の上に置いてあったパンを1つ見つけた。そのパンを欲しがった赤崎に対して、藤原は「腹減ってんのか」と聞く。赤崎が「減ってるっす」と返答すると、藤原は机に置いていたパンだけでなく、袋に入った大量のパンを3人に差し出した。その量に「こんなにいいのー」と多少遠慮した3人に、「学生が腹減らしてんじゃねぇ 飯くらい遠慮せずもらっとけ」と全て渡したのだった。
夕食として食べる予定だったパンを渡す藤原の優しさが表れたシーンとなっている。普段は成績の良くない赤崎たちに対して雑な対応をするが、自分の担当しているクラスの生徒である3人に対して愛情を持って接していることが分かる。

赤崎眞央「俺はお前にかっこよく見せるためでも お前の手本になるためにやってるわけでもねぇ 俺は俺の思うように生きてるだけだぜ」

赤崎眞央が、自分に憧れを抱いてくれている弟の優雨に投げかけた言葉。優雨は、兄の格好良さを探るため、兄の放課後の行動をひっそりと1週間ほど観察していた。週末になり、出かける準備をしていた兄に行先を聞くと、観察のために後をつけていたことがバレていたと知る。動揺する優雨に、赤崎は優しく「お前は俺の背中追いすぎなんだよ」と諭すように話す。そして「俺はお前にかっこよく見せるためでも お前の手本になるためにやってるわけでもねぇ 俺は俺の思うように生きてるだけだぜ」と続けて、遊びに出かけるのだった。
自由に好きなことをして生きている赤崎の信条とも言える言葉である。
放課後も特別なことはしておらず、自由に遊んでいる赤崎にとっては何気ない一言だった。しかし、自分の思うままに生きる彼の人間性が分かる印象的なシーンとなっている。兄である自分の背中を追うことばかりを考えている優雨に対して、「自分自身を優先していい」という思いを込めた、赤崎の優しさが含まれた名セリフでもある。優雨にとっては憧れの兄からの格好良い一言となり、この言葉を聞いてから更に兄を尊敬している。

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