只野工業高校の日常(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『只野工業高校の日常』とは、小賀ちさとによって、2019年から集英社出版の月刊漫画誌『ウルトラジャンプ』にて連載されている青春コメディ漫画である。工業高校あるあるや、リアルな工業高校生の様子を楽しめるストーリーが魅力の作品となっている。
物語の舞台は、とある雪国の片田舎にある只野工業高校。赤崎眞央、仙堂勝利、八坂斗真を中心に、工業高校の日常や工業高校に通う学生のリアルな姿が描かれていく。

乗り物酔いをしてしまう体質の安藤に、赤崎が「乗る度に具合が悪くなるのに車を嫌いにならないのか」と質問した際の安藤の言葉。電車で通学中に酔ってしまった安藤は、偶然同じ車内にいた赤崎と仙堂に駅で介抱される。乗り物全般が苦手で、特に車とバスで酷く酔ってしまうことを知った赤崎は、自動車科なのに車で酔ってしまう安藤を不憫に思った。同時に具合が悪くなるのに車のことは嫌いにならないのかと疑問に思った赤崎は、それを安藤に質問する。それに対して安藤は自嘲気味に笑って、幼い頃からの体質で自分にはうんざりしていると話した。そして「いつまで経っても車との相性は最悪だしよ けど それでも好きだからどーしようもねぇ」と続けるのだった。
安藤の自動車への愛が伝わるセリフである。この後、安藤は酔いが治らないまま自動車科の実習に参加した。安藤は仙堂と共に喧嘩で停学になったこともあり、普通科目の授業はサボることも多いヤンキーである。そんな彼が、体調不良になっても出席するほど自動車が好きなのだと分かるエピソードでもある。

永廻咲「マキちゃんは いまのままでもかっこいいよ」

永廻が幼馴染みの東海林真希(とうかいりんまき)に放った言葉。永廻が只野工業高校に転校してからも、2人は放課後や休日に遊ぶ仲である。ある日の放課後、2人が買い物を楽しんでいると、電気科に在籍する先輩である金原と黒須由姫(くろすゆめ)に遭遇する。金原は永廻が転校してから初めて会話した人物であった。そのクールで頼りになる姿と綺麗な見た目から、永廻は東海林に金原のことを話す際には「王子様」と呼んでいる。天然な一面のある永廻に対して過保護気味な東海林は、永廻が金原に懐いている姿に少し嫉妬していた。そして対抗心から「あたしだってもうちょっと背が高ければかっこいいわよ」と呟く。永廻は東海林のその言葉を聞き、彼女の嫉妬心には気づいていなかったが、「マキちゃんは いまのままでもかっこいいよ」と告げ、東海林を喜ばせるのだった。
天然で裏表のない永廻だからこそ、本心だと分かる言葉となっている。東海林は誰にでも好意を示す永廻を心配し、初めは金原を警戒していた。しかし年上でクールなだけでなく、優しく頼りがいのある金原に警戒心は解け、今度は自分の立ち位置を取られるのではと焦燥感を覚えていたのである。しかし永廻自身から、ストレートな誉め言葉を言われ、安心と恥ずかしさを同時に味わうこととなった。付き合いの長い2人の仲の良さが分かるシーンにもなっている。

赤崎眞央「ベニヤ板はさ 何にでもなれるんだぜ」

赤崎が、弟の優雨の友人である紅屋に向けて放った言葉。優雨が不良に絡まれていると思い、それを助けようとした紅屋は、不良だと思っていた人物が優雨の兄とその友人の仙堂だと知らされる。誤解が解けた後、4人は公園で談笑することとなった。特にやりたいこともなく、進路や将来について悩んでいた紅屋は、高校生である赤崎と仙堂に工業高校について話を聞くことにする。ある程度の話が終わり、紅屋の名前を確認した赤崎は「名前すげーな ベニヤ板じゃん」と素直な反応を示した。それに対して紅屋は、幼い頃は「ベニヤ板」と呼ばれ揶揄われていたことを話す。それを聞いた赤崎と仙堂は、ベニヤ板は便利な物だと話し、「ベニヤ板はさ 何にでもなれるんだぜ」と言い返したのだった。
自分の名字にコンプレックスを感じていた紅屋は、このセリフで少し自信を持ち励まされる。赤崎と仙堂にとっては、実習などで使用するベニヤ板の事実を述べただけで励ますつもりはなかった。しかし、素直で裏表のない言葉だからこそ紅屋の心に響いた言葉となっている。その後、紅屋は赤崎たちに憧れを抱き、優雨と共に工業高校に興味を持つようになる。

『只野工業高校の日常』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

人気動画クリエイターとのコラボ動画

『只野工業高校の日常』は、2022年3月に、大人気YouTuberのフィッシャーズ・ンダホ、アバンティーズ・ツリメ、タケヤキ翔とのコラボ動画が公開されている。この動画は、電子書籍サイト『コミックシーモア』が始動させたプロジェクト『ONGA PROJECT』の第2弾として発表されたものである。幅広い分野で楽曲提供や、サウンドプロデュースをしているクリエイターサークル『ヤネウラ書房』が楽曲プロデュースを担当している。
工業高校出身であるンダホ、ツリメ、タケヤキ翔が限定グループ『工業高校ボーイズ』として歌唱し、本作を紹介する動画となっている。

『コミックシーモア』のCMで紹介

『コミックシーモア』のCMで、数ある作品の中からピックアップされた。直接紹介するシーンなどはないものの、単行本の表紙が掲載され、CMの最後にはスマホ画面に映る演出で単行本の1ページが載っている。作者の小賀ちさとも、この動画の公開時期に反応を示していた。
『只野工業高校の日常』は、同サイトが主催の「みんなが選ぶ!!電子コミック大賞2022」でも大賞を受賞しており、電子書籍サイトやSNSの利用者を中心に人気を集めている。

SNSで行われる読者参加型の企画

『只野工業高校の日常』は、作者が定期的に読者参加型の企画を開催している。主にTwitterで参加者を募集しており、キャラクターへ対する質問などに答える企画である。募集した内容は、単行本のおまけとして掲載されている。

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