着たい服がある(漫画)のネタバレ解説・考察まとめ

『着たい服がある』とは、常喜寝太郎(つねき ねたろう)によるロリータファッションを題材にした日本の漫画。『Dモーニング』で2018年から連載された。
主人公の小林マミはクールな顔立ちに高身長というモデル体型だ。周囲から「かっこいい」「クールな女性」と評価され、それを求められるがマミの好きな服はロリータファッションだった。本当の自分と周囲からの期待の差に悩んでいる時、派手で奇抜なファッションを堂々としている小澤と出会う。小澤に憧れ、周りとぶつかりながらマミが「本当の自分」を見つけていく物語。

小日村(こひむら)

ロリータ姿のマミを見て怪訝そうにする小日村。

マミの母校である小学校の教頭。マミが原宿で教頭の子供にスカートのフリルをぶつけてしまい、教育実習前からロリータ姿のマミを認知している。

マミが教育実習生に来た当初、ロリータのことについては触れていなかった。しかし、マミが武下の「挨拶を返さない、人との協調性がない」ことを個性だと見ようとしたところで、「自分も同じように社会からあぶれている者だからって武下を庇うな」というような発言をし、全員の前でマミがロリータを着ていることも、ロリータ自体も貶した。

武下 装太(たけした そうた)

俯きがちで登校している武下。

マミが教育実習生として担当したクラスの男子児童。いつも帽子を深く被っている。花が好き。

大人しくて消極的。協調性がなくやる気がない、と周りから思われがちだが、本人の中ではあまりそうでもない。
普段須藤から「もっとやる気出して!みんなと仲良くなりましょう!」と言われているせいか、教師としてのマミに対しても当初は心を開かなかった。しかし、クラスで育てている花に水やりしているところをマミに見られたことから、マミに「花が好きなんだね」と話しかけられる。また、マミがロリータを着ているという秘密を共有したことで少しだけマミに心を開き始めていた。
そんな時、須藤に無理矢理クラスメイトの輪に入れられたことで今までの不満が爆発し「みんなで仲良くなんて気持ち悪いんだよ!勝手にやる気ないって決めつけるな!」と怒って暴れる。クラスメイトの彫刻を壊したことで母親も呼ばれ、武下、武下の母、須藤とマミで放課後話し合うことになる。
そこで須藤が「武下くんは自尊心がちょっと強いみたいで」と武下に注意したが、マミは武下の良いところを見ており尚且つ「そのままの武下くんで居てほしい」と言ったことでマミに対して一目置くようになる。

マミが教育実習を終えて去る日には、クラス全員で寄せ書きをした。武下は寄せ書きに「そのままでいていいと言ってくれてありがとう。お母さんも小林先生はいい人だって言っていた。将来のことは分からないけど、今はお花に興味がある。ありがとう」という内容をマミに書いた。

天野(あまの)

利用者から慕われている天野。

マミが介護体験として行った老人ホームの指導係の女性。
ひたむきに利用者と向き合い、周囲から愛されるマミを見て天野は「介護体験に来てくれたのが小林さんでよかった」と喜んでいた。

田中 こずえ(たなか こずえ)

車椅子生活を送っている田中。

マミが介護体験で訪れた老人ホーム・つくしの苑に入居している高齢の女性。

車椅子で生活しているが、トイレも食事も「自分で出来ることは自分でするわ」とサポートも最低限しかお願いしない。詩を書くのが趣味で、時折亡き婚約者への想いも綴っている。
婚約者を亡くした過去から、部屋に篭りがちで外との交流も少なかった。しかし、マミから何度も「外に出てみませんか」と誘われたことや、マミのロリータファッションショーから溢れる情熱に心を動かされ外に出る決意をする。
後日、マミにロリータを借りて、マミとカヤを引き連れロリータ姿で婚約者の墓参りに訪れた。墓に向かって「可愛いでしょこの服」と自慢して、婚約者との時間を過ごした。

また、カヤがマスターと結婚した際には出席こそ出来なかったものの、マミを通して2人を祝う詩を認めた。

本堂 翔太(ほんどう しょうた)

キツくなると勉強疲れアピールする本堂。

バスケ部に所属している男子高校生。

勉強が最優先で、部活であるバスケは「所詮部活。プロになる訳じゃないし、普通の俺が頑張っても痛いだけだし」と悟っていた。バスケ部のコーチのボランティアとしてマミが来ており、マミから「もっと本気でバスケしてみようよ!自分が好きになれるよ」と言われると、内心「頑張って何になんだよ、うぜーな」と思っていた。
また、マミのロリータファッションショーの動画をSNSで発見し「この人ボランティアで今うちの学校に来てるけど熱血すぎてうざいよ」と悪口を書き込んでいた。

そんな時、マミがスフレソングのロリータを着て、インタビューに応じているところをテレビで偶然見かける。マミは「自分らしさがないことに悩んでいたけど、そのままの自分でいいんだと思えた。普通や特別なんて曖昧な言葉で自分を測ることはできないし、背伸びすることや頑張ることは恥ずかしくない」と話していた。
迎えた練習試合、本堂は「適当にやればいいか」と思っている反面、マミのインタビューでの言葉が忘れられずにいた。本堂が必死にプレーしたところで、敵チームメイトから「必死になってダサい」と言われるだけ。それなら適当でいいと、本堂は無気力なまま試合に参加した。
それでも本堂の頭にはマミの言葉ばかりフラッシュバックしていた。「普通の俺が足掻いてどうなる」と今まで通りの思考と、そんな自分が嫌で変わりたいと思う気持ちも芽生えていた。本堂は思い切って、全力でプレーをしてみる。必死にボールを追いかけて、最後の最後までシュートを決めようとした。
その試合結果は負け。本堂は「全力でやったってこんなもんだ」と落ち込んでいたが、マミから「本堂くんは試合中、本物のプレーヤーだったよ」と褒められて嬉しくなっていた。

本堂は帰宅後、SNS上に書いたマミへの悪口を消した。そしてマミのことを褒めて「この人は自分のために一歩踏み出せる人だ。俺もそんな風になりたい」と何もない自分を悔しがり涙を流した。

その他

近藤 義朗(こんどう よしろう)

常にマミの心を見抜く近藤。

雑誌『KERA』の編集長。いつもスーツを着ている高齢の男性。

星空公園でのお茶会に行こうとロリータで猛ダッシュしているマミにインパクトを受け、マミの写真を撮ったことからマミと知り合う。
常にマミの心を見透かしており、原宿でマミのストリートスナップを撮った時には「まだロリータで外を歩くのが怖いですか」とマミの不安な気持ちを見抜いた。
マミの純粋にロリータを愛する心や、着飾らない姿を見込んでおりスフレソングのモデルにも推薦した。
マミには人の心を動かす魅力があると、マミを「本格的にモデルをしませんか」とモデルに誘ったが、マミは感謝した上で「教師になります」と断った。

マスター

目立つのが苦手という理由からロリータに対して抵抗があるマスター。

Bar「moao」の店長でバーテンダー。メガネに口髭が特徴的な中年男性。
カヤ曰く、目立つことが嫌いでヘタレ。加えて気が利かない。女の子といても歩道側を歩くタイプ。

ロリータを着ている子と一緒に歩くのに抵抗があることから、ロリータを着ない女性が好きだと過去に発言している。
それを聞いたカヤはマスターのためにロリータを辞めようとするが、やはり自分の好きなものは変えられず、ロリータを着たままマスターに告白する。マスターは「ロリータを着ている子は好きじゃない」と発言したことを反省し、カヤの告白を受け入れ恋人同士になる。

ボス

怪しい風貌のボス。

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