着たい服がある(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『着たい服がある』とは、常喜寝太郎(つねき ねたろう)によるロリータファッションを題材にした日本の漫画。『Dモーニング』で2018年から連載された。
主人公の小林マミはクールな顔立ちに高身長というモデル体型だ。周囲から「かっこいい」「クールな女性」と評価され、それを求められるがマミの好きな服はロリータファッションだった。本当の自分と周囲からの期待の差に悩んでいる時、派手で奇抜なファッションを堂々としている小澤と出会う。小澤に憧れ、周りとぶつかりながらマミが「本当の自分」を見つけていく物語。

マスターのバー。

マスターのバー。カウンター席の端がカヤの特等席。

Bar「Siamese」

カヤのアルバイト先。
カヤはバーの他にも、日勤では老人ホーム「つくしの苑」の仕事もしている。

cafe「conforto」

マミがマミの父・大野と再会した場所。新宿にある。
マミが「自分の昔はどうだったのだろう」「いつから可愛いものが好きだったんだろう」という疑問から、離婚以来会っていなかった父に会いに行った。

つくしの苑(つくしのその)

マミが介護体験で訪れた老人ホーム。

マミが介護体験の一環として、教育実習で参加した老人ホーム。
カヤの日勤のアルバイト先でもある。

その他

雑誌『KERA』

実際に存在する雑誌で、主にロリータやパンク、ゴシックファッションなどを取り上げているサブカルチャーファッション雑誌。
マミも逐一ここでロリータ情報を得ており、「前髪パッツン姫カット」や「CAFE FLOWER」を知った。

スフレソング

社長はヨウが務めている。

中国発のロリータファッション。代表はヨウ・エイが務めている。
『KERA』も日本進出を手助けしており、マミもスフレソングのモデルを務めた。

『着たい服がある』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

小澤「でもまぁ…自分の着たい服着る方が一億倍気持ちいいんスよ」

店長に向かって「でもまぁ…自分の着たい服着る方が一億倍気持ちいいんスよ」と話す小澤。

小澤は周囲から「顔はかっこいいのに服がね…」と言われていた。マミも似たような言葉を何度も聞いてきた。マミも周囲から「顔がかっこいいんだからパンツスタイルが似合うよ」「甘いスカートはマミのイメージとは違うかな」と言われ続け、自分の好きな可愛いファッションをすることに抵抗があった。
そんな中、バイト先で店長から「小澤くんかっこいいんだから、もっと普通の服着ればいいのに」と言われた際に、小澤は「そうっすね」と同意してから「でもまぁ…自分の着たい服着る方が一億倍気持ちいいんスよ」とはっきり言い放った。
ロリータが好きなのに、周りの目を気にして外で着ることが出来ない。そんなマミは心の奥底で、ロリータを着て外を歩きたいという願いを抱えていた。だからこそ小澤のこの言葉と、堂々とした態度で信念のある姿に、マミは憧れと感動を覚える。そしてこの言葉に突き動かされたマミは、「私もロリータを好きな時に着たい。ロリータを着てカフェでレモンティーを飲みに行こう!」と思うようになる。
マミが初めてネットカフェでロリータに着替え、外に出るという一歩を与えたきっかけとなった小澤の言葉。
着たいものを自分が好きなように着る。そういった姿が一番かっこいいと思わせてくれる名セリフである。

カヤ「何着てどこ行くかは私が決めんだよ」

悪態をついてきた男性客に「何着てどこ行くかは私が決めんだよ」と言い放つカヤ。

マミはバイト先の後輩に誘われ、マスターが営むバーへ来ていた。
そのカウンターの一角で飲んでいたのがカヤだ。カヤはロリータを着て堂々とバーにいた。その姿に見惚れるマミ。
そこに他の男性客がやってくる。随分飲んでから来たようで、うっかりカヤのロリータのフリルに引っかかり、カヤのロリータにお酒がかかってしまう。カヤが注意すると、男性客は逆上し「バーにそんな服で来るんじゃない!」とカヤに難癖をつける。するとカヤは「何着てどこ行くかは私が決めんだよ」と反論し、男性客はたじろぐ。
その姿にマミは感動していた。好きなところに自分な好きな服を着て好きに過ごす。当たり前のことだが、マミは未だに周りの目を気にしていたため、それが出来ていなかった。そんな中、カヤは堂々とロリータという自分の好きな服を着て、バーに来てお酒を飲んでいる。そんなカヤがマミの目にはカッコよく見えたのだった。

男性客が去った後、マミはハンカチをカヤに差し出し汚れたロリータを拭きながら「服を馬鹿にされたら自分を馬鹿にされたみたいで辛いですよね」と声をかける。しかしカヤは「あんたは服脱いだらあんたじゃなくなるの?」と真理を突かれ、マミは黙ってしまう。
カヤの言うことは最もで、マミは未だに「自分らしさ」「自分の信念」を見つけられずにいた。それが一つの理由となり、外で堂々とロリータを着るという勇気も出ないのだと知るマミ。そしてカヤから「ロリータはあくまで服。あんたらしさを見つけな」と言われたことから、マミは「自分にしかないもの」を模索し始める。

場所や人の目に縛られることなく、自分が好きな服を着て好きなところへ行く。どんな服を着るかは自分の自由であると気付かされる名セリフ。

カヤ「あんたがロリータを着たからみんな喜んでくれたんだよ」

カヤに「あんたがロリータを着たからみんな喜んでくれたんだよ」と言われるマミ。

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