九龍ジェネリックロマンス(漫画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】
『九龍ジェネリックロマンス』とは、眉月じゅんが雑誌『週刊ヤングジャンプ』(集英社)に2019年49号より連載中のSFラブストーリーである。物語の舞台は、近未来の香港に存在する「第二九龍寨城」。その上空には建設中のコロニー「ジェネリック地球(テラ)」が浮かんでいる。不動産会社に勤務する過去の記憶を持たない女性・鯨井令子が様々な秘密に翻弄されていく中、先輩の工藤発との恋愛模様を描く。恋愛漫画でありながら、SF要素やミステリー要素が混じっているのが本作の魅力となっている。
漢字表記は「鼬瓏」。三つ編みが特徴の関西弁を話す青年。ちなみに関西弁は、「訛りのある広東語を話している」という表現だと作者は述べている。32歳。みゆきの幼馴染で、元第二九龍の住民だが、現在の第二九龍を認識できない。
極端な味覚の持ち主で、コーヒーに大量の砂糖を入れたり激辛チキンを好んだりなどしているためみゆきに心配されている。ハッカーの才能を持つ。
現在はジェネリック地球(テラ)とジルコニアンの研究をしている。みゆきの第二九龍の調査に協力しているが、大旦那への復讐心に囚われている彼のことを気にかけている。みゆきが蛇沼家の養子として引き取られた後、第二九龍内で「安好(アンハオ)公司」というリモートメンテナンスの会社を立ち上げて経営していたことがある。現在の第二九龍には、何故か声のみが存在している。
汪先生
みゆきの主治医で、ユウロンの育ての親。また鯨井Bの主治医でもあった元第二九龍の住民。73歳。現在は香港に拠点を構えていて、ユウロンと共に暮らしている。みゆきとユウロンからは父親のように慕われている。
生前の鯨井Bを知る人間の一人。鯨井Bと親しかった為、自殺した彼女を助けられなかったことを今でも深く後悔している。みゆきを実子のように想っており、ユウロンと共に復讐心に囚われている彼を心配している。工藤同様ジェネリック地球(テラ)の建造に反対している。
現在の第二九龍にも、第二の彼が存在している模様。
大旦那
みゆきの養父。素顔とフルネームは不明。
皓然(ハオラン)という息子がいたが、ずっと前に事故で妻共々亡くしている。息子をジルコニアンとして甦らせようとしており、みゆきを使って現在の第二九龍の調査をしている。だがその一方で別の思惑もある様子で、真意は不明。ちなみに、第二九龍の取り壊しをみゆきに命令したのは彼である。みゆきからは憎悪を抱かれている。
みゆきのことは実子の代わりとしか見なしていないが、時折歪んだ愛情を見せることもある。鯨井Bの死にどうやら関わっているようだが現時点では不明。
皓然(ハオラン)
みゆきの異母兄弟。事故で母親と共に命を落としている。大旦那は、ジルコニアンの技術を利用して死んだ息子を甦らせようとしている。
みゆき曰く、現在の第二九龍に第二の存在がいるらしい。
その他の登場人物
陳さん
工藤の麻雀仲間の老人。
みゆきの「オリジナルが現在の第二九龍に足を踏み入れるとどうなるか」という実験に無理矢理参加させられ、オリジナルの彼が足を踏み入れたと同時にその場から消滅してしまう。オリジナルは現在別の場所で暮らしている模様。
楊麗(ヤンリー)
香港の大女優。楊明の母親。
一人娘の楊明に対して自分の好みばかり押し付け、さらに自身と瓜二つの容姿に着飾るなどむしろ人形のような可愛がりようを見せていた。楊明にしてみれば毒親そのもので、彼女が家を飛び出す原因となる。
楊明が家出したあとは、表舞台から姿を消しており消息は不明。
『九龍ジェネリックロマンス』の用語
第二九龍寨城(だいにくーろんさいじょう)
本作の舞台。1994年まで実在した「九龍寨城」をモデルに住民達が無断で建てたもの。
三年前に蛇沼グループの指揮で取り壊されており、現在は瓦礫しか残されていない廃墟となっている。グエンをはじめとした住民達も現在は別の場所で暮らしている。
現在の第二九龍は認識できる人間とできない人間がいる。現在の第二九龍を認識できるのは、工藤・みゆき・グエン・楊明・オリジナルの小黒。みゆきの幼馴染であるユウロンは認識できない。
認識できる人間には第二九龍は取り壊される以前の姿に映るが、認識できない人間には取り壊されて瓦礫の山と化した廃墟としか映らない。さらに住民達は全員第二の存在で、鯨井のように死んだはずの人間も存在している。だがユウロンの場合、何故か声のみが存在している。オリジナルが足を踏み込むと消滅する仕組みになっているらしいが、小黒のように同時に存在できる人間もいる。
現在の第二九龍は実体を持った幻のような場所だが、工藤や楊明は普通にこの中で生活して食事を取っている。元住民であるグエンは、猫のために作った小屋が存在していないことなどから違和感を持っている。さらに、「楊明は整形する以前の元の姿に戻る現象に遭遇する」・「第2のグエンが消滅したあと彼の住んでいた部屋へ行く道が塞がっている」など奇妙な現象も起こっている。またグエンは現在の第二九龍の住民達について、「第二九龍内でしか存在できないのでは」と推測している。
なぜ取り壊されたはずの第二九龍に鯨井を始めとした住民達が存在しているのか、楊明のように外から来た人間も普通に暮らすことができるのか、認識できる人間とできない人間の違いは何か等一切謎に包まれている。
旺来地産(おうらいちさん)
鯨井と工藤が勤務する不動産会社。日本や香港にも支店が存在している。
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目次 - Contents
- 『九龍ジェネリックロマンス』の概要
- 『九龍ジェネリックロマンス』のあらすじ・ストーリー
- 第二九龍寨城
- もう一人の「鯨井令子」
- 謎の多い第二九龍
- 第二九龍の秘密を知る鯨井
- 『九龍ジェネリックロマンス』の登場人物・キャラクター
- 主要人物
- 鯨井令子(くじらいれいこ)
- 鯨井B(くじらいビー)
- 工藤発(くどうはじめ)
- 蛇沼みゆき(へびぬまみゆき)
- 鯨井令子の仕事関係者
- 李(リー)
- 鯨井令子の友人
- 小黒(シャオヘイ)
- オリジナルの小黒
- 楊明(ようめい/ヤンミン)
- 蛇沼みゆきの関係者
- タオ・グエン
- 第2のグエン
- ユウロン
- 汪先生
- 大旦那
- 皓然(ハオラン)
- その他の登場人物
- 陳さん
- 楊麗(ヤンリー)
- 『九龍ジェネリックロマンス』の用語
- 第二九龍寨城(だいにくーろんさいじょう)
- 旺来地産(おうらいちさん)
- 金魚茶館
- ジェネリック地球(テラ)
- ジェネテラちゃん
- 蛇沼グループ(へびぬまグループ)
- ジルコニアン
- クローン
- 『九龍ジェネリックロマンス』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- 鯨井「私は絶対の私になりたい」
- グエン「みゆきちゃん、俺を選べよ。自ら未来を奪うな…!」
- 真の第二九龍の姿
- 汪先生「人が生まれ、生きることに意味などない。あるのは理由であり、その理由を何とするかは自分次第だ」
- 「心」と返事をする汪先生
- グエンから現在の第二九龍の真実を聞かされる鯨井
- 『九龍ジェネリックロマンス』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 魅力的な食べ物の描写
- 「鯨井令子」とは何者なのか
- 世界観のモチーフはゲーム『クーロンズゲート』