怪怪怪怪物!(映画)のネタバレ解説・考察まとめ

『怪怪怪怪物!』とは2017年に台湾で公開されたホラー映画。監督は、『あの頃、君を追いかけた』を手がけたギデンズ・コーが務めた。学校でのいじめ問題を軸に、怪物と人間を描いた作品。いじめの罰として地域奉仕活動をした際に怪物に遭遇した学生たちが怪物を捕獲したことから取返しのつかない状況へと発展していく。いじめられっ子のリン・シューウェイを演じるのは、2014年に俳優デビューしたトン・ユィカイ。怪物と人間のどちらが本当に残酷で悪者なのかを問いかけてくるホラー映画。

教室外の女子生徒(演:高百合)

机に座っているのが教室外の女子生徒

学校で唯一、いじめに加担しなかった女子生徒。リンと同じようにクラスメイトからつまはじきにされているため、教室にいれてもらえない。

教室外の女子生徒役を演じた高百合は、通訳として活躍している。

スクールバスの生徒(クー・チェンドン)

リンが通う高校の男子生徒。スクールバスで姉の怪物に襲われる。

生徒役のクー・チェンドンは、1991年中国生まれ。2012年『あの頃、君を追いかけた』に出演。

スクールバスの生徒(演:ビビアン・ソン)

リンが通う高校の女子生徒。スクールバスで姉の怪物に襲われる。

生徒役のビビアン・ソンは、1992年台湾生まれ。2014年『等一個人珈琲(コーヒーを待つ)』で映画デビュー。

スクールバスの生徒(演:ツァイ・チャンシェン)

リンが通う高校の男子生徒。スクールバスで姉の怪物に襲われる。

生徒役のツァイ・チャンシェンは、1988年台湾生まれ。歌手・俳優・テレビ司会者として活躍。

『怪怪怪怪物!』の用語

認知症の老人

海外では、事件などを起こした罰として社会奉仕活動で償わせることがある。学校で問題を起こしたドアンとリンも罰として、痴呆老人の世話をすることを命じられた。奉仕活動中にドアンが認知症の老人に対してひどい仕打ちをしている際に、最初はとまどっていたはずのリンがいつもいじめられている自分よりも弱い立場の人間に対して優位に立つことを面白がってしまったことに嫌悪感を抱いている。正義感のあるリンが自分の弱さに気付くシーン。

体育館

学校の体育館という公共場で女教師が、汚物をたらした後に炎に包まれる異常な状況を大勢の生徒たちが目の当たりにするシーン。原因もわからない恐ろしい状況にも関わらず、生徒たちはスマートフォンを片手に撮影をしはじめる。いじめの中心にいるドアンは女教師を笑い、見ている生徒たちも女教師を助けようとしたり、心配したりすることもない。スマートフォンを女教師をむけている行動は、人間味に欠け怪物じみている。

プールの地下室

いじめっ子のドアンたちが隠れ家にしている学校のプールの地下室。廃墟のような地下室は、物に溢れ雑然としている。捕まえた妹の妖怪を柱に縛り付け、拷問をした場所。助けに来た姉の怪物が、妹の怪物が日光で焼かれるのを助けようとかばったが姉妹で炎に包まれてしまう。薄暗く誰も来ない地下室で、人間ではないという理由だけで残酷な実験をするドアンたちの方が怪物より恐ろしい。

『怪怪怪怪物!』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

ドアン「人じゃないから好きにできる」

2匹の怪物は人間を食べる残酷な食事シーンがある一方で、姉が妹に食事をわけあたえたり、妹が光にさらされ危険が及ぶと姉が妹に覆いかぶさり助けようとしたり怪物とはいえ、その行動はとても人間味が溢れている。逆に、いじめをしたり、怪物だから何をしてもいいと残酷な仕打ちをしたり、教師の水筒に怪物の血を混ぜて実験まがいのことをしたりする人間の行為は、怪物以下だ。残酷な仕打ちをするドアンたちにリンが怯えていると、ドアンは「人じゃないから好きにできる」と罪悪感のかけらもない。またドアンだけではなく、教師が体育館で炎に包まれてもスマートフォンで撮影をしたり、リンをいじめている学校の他の生徒たちも、怪物よりも人間味に欠けている。

リン「この世はバカと悪人しかいない」

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