ハッピー・デス・デイ(映画)とは【ネタバレ解説・考察まとめ】

『ハッピー・デス・デイ』とは、2017年に公開された新感覚のホラー映画。
主人公はわがままで自己中心的な女子大生ツリー。彼女は自身の誕生日に謎の仮面の人物に命を奪われる。しかし殺されたはずのツリーが目を覚ますと、なぜか殺された誕生日の朝に戻っていた。彼女は自分が殺される誕生日を何度も繰り返す中で、このタイムループ地獄から抜け出すために殺人犯の正体を暴き、自分が生き残る道を目指して突っ走っていく。"殺されること”を何度も繰り返すことで高まる恐怖とスリルを最大限に味わえる映画である。

カッパ

カッパに所属するメンバー

ツリーが所属している大学の女子寮グループのこと。リーダー格のダニエルを中心に寮に誇りを持つ同じ寮の女子大生で構成されている。
毎夜パーティーに繰り出し、美容・見た目にこだわりを持つ。

『ハッピー・デス・デイ』の名言・名セリフ/名シーン・名場面

今日は残りの人生の最初の日

扉に貼ってあるステッカーの文章。
ツリーが"繰り返す朝"に目覚めるカーターの部屋にあり、この映画を象徴している文章でもある。
「今日が残りの人生の最初の日」は、アメリカの薬物中毒者救済機関Synanon(シナノン)を設立したチャールズ・ディードリッヒの言葉。誕生日の日を繰り返しているツリーを励まし、彼女の原動力となった言葉である。

カーター「君には無限の命がある、犯人を見つける無限の可能性もある」

繰り返す1日に絶望するツリーをカーターは「君には無限の命がある、犯人を見つける無限の可能性もある」と励ました。彼は「今日を繰り返すには理由がある」とツリーに進言し、殺されることから逃げられないと思い込んでいるツリーの考えを改めさせ、彼女に前を向かせた。
カーターの言葉で、ツリーは犯人を見つけるまで何度も殺され続けることを覚悟することができ、ループから逃れるための一歩を踏み出したのだった。

ツリー「同じ日を何度も繰り返して生きてたら、自分がどんな人間か分かってきた」

自分の愚かさへの気づきを打ち明けるツリー

ツリーがカーターに本音を語る台詞。
彼女は自分を殺す容疑者を探すうちに、今までの自分の振る舞いの愚かさに気づく。
初めは自分が世界の中心とでもいうような傍若無人な態度だったツリー。しかし、生き残る手段を探るうちに、彼女の性格に変化が見られるようになる。
そして「同じ日を何度も繰り返して生きてたら、自分がどんな人間か分かってきた」とカーターに語るように、ツリーは今までの自分の行動を悔い、周りへの接し方を少しずつ軟化させていく。自己の行動を振り返り未来へ活かしていくことで、自分が変われば未来も変わると実感していくのだった。

恐怖を盛り上げる着信音

ツリーのスマートフォンの着信音で、作中に繰り返し登場する。
「今日はバースデー、電話に出てくれ〜!1人にしないで〜!」というふざけた歌詞だが、今日がツリーの誕生日だということ、彼女は誕生日に何度も殺されていることを視聴者に刷り込むための重要な役割を果たしている。
またこのポップなメロディが緊迫したシーンで鳴り響くことで、緊迫したシーンでの場違いさからより一層恐怖を煽る材料となっている。

『ハッピー・デス・デイ』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話

始動は2006年、初期題名は『Half to Death』

クリストファー・ランドン監督

本作の製作が発表されたのは2007年6月のことでタイトルは『Half to Death』。クリストファー・ランドンが監督としてプロジェクトがスタートした。
クリストファーは脚本を書き直すためスコット・ロブデルを雇い、『パラノーマル・アクティビティ』シリーズを共に作り上げたジェイソン・ブラムと彼の会社ブラムハウス・プロダクションズ(Blumhouse Productions)に製作プロデュースを依頼した。
そして2016年10月11日に『ハッピー・デス・デイ』のプロジェクトと主演のジェシカ・ロスを発表し、2016年11月8日に他のキャストも発表した。
2017年6月、タイトルを『Half to Death』から『Happy Death Day』へと変更した。

試写会不評でエンディングを変更

本作のエンディングは当初、ループを抜け出したツリーが入院中に看護師に成り済ましたステファニー・バトラーに殺害されるというものだった。彼女の夫グレゴリーと不倫していたツリーを憎んだから、というのが殺人動機である。
しかし試写会後にこのエンディングへの酷評が多かったため、現在の劇場公開版のエンディングへ変更した。
2018年に発売されたDVDとBlue-rayには、この試写会で放映されたオリジナル版のエンディングが収録されている。

同僚も怖がるベビーマスク

ベビーマスクを着けた犯人

『ハッピー・デス・デイ』の不気味なベビーマスクをデザインしたのは、かつて『スクリーム』のゴーストフェイスをデザインしたトニー・ガードナー。
犯人が着ける仮面をベビーマスクに決めた理由を、監督のクリストファー・ランドンは「まず製作中に自身が第1子を授かり赤ちゃんのイメージが頭に浮かんだ。また、オフィスでベビーマスクを着けたとき、同僚がすごく怖がりこれだ!と思った」とコメントしている。
しかしこのベビーマスクのデザインは、ニューオーリンズペリカンバスケットボールチームの公式マスコットである"キングケーキベイビー"に酷似していると指摘され、マスコット作成者であるジョンソン・ベルティチェリから著作権侵害を訴えられている。この訴訟は2019年の時点でまだ解決されていない。

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