パターソン(映画)のネタバレ解説・考察まとめ
『パターソン』とは、2016年に公開されたアメリカ映画。詩を書くことを趣味としているバスの運転手の日常を描いたヒューマン・ドラマである。ニュージャージー州に住むパターソンは毎朝、隣で眠る妻のローラにキスをしてから仕事に向かう。そしてひらめいた言葉や浮かんだ思いを、勤務中に人知れずノートに書き留めていく。帰宅して妻と夕食を共にし、愛犬の散歩中バーに立ち寄り一杯だけ飲んで自宅に帰る。平凡で変わりのない日常の中で、思いがけない出会いや交流を描いた7日間の物語。
詩を書いていたノートを、マーヴィンに粉々に噛み千切られ落ち込むパターソンは、翌日散歩に出かけた。公園のベンチに腰を下ろしていると、一人の日本人男性がパターソンの隣に腰掛ける。
男性が、パターソンの敬愛する詩人の詩集を開いていたことから会話が始まる。
自身も詩を書いているという男性は、「日本語で書いて翻訳はしません。詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」と言った。
自身の紡ぎ出す言葉を剥き出しにしなければ意味がないということに共感したパターソンは笑顔を見せる。
パターソンが少しずつ活力を取り戻していく様子が印象的なシーンである。
ノートの贈り物
男性は帰り際、パターソンに一冊のノートをプレゼントした。
まっさらなノートに目を落とすパターソンは、そこに広がる未来の可能性を感じる。
ノートがなくなっても、詩が失われた訳ではない。詩人のパターソンは、新しいノートに新しい言葉を綴るのだった。
『パターソン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
物事がなければ観念はない
ラッパーの男が口にした「物事がなければ観念はない」という言葉は、パターソンの敬愛する詩人、ウィリアム・カーロス・ウィリアムズの哲学である。
「日常の小さな事柄から詩は生まれる」と、本作で監督を担当したジャームッシュは語っていた。
指に巻かれた絆創膏
パターソンと別れの挨拶をし握手を交わした際に、日本人男性の指に巻かれた絆創膏がクローズアップされる。
このことから、この男性は破れたノートのメタファーなのではないかと言われていた。
1946年にウィリアムズが発表した長編詩『パターソン』は、パターソンという街全体を人のメタファーとして書いていたという。
ジャームッシュ監督はそれを読んで、パターソンという男がパターソンに住んでいるという設定を思いついたと話していた。
『パターソン』の主題歌・挿入歌
OP(オープニング」):SQÜRL『Bright Air』
本作のオープニングで流れる曲。
ED(エンディング):SQÜRL『Dark to Light』
本作のエンディングで流れる曲。
挿入歌:SQÜRL『Blue and Gray』
パターソンが職場へ向かうシーンで流れる曲。
挿入歌:SQÜRL『Warm Sun on Cold Snow』
パターソンがバスを運転しているシーンで流れる曲。
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目次 - Contents
- 『パターソン』の概要
- 『パターソン』のあらすじ・ストーリー
- パターソンの一日
- 月曜日
- 火曜日
- 水曜日
- 木曜日
- 金曜日
- 新しい日
- 土曜日
- 日曜日
- 『パターソン』の登場人物・キャラクター
- 主な登場人物
- パターソン(演:アダム・ドライバー)
- ローラ(演:ゴルシフテ・ファラハニ)
- マーヴィン(演:ネリー)
- バーの人々
- ドク(演:バリー・シャバカ・ヘンリー)
- ドクの恋人(演:ジョニー・メイ)
- エヴェレット(演:ウィリアム・ジャクソン・ハーパー)
- マリー(演:チャステン・ハーモン)
- サム:(演:トレヴァー・パラム)
- デイヴ(演:トロイ・T・パラム)
- バスの乗客
- バス車中の子供たち(演:ドミニク・リリアーノ、ジェイデン・マイケル)
- ジミー(演:ブライアン・マッカーシー)
- ルイス(演:フランク・ハーツ)
- バス車中の学生(演:カーラ・ヘイワード)
- バス車中の学生(演:ジャレッド・ギルマン)
- その他の登場人物
- ドニー(演:リズワン・マンジ)
- メソッド・マン(演:クリフ・スミス)
- 詩人の少女(演:スターリング・ジェリンズ)
- ブラッド(演:ルイス・ダ・シルヴァ・ジュニア)
- 日本からやって来た詩人(演:永瀬正敏)
- 『パターソン』の用語
- 詩
- バス
- 『パターソン』の名言・名セリフ/名シーン・名場面
- パターソンの一日の始まり
- ラッパーの男「詩の浮かんだ所がスタジオさ」
- 日本人男性「日本語で書いて翻訳はしません。詩の翻訳はレインコートを着てシャワーを浴びるようなもの」
- ノートの贈り物
- 『パターソン』の裏話・トリビア・小ネタ/エピソード・逸話
- 物事がなければ観念はない
- 指に巻かれた絆創膏
- 『パターソン』の主題歌・挿入歌
- OP(オープニング」):SQÜRL『Bright Air』
- ED(エンディング):SQÜRL『Dark to Light』
- 挿入歌:SQÜRL『Blue and Gray』
- 挿入歌:SQÜRL『Warm Sun on Cold Snow』