映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコのネタバレ解説・考察まとめ

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』とは、2021年11月に公開されたすみっコたちと魔法使いの5人きょうだいとの夢と魔法の物語。サンエックス株式会社の人気キャラクター『すみっコぐらし』の劇場アニメ第2弾である。前作に続き、井ノ原快彦と本上まなみがナレーションを担当した。「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法使いたちが町にやってきて、夢をかなえてくれる」という伝説は本当だった。すみっコたちが暮らす街を舞台に、夢と魔法が描かれた心温まる作品。

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の概要

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』とは、2021年11月に公開されたすみっコたちと魔法使いの5人きょうだいとの夢と魔法の物語である。サンエックスの人気キャラクター『すみっコぐらし』の映画化作品『映画 すみっコぐらし とびだす絵本とひみつのコ』に続く、2作目の劇場アニメ。前作に続き、井ノ原快彦と本上まなみがナレーションを担当し、情景やすみっコたちの気持ちを代弁して物語を優しく見守った。監督は『地獄少女』『夏目友人帳』など、様々なジャンルのアニメ作品制作に関わってきた大森貴弘。脚本はアニメーション作品を中心に幅広く活躍している吉田玲子。アニメーション制作は前作に引き続き、多数のアニメ制作とプロデュースをしているファンワークスが担当した。
未就学児から大人まで、男女問わず人気がある『すみっコぐらし』のキャラクターたちの個性も見どころである。ネガティブな一面もあるが、どこかほっこりしてしまうすみっコたちに心癒される作品となっている。

秋の夜、いつもより月が青く大きく見えることに気がついたすみっコたち。すみっコたちが暮らす町に伝わる「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法使いたちが町にやってきて、夢を叶えてくれる」という伝説があった。伝説と思っていたが、まさかと期待してすみっコたちが空を眺めていると、キラキラの帆船に乗った魔法使いの5人きょうだいがやってきた。
すみっコたちは魔法使いたちと魔法のナイトパーティーを楽しむ。月の向こう側にある魔法の世界へと帰っていく魔法使いたちであったが、末っ子魔法使いのふぁいぶがすみっコの町に取り残されてしまった。
次の大満月まですみっコの町で暮らすことになったふぁいぶは、次第にすみっコたちとの暮らしに慣れていく。ある日“夢”という言葉をすみっコたちに教えてもらったふぁいぶは、お世話になっているすみっコたちの夢を叶えてあげようと奮闘するが事件が起こってしまう。
すみっコたちと暮らし、目には見えないけれど大切な夢の存在を知ったふぁいぶにも初めての夢ができる。

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』のあらすじ・ストーリー

すみっコぐらし

夜空に浮かぶ大きな月の向こうに、魔法使いたちが暮らす世界がある。そこには魔法使いの5人のきょうだいがいた。きょうだいたちは、ステッキを振りかざして様々な魔法を使いこなしていたが、末っ子の魔法使いはうまく魔法を操れずに苦戦していた。きょうだいたちは末っ子を励ましながら、大きな青い月を眺めて何か不思議なことが起こりそうだと感じていた。

季節は秋。すみっコたちがすみっこでひっそりと暮らしている町では、もうすぐ満月を迎えようとしていた。
「ふろしき」と共に北からやってきた「しろくま」は寒いのが苦手。「とんかつ」と「えびふらいのしっぽ」は残り物同士で仲が良い。恥ずかしがり屋で体型を気にしている「ねこ」は心優しく、「ざっそう」に水を上げている。ねこにとって癒しの存在である「たぴおか」たちは、タピオカミルクティーの中にいたけれどミルクティーだけ飲まれて残されてしまっていた。自分は何者なのかわからずに、自分探しをしている「ぺんぎん?」は本を見ている。実はきょうりゅうの生き残りであることを隠してとかげのふりをしている「とかげ」の母親は、伝説の生き物「スミッシー」であるのだ。とかげの秘密を唯一知っている「にせつむり」は、カタツムリに憧れてカラを被ったなめくじ。それぞれの事情を抱えてすみっコたちは共に生活していた。

すみっコたちがお気に入りのカフェである“喫茶 すみっコ”を訪れると、“すみっコマーケット”がリニューアルオープンすることを知る。みんなですみっコマーケットに買い物に行って、湖でキャンプすることを計画した。すみっコたちは過去に湖でスミッシーに会ったことがあり、また会えるか期待していた。とかげはきょうりゅうであることがバレたら捕まってしまうことを恐れ、その時にもスミッシーが母親であることを隠し続けていた。

青い大満月

早速買い物に行くために“すみの町 商店街”に向かったすみっコたち。パン屋やクリーニング屋、駄菓子屋などに寄り道しながらすみっコマーケットを目指す。
マーケットではそれぞれが欲しいものを持ち寄り会計に向かうが、あまりの品物の多さにお財布当番をしていたねこはお金が足りるのか心配になっていた。
買い物袋を手に、湖に向けて電車で出発する。心地良い電車の揺れにすみっコたちは眠ってしまう。“すみっ湖駅”に到着するとしろくまが運良く起きて、慌てて下車した。

伝説のスミッシーの目撃情報のある湖では、誰もがスミッシーをひと目見ようと待ち望んでいる。スミッシーサブレなどのお土産の屋台も並び、スミッシーは湖の名物になっていた。とかげはスミッシーに会いたい気持ちでいっぱいだが、スミッシーが見つかったら大騒ぎになってしまうと想像して動揺するのであった。
キャンプマスターの「かわうそ」も合流して、焚き火を囲んでキャンプを楽しむすみっコたち。するといつもより月が青く大きく見えることに気がつき、ぺんぎん?が“世界七大伝説”の図鑑を開く。「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法使いたちが街にやってきて、夢をかなえてくれる」という伝説があるそうだ。
それぞれ夢を思い浮かべる。とんかつとえびふらいのしっぽは、いつか誰かに食べてもらうこと。しろくまはふろしきと共に暖かいところで暮らしたかった。ぺんぎん?は本当の自分を見つけること。ねこは理想の体型になりたかった。ざっそうはブーケにしてもらうことが夢である。とかげは、母親と共に暮らしたいと密かに思っていた。
お腹もいっぱいになったすみっコたちは、寝袋にくるまり身を寄せ合って眠った。
湖を見ながら朝食をとったすみっコたちは帰り支度をする。とかげは名残惜しそうにスミッシーがいる湖を見つめた。

前夜に話していた「5年に1度おとずれる、青い大満月の夜。魔法使いたちが街にやってきて、夢をかなえてくれる」という伝説にもある“青い大満月”が今夜だとわかったすみっコたちは、伝説だと思いながらも少し期待して夜遅くに揃って空を見つめる。
その頃魔法の世界では、魔法使いの5人きょうだいが力を合わせて魔法で大きな帆船を完成させて乗り込み、すみっコたちの世界へ向けて出発の準備をしていた。
待てども現れない魔法使いを待ちきれずに、諦めて帰ろうとするすみっコたち。ふととかげがもう一度空を見上げると、魔法の帆船が向かってくるのであった。

魔法のナイトパーティー

5人の魔法使いの中で一番大きなコは「わん」。めがねっコの「つー」といたずらっコの「すりー」、そして食いしん坊のコ「ふぉー」。末っコの「ふぁいぶ」はまだ魔法がうまく使えなかった。
魔法使いたちは町中に魔法をかけて、煌びやかな世界に変えていく。いつもとは違う町の姿にすみっコたちは心を弾ませた。
すみっコたちが森に移動した魔法使いたちを追いかけていくと、魔法使いたちはナイトパーティーの準備をしていた。その様子を見ていたすみっコたちに魔法使いたちは気がつく。魔法ですみっコたちを魔法使いの姿に変えて、ナイトパーティーに招待したのであった。
次々に魔法でおもてなしをしてくれる魔法使いたち。しかしなかなか思うように魔法が使えないふぁいぶはその場を離れて、すみっこでパーティを眺めていた。そしてふぁいぶはうとうとし始め、木の上で座って眠ってしまうのであった。
楽しい時間はあっという間に過ぎ、魔法使いたちは月の向こうに帰るために支度をする。眠っている水色のたぴおかをふぁいぶと間違えたきょうだいは、ふぁいぶを残してたぴおかを連れ帰ってしまった。
取り残されたことを知って必死に帆船を追いかけたふぁいぶであったが、町にかけられた魔法が解けると魔法のほうきも消えて落ちてしまう。母親と共に暮らすことのできないとかげは、ふぁいぶに自分の境遇を重ね、木の洞穴にあるとかげの家で一緒に暮らすことを提案する。とかげはスミッシーが母親であることがふぁいぶにバレないように、家にあるスミッシーに関連するものを隠した。
5年後の青い大満月まですみっコの世界で暮らすことになったふぁいぶは、次第にすみっコとの暮らしに慣れていった。

ある日すみっコたちから“夢”という言葉を教えてもらったふぁいぶ。魔法の世界では、魔法でなんでも叶えることができるため、夢という言葉をふぁいぶは知らなかったのだ。「こうなったらいいなという願いごと」である夢を語り合うすみっコたちは、とてもワクワクしていた。なんとか役に立ちたいと思ったふぁいぶはすみっコたちに魔法をかけるが、失敗してしまい落ち込む。
魔法の力不足であるふぁいぶは1人でこっそりと魔法の練習をし、“消失の魔法”がかけられるようになった。
自信をつけたふぁいぶは、眠っているすみっコたちの元へ向かい魔法をかける。しかし何も起こらずに今回も失敗だと思われたが、実は消失の魔法はしっかりかかっていた。

翌朝、目を覚ましたすみっコたち。いつも弱気なはずのぺんぎん?がなぜか自信満々である。寒がりなはずなのに、暑そうにしているしろくま。誰かに食べてもらいたかったはずのとんかつは「どうせなまゴミだし…」と卑屈になっている。体型を気にしていたはずのねこは、カロリーを気にせずに食べ続けていた。昨晩ふぁいぶがかけた消失の魔法ですみっコたちの夢が消されてしまっていたのである。ふぁいぶは夢が叶わなくて悲しい思いをするのであれば、消してしまえば良いのではないかと考えてしまっていた。
目には見えなくても大切なものを消してしまったことを後悔したふぁいぶは、元に戻そうと魔法をかけようとするが、消失の魔法で力を使い過ぎたためうまくいかない。
魔法がかかっていないとかげを中心に、ざっそうやふろしきなどと共に力を合わせてみんなの夢を思い出させていく。すると次第に夢を取り戻し初めて、すみっコたちらしさも戻りふぁいぶは安心する。
とかげの家に向かって帰る道で、いつも助けてくれるとかげの夢が何なのかふぁいぶは疑問に思った。
その日の夜、寝支度をしていたふぁいぶはとかげの宝箱を倒してしまった。中にあったスミッシー関連のものを見て、スミッシーがとかげにとって大切な存在であることを知り、とかげがスミッシーに会いたがっていることに気がつく。

魔法の世界では、ふぁいぶと間違えてたぴおかを連れ帰ってきてしまったことに魔法使いのきょうだいたちは驚く。なんとか5年後の大満月よりも前にふぁいぶを迎えにいく方法を研究して、小さい帆ではあるが帆船を完成させてすみっコたちの世界に向かった。
ふぁいぶときょうだいたちは再会を果たし、ふぁいぶはすみっコの世界にいる間に特にとかげにお世話になったことをきょうだいたちに伝えた。ふぁいぶときょうだいたちはとかげにお礼をするために、スミッシーに会いたいというとかげの夢を叶えてくれることになる。
湖に移動し、きょうだいたちが夜空に星でスミッシーを描くとスミッシーが現れた。魔法でスミッシーに羽が付けられ、星空の海の中をとかげとスミッシーは仲良く散歩する。少しの間ではあったが、とかげとスミッシーは貴重な時間を過ごすことができた。

ふぁいぶは帽子の先についていた星の飾りをとかげに渡し、魔法の世界に帰っていった。「すてきなまほうつかいになる!」という夢ができたふぁいぶは、より一層魔法の練習に励むのであった。

『映画 すみっコぐらし 青い月夜のまほうのコ』の登場人物・キャラクター

すみっコ

しろくま

赤ちゃんの頃から一緒にいるふろしきと共に、寒い北からやってきた。寒いのが苦手。ずっと暖かいところで暮らすことが夢。

ぺんぎん?

自分が何かわからずに、自分探しをするため図鑑を熱心に読んでいる。自分に自信が持てずに弱気。きゅうりが好物。自分の本当の姿を知ることが夢。

とんかつ

とんかつの端の部分。ほぼ油で食べ残されてしまった。残り物同士のえびふらいのしっぽと仲が良い。たまにパン粉で衣をつけて揚げ直すことで衣替えをしている。いつか誰かにソースをつけて食べてもらうことが夢。

ねこ

gagao344z
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@gagao344z

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